アンダーグラウンド・マーケット (文庫)

  • 朝日新聞出版 (2016年7月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022648198

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】2018年──下流に堕ちた日本人と、安い労働力として呼び寄せられた移民たちは「円」を捨て、電子貨幣による非課税の経済圏を作り始める。そんな環境の中で、若いフリーランスのITエンジニアたちが時代に抗い、世界を切り開いていく近未来青春サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 仮想通貨と移民労働者を題材にしたシステムエンジニア小説。東京五輪で移民が爆増した東京では、消費税その他諸々の課税から逃れる仮想通貨「N円」が流通しているという設定。

    ゴリゴリにシステマチックな内容で、ルートキットとかapacheとかsshとかが注釈無しで会話中にポンポン出てくる。テンポはいいけど、ある程度のUNIX知識とシェルコマンド知識とセキュリティリテラシーを前提とされている感じ。この読者置き去り感がたまらない。

    凄腕エンジニアなのに色彩デザイン感覚ゼロの恵さんのキャラクターがいい。Webエンジニアよりセキュリティエンジニアになったほうが稼げるんじゃないの?

    地下経済で流通する仮想通貨が登場する未来は近いかも?というか来ている?と思わせる内容で、興味深いものがありました。

  • リアリティがすごい。すぐそこにある現実みたいで大変面白い。
    ただ、藤井さんの小説の主人公はみんな有能すぎて、
    そんなSEそうそうおらんじゃろ笑ってなる。

  • 若者の貧困をテーマの一つとして描かれていますが、そこを力強く駆け抜けていく姿に希望を抱ける良作です。仮想通貨が世界中を席巻していますが、日本ではまだまだ広がっていないし、僕自身まだpaypayもLinepayも使っていません。なんとなく必要性を感じていないからというのが大きいです。それでも殆ど買い物も支払いもクレジットなので、現金使用しなくなって来ていますが。
    この中ではN円という仮想通貨を巡って、3人の若者が事件に巻き込まれていきますが、上田岳弘の「ニムロッド」の仮想と現実との境界線があやふやになるような漠然とした不安感とは真逆で、肉体的で汗ほとばしる青春作です。
    国家という傘から弾き飛ばされた若者たちは、同じく国家の傘に元々は入っていない多国籍なアンダーグランドな世界の経済にもぐりこみ、自分達の新たな居場所を求めて東京を駆け抜けていきます。
    彼らは日本円を殆ど持っておらず、N円で生活している為、日本の交通機関を使う為に日本円に換金しなくてはならなかったり、まるで日本国内で別の国での生活を展開しているかのようです。次第に日本円に固執している自分の方に違和感を覚えてくる位、登場人物が活き活きと躍動しています。
    この後筆者の書く「東京の子」も同じベクトルの本です。やはり肉体的かつ未来的な良作です。

  • 自分の知識不足によってこの本の半分も楽しめていないと感じた。勉強してもっと面白く読んでやる。

  • ストーリーはまあまあ。
    登場人物にあまり魅力を感じず。

  • ふむ

  • 日本のFintechの未来…ifルート的な話で、非常にリアリティのある小説だった。至る所に伏線が散りばめられ、起承転結の転結に結びついていくさまはストーリーの練り込みを感じる。ぜひシリーズとして続きを読みたい。
    IT・マネーの基礎知識があるおかげか、読んでてとてもワクワクした。恵さんが、生き残ったedコマンドを駆使して汚染された他のコマンドを正常なものにコンパイルして置き換え、ピタットの全貌を暴いていく……ソフトウェアに関わるものとして痺れました。こういう凄腕エンジニア、憧れる。

  • 単語が分かりづらいので、入れなかった

  • 話としては面白いんだけど、仮想通貨などの知識がほとんど無いゆえ、完全に楽しめなかった。

  • 近未来の仮想通貨の話
    純粋に面白い

  • 不思議な雰囲気をまとわり付けている。
    日本の下層社会と言うべきところの
    言語的ダイバシティと格差にめげずに、
    真面目に取り組もうとしている 若者。
    巧、鎌田、恵の三人組。

    仮想通貨とクラウド。
    その流れと仕組み。
    ふーむ。仮想通貨が 投機の対象になっていない。
    狙いは、消費税の回避。なるほど。なんとなく、可愛い狙い。
    現在の状況ならば、換金した時点で50%とられるからね。

    仮想通貨のことがもう少し語られるかと思ったが
    仮想通貨のドリーム共同体ということか。
    助け合い。調定。
    などコミュニティを守るためのルールが作られている。

  • たくましく生きる3人の若者の青春物語。…と書くと、「あら退屈そう」と思う人もいるかもしれない(私です)が、そこは藤井氏。若者の活躍を軸にして、設定を仮想通貨が流通し、多くの移民が暮らす日本にすることで、知的好奇心も満たされ、またそこに事件が絡みと、刺激的で痛快なエンターテイメントに仕上がっている。

  • 近未来というより今だったが、うーん。著者が描く未来はあんまり住みたくないな。
    話としては面白い。なんだろ、どっちが悪いからとは言い切れない気がするけど

  • 東京オリンピックを目前に控えた2018年、東京は安い労働力として呼び寄せられた移民により多国籍化し、移民たちと非正規雇用の日本人は仮想通貨「N円」による地下経済圏で生きていた。

    スマホによる電子決済、現金を持たなくても買い物ができるようになり、ビットコインがクローズアッブされる現代、タイムリーな話であった。

    ただ、脱税を前提とした仮想通貨、小説としては面白くとも容認はできない。

  • この人のチームが出来上がっていく様子、トラブルをやっつけて行く様子が大好き!
    今回のネタは、仮想通貨と2年後にオリンピックを控えた移民都市 東京だ!

  • 普通の小説でsshとか出てくるのは新鮮だった。。。ちなみにルートキットってどうやって検出するんだろう。。。

  • 仮想通貨が流通した日本。
    移民が大量になだれ込み、その中で懸命に生きるフリービーの巧。
    誰にも何にも属さず自分達の腕で生き抜いていこうとする姿がとても格好良かった。

    仮想通貨や経済の設定がよく作り込まれていて面白かったな~

    続編があったら読みたい。

  • 今回紹介するのは、「N円」という仮想通貨が主役のSF小説です。本の表紙に「¥」を逆さにしたマークが描かれているんですけど、これはあるシンガポールの企業が作り出した通貨、「N円」なんですね。ぼくはこれを那覇空港の本屋で見つけたんですけど、羽田空港に着いた時にはもう読み終わっていて、快哉を叫びましたね。「うわ~! おもしろかった! 飛行機で読むのに最高!」って。この本は藤井さんがネットに上げた電子書籍が初版なんですけど、「Amazon Kindleでこんなおもしろいのがアップされていたのか」って感心しましたね。

    (公式メルマガ「ブックトーク」29号より一部抜粋)

  • 面白かった。
    藤井太洋の話は、なんとなく知ってるような知識で技術面がなんとなく分かる、という書き込み感のちょうど良さが好き。自分に合ってる気がする。
    161029

  • 冒頭、東京五輪直前という遠くない未来に1000万人の移民が来て中華系インド系の仮想通貨が流通し地下経済が誕生する、という設定がリアルすぎて引き込まれた。主人公の両親が家を手放す成り行きや非合法住宅に住む若者たちの描写もSFと思えず、妙に深刻になってしまう。サイバー犯罪のくだりは素晴らしい筆力。マイナス1は恵のマンガチックな暴力的態度。

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著者プロフィール

藤井大洋:1971年鹿児島県奄美大島生まれ。小説家、SF作家。国際基督教大学中退。第18代日本SF作家クラブ会長。同クラブの社団法人化を牽引、SF振興に役立つ事業の実現に燃える。処女作『Gene Mapper』をセルフパブリッシングし、注目を集める。その後、早川書房より代表作『Gene Mapper -full build-』『オービタル・クラウド』(日本SF大賞受賞)等を出版。

「2019年 『AIが書いた小説は面白い?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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