道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)

著者 : 岡崎琢磨
  • 朝日新聞出版 (2016年6月7日発売)
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  • レビュー :17
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648181

作品紹介・あらすじ

消えた香典の行方、水子供養に隠された秘密。道然寺の若和尚・窪山一海が巻き込まれる謎の数々を先に解決するのは、人を疑うレン?それとも人を信じるラン?生老病死-いつの世も人は苦悩を避けられない。捨て子だった双子探偵は、様々な出来事をどう受け止めるのか。

道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小説トリッパー2014年夏季号、2015年春季号〜秋季号の連載に加筆修正して、2016年6月朝日文庫刊。4つの連作短編。お寺に暮す中学生のランとレンの双子のコージーミステリー。1話めの解決が、スッキリせず、消化不良気味ですが、残り3話は、うまくできていて楽しめました。

  • 赤ん坊の時に捨てられ、寺に引き取られた双子・レンとラン。
    双子はずっと寺で育てられ、現在中学生だが、正反対の性格をしている。レンは性悪説を心情にするゲーム大好き今時男子。ランは性善説を信じる甘いもの隙のおっとり女子。寺の息子で若い住職である一海の周りで事件が起こるが、この双子のひらめきが謎を解くきっかけになる。

    一話目は、葬儀の最中に消えた香典の謎。
    資産家の老人がなくなり、その葬儀の最中に4人の子供たちが出した香典が消え、受付をしていたお手伝いの泰恵に疑いが向けられる。故人の後妻である幸代は特に泰恵を疑ったが、泰恵のアリバイは故人の4人の息子たちによって保障された。

    二話目は、寺になじみのある和菓子屋の孫娘が、急に店の商品である菓子を拒絶したという謎。
    孫娘は何故か最近早く登校するようになっていたが、その理由も分からない。

    三話目は、水子供養にきた女性の夫が、一海と妻の中を疑うところから始まる話。
    寺のお手伝いで、一海の縁者であるみずきは英会話教室に通っており、その生徒仲間の優奈から、寺で水子供養をしたいと依頼を受ける。
    みずきは一海に供養を頼み、それは無事に執り行われるが、後日優奈の夫・俊一が、一海と優奈の仲を疑って寺にやってくる。
    優奈は子供を持ちたいと思っていたが、その前に水子の供養をしにきたと言った。しかしその時点ですでに妊娠しており、それを夫に隠していた。夫は優奈の相手が自分でなく他の人なのではないか疑っている。
    そして優奈夫婦の背後には嫁姑問題も隠れていた。

    四話目は、一海と双子が、それぞれ似たような女性の夢を見たところから話が始まる。
    夢に出てきたのは双子を捨てた母なのではないかと考える。
    そんなとき、警察から引き取り手のない遺体の供養の依頼が来る。亡くなったのは女性で、35歳の女性。事故死だったが親に勘当されて身寄りがなく、遺体の引き取り手がいないとのことだった。
    そしてこの女性には出産の形跡があった。
    一海はこの女性がレンとランの母なのではないかと考える。

    推理物ではあるんですが、寺が舞台なだけあり、どれも人情味を大事にした話です。
    捨て子を引き取る、血の繋がってないこと加須になることの難しさが描かれているけど、それでも最終話で助けた赤ちゃんを引き取ることにしたという結末に心がジンワリしました。

  • (収録作品)寺の隣に鬼は棲むのか/おばあちゃんの梅ヶ枝餅/子を想う/彼岸の夢、此岸の命

  • 元々は捨て子で、寺に拾われて暮らす男女の双子、
    レンとランが探偵役。
    物語自体は、寺の若住職目線で進む。

    連作短編集で、寺の人や周辺人物が遭遇する
    大小さまざまな謎を、双子が解いて行く。
    が、この双子が、それぞれ「正反対の推理」をする(^ ^;

    「寺の隣に鬼が住む」を座右の銘とするレンは、
    いわば人間性悪説の立場から物を見るきらいがある。
    反対にランは「仏千人神千人」とよく口にする、
    若住職と同じくお人好しで情にもろい。

    この二人の「正反対の推理」が、それぞれ破綻無く
    「なるほど」と首肯できるよう構成された文章は、
    かなり緻密に練り上げられている。

    さらに一冊を通して双子や若住職の成長が描かれ、
    また双子の出自に関わる謎や、最後に新たな展開もあり、
    これは続編を出す気満々と見た(^ ^

    ミステリに分類したが、どちらかと言うと
    人情もの、ヒューマンドラマかも(^ ^
    GW中に一気読みしてしまいました(^ ^

  • サブキャラや時間軸がこんがらかってしまって最後まで取り戻せなかった。方言だとちょっと読みにくいかな。

  • 軽く読み切れる作品。謎感はそんなにはなくて、むしろ人間関係を楽しむモノかもしれないなと思う。

  • レンとランの推理が正反対なのが面白い。2人で補い合うんだなと。
    お寺の日常や法要や仏像の意味にも興味持てたし家族はいいなと。一海さんの穏やかさにも癒されました。
    縁はあると思う。

  • +++
    福岡県の夕筑市にある寺院・道然寺には、
    中学2年生の双子が住んでいる。
    「寺の隣に鬼が住む」が信条のレンと、
    「仏千人神千人」が主義のラン。
    性格が正反対の双子たちは、
    それぞれの論理で事件の謎を解決しようと試みるのだが……。
    +++
    「寺の隣に鬼は棲むのか」 「おばあちゃんの梅が枝餅」 「子を想う」 「彼岸の夢、此岸の命」
    +++

    道然寺の二代目・一海は、16歳の時、寺の境内に段ボールに入れられて置き去りにされていた双子(ランとレン)を見つける。双子は寺で育てられ中学生になっている。人の善の面を見るランと、悪の面を見るレン。性格はまったく違うが、穏やかな毎日を送っている。一海が見かけたり相談されたりした檀家さんたちが抱える厄介事を、ランとレンが善悪二方向から推理する。ランが合っていることもあり、レンが合っていることもあるのだが、味方によって出来事の様相ががらりと変わる様が興味深い。道然寺の人たちの人柄もそれぞれとても好ましく、もっと見ていたいと思わされる一冊である。

  • 【収録作品】寺の隣に鬼は棲むのか/おばあちゃんの梅ヶ枝餅/子を想う/彼岸の夢、此岸の命 

  • 双子の一人が解決したと思ったら,もう一人が意外な真実を解き明かすという,くるりと変わるストーリー.
    「ミステリ」と聞くと「唯一絶対の真実」を想像してしまうが,「動機」の面は,はたから見れば他人のことなんてわかるはずがないのだから,ともすれば「真実」にたどり着けていない可能性もある.
    性善説と性悪説の両から人をとらえる双子探偵.
    二人でいることで,二人は,真実と大切なことに気づいていく.
    できたての梅が枝餅はマジで美味い.

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