ヤモリ、カエル、シジミチョウ (朝日文庫)

著者 : 江國香織
  • 朝日新聞出版 (2017年11月7日発売)
3.52
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  • 本棚登録 :191
  • レビュー :14
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648648

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】小さな生き物たちと話ができる幼稚園児の拓人の目に映る、カラフルでみずみずしい世界。ためらいなく恋人との時間を優先させる父と、思い煩いながら待ちつづける母のもと、そんな弟を懸命に守ろうとする姉と共に、拓人は日常生活を冒険する。谷崎潤一郎賞受賞作。

ヤモリ、カエル、シジミチョウ (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これ素晴らしい。

    音、オト、言葉、気配、意識、声、気持ち
    どれも同じでどれと違うことがちゃんと表現されている

  • 江國香織らしい世界。

    言葉の遅い男の子、たくとはムシやヤモリと通じ合え、言葉にしない人の気持ちを感じ取ることができる不思議な能力をもっている。
    ちょっと変わった子供たちと外に彼女がいるとわかっていても夫の帰りを待ってしまう母親。

    子供の頃のことを少し思い出しつつ、母親の気持ちもわかるような気がして、読みながらいろんな思いが錯綜したが、最後はたくとも普通の大人になったようで、意外とあっさりした終わり方。

  • 世の中には様々な人が暮らしていて、それぞれの日常を生きています。このお話も、ある家族とその周辺の人々の日常の一場面を切り取って、同時並行で進んでいきます。中でも気になるのが、幼稚園児の男の子。彼は人の世界にはあまり馴染めないでいるのですが、それでも五感で世界と繋がっています。もちろん、幼子がみなこのような感性を持っているとは思いませんし、むしろ小説の中の特殊な子供であるには違いありません。それでも、この男の子に心惹かれてしまいます。
    このお話の展開に、なぜこの子の存在が必要なのかを考えると、日常の些末な出来事など、どうでもよいことのように思えてきます。生き物としての幸福とは、いったい何なのだろうと考えさせられたりもします。人の世の喜怒哀楽なんてものより、もっと素直に世界と繋がることができれば、この世はとても美しいと感じられるのではないかなぁ、なんて。
    でも、現実の世の中は、いろんな人がたくさんいて、様々な感情を抱きながら、素知らぬ顔で日常を生きています。ありのままを受け入れることができれば、世界は思いのほか単純明快なのかもしれません。何やらややっこしくしてしまっているのは、人なのかも。人間って無駄に複雑で、素直な生き物じゃないですねぇ。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 2018/04/01
    言葉って何だろう。
    言葉は、果たして本当に意図するもの通りに伝わっているんだろうか。

  • 久々の江國香織.平仮名ばかりのページは効果的だけど読みづらい...
    奈緒の追い詰められていく感じがとても苦しい.
    育美と拓人が静かに成長していく様子に救われる.

  • 思ったより呆気ない終わり方。気がつくとひらがなだけの言葉が漢字が混ざって変わってしまったんだな、と思った。

  • 淡々と日常が描かれているんだけど、細かい心情が伝わってきて、気付くとあーこの感情。。と切ない気分になった。(不倫されている妻、している夫の心情なので)
    どうにもやりきれない切なさを感じつつも、純粋無垢な子供の世界観を思い出させてくれる。
    本当はどこにでもあるような日常を、やりきれない思い、言葉では言い表せない感覚を本にした感じ。

  • 登場人物、それぞれの価値観や考え方がものの見事にバラバラで、対比が際立つキャラ設定。
    それぞれに正義や矜持があり、相容れないものへの哀れみや怒りが溢れている。
    自分が正しくて相手が間違っていると思うのに、相手から否定され、疎外される哀しみがそれぞれの立場で表現されている。

    それぞれの物語が展開すると同時に、拓人と育実の成長物語でもある。
    母親や父親との関わり。他の大人たちとのかかわり。お友達とのかかわり。
    誰もが経験するような子供特有の世界観。そして、成長とともに失われる不思議な力と大切な記憶。
    最後の5行にそのすべてが集約されていてハッとする。
    私自身も何か大切な記憶や思い出を書き換えてしまっているのではないかと。

  • 控えめで、だけど世界観のある装丁が。江國香織らしい。
    あんな時代があったことなんてすっかり忘れてる。
    ひらがなだけの世界。

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