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- / ISBN・EAN: 9784022648198
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】2018年──下流に堕ちた日本人と、安い労働力として呼び寄せられた移民たちは「円」を捨て、電子貨幣による非課税の経済圏を作り始める。そんな環境の中で、若いフリーランスのITエンジニアたちが時代に抗い、世界を切り開いていく近未来青春サスペンス。
感想・レビュー・書評
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仮想通貨と移民労働者を題材にしたシステムエンジニア小説。東京五輪で移民が爆増した東京では、消費税その他諸々の課税から逃れる仮想通貨「N円」が流通しているという設定。
ゴリゴリにシステマチックな内容で、ルートキットとかapacheとかsshとかが注釈無しで会話中にポンポン出てくる。テンポはいいけど、ある程度のUNIX知識とシェルコマンド知識とセキュリティリテラシーを前提とされている感じ。この読者置き去り感がたまらない。
凄腕エンジニアなのに色彩デザイン感覚ゼロの恵さんのキャラクターがいい。Webエンジニアよりセキュリティエンジニアになったほうが稼げるんじゃないの?
地下経済で流通する仮想通貨が登場する未来は近いかも?というか来ている?と思わせる内容で、興味深いものがありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リアリティがすごい。すぐそこにある現実みたいで大変面白い。
ただ、藤井さんの小説の主人公はみんな有能すぎて、
そんなSEそうそうおらんじゃろ笑ってなる。 -
若者の貧困をテーマの一つとして描かれていますが、そこを力強く駆け抜けていく姿に希望を抱ける良作です。仮想通貨が世界中を席巻していますが、日本ではまだまだ広がっていないし、僕自身まだpaypayもLinepayも使っていません。なんとなく必要性を感じていないからというのが大きいです。それでも殆ど買い物も支払いもクレジットなので、現金使用しなくなって来ていますが。
この中ではN円という仮想通貨を巡って、3人の若者が事件に巻き込まれていきますが、上田岳弘の「ニムロッド」の仮想と現実との境界線があやふやになるような漠然とした不安感とは真逆で、肉体的で汗ほとばしる青春作です。
国家という傘から弾き飛ばされた若者たちは、同じく国家の傘に元々は入っていない多国籍なアンダーグランドな世界の経済にもぐりこみ、自分達の新たな居場所を求めて東京を駆け抜けていきます。
彼らは日本円を殆ど持っておらず、N円で生活している為、日本の交通機関を使う為に日本円に換金しなくてはならなかったり、まるで日本国内で別の国での生活を展開しているかのようです。次第に日本円に固執している自分の方に違和感を覚えてくる位、登場人物が活き活きと躍動しています。
この後筆者の書く「東京の子」も同じベクトルの本です。やはり肉体的かつ未来的な良作です。 -
自分の知識不足によってこの本の半分も楽しめていないと感じた。勉強してもっと面白く読んでやる。
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ストーリーはまあまあ。
登場人物にあまり魅力を感じず。 -
単語が分かりづらいので、入れなかった
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話としては面白いんだけど、仮想通貨などの知識がほとんど無いゆえ、完全に楽しめなかった。
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近未来の仮想通貨の話
純粋に面白い