物語のおわり (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1076
レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648730

感想・レビュー・書評

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  • イヤミスの異名をとる著者のイメージを覆し、読後感は『山女日記』に類する作品。
    「空の彼方」という短編小説が、北海道を旅する旅行者の手から手へと渡される連作。
    大きな事件が起こるではなく、北海道の各地の風景描写がリアルで、主人公たちと一緒に旅をする気分になれる。
    一人旅の友としてこの小説を携えて、読者も主人公たちとともに、自らの来し方行く末に思いを致すのも一興か。

  • イヤミスの女王と言われる湊かなえさん
    でも、この本は読後感はとってもいい
    北海道は小樽に向かう船の中で物語が始まり
    富良野、美瑛、旭川、摩周湖、知床、網走、洞爺湖、札幌
    それぞれの場所に、色々なものを抱えて来た旅行者たち
    人間らしくていいなぁと思った
    こんなにうまくはいかない、やっぱり小説という気持ちもあるけど
    小説の中でくらい、うまく行ってほしいこともあるさ
    さっと読めて、楽しい時間だった

  • 病の宣告、就職内定後の不安、子供の反発…様々な悩みを抱え、彼らは北海道へひとり旅をする。その旅の途中で手渡された紙の束、それは「空の彼方」という結末の書かれていない小説だった。そして本当の結末とは。あなたの「今」を動かす、力強い物語。

  • 夢を追い求める人。
    夢をあきらめる人。
    夢を手助けする人。
    夢を妨害する人。
    アプローチはそれぞれで
    結果も違うことはわかってるけど
    それでも
    夢に向かっていく物語は
    どれひとつ“おわり”になんてならない。

  • 夢を追い求める人。
    夢をあきらめる人。
    夢の手助けをする人。
    夢への歩みをを見守る人。
    夢を見つけようともがく人。
    夢が見つかるまで
    静かに、ただひたすら静かに
    一歩一歩を踏み出す人。

  • 物語のタイトルが「物語のおわり」とあり、また第一話目の終わり方を見て、何となく結末を明確にかかない作品なのかと思ったが、最後まで読んだらすべてが繋がっていた。面白い作品だった。

  • 未完の私小説。その小説が、北海道を旅し、出会う人たちに渡り読み継がれるといった短編小説めいた本作。一体どんな趣向の何の話?しかし、そこは湊かなえ作品ならでは。やはり最後にその意味が隠されていました。祖母と孫娘のお話。そして、巻末の解説は、北海道が舞台の作品ゆえに、「水曜どうでしょう」のディレクター藤村氏が担当。

  • 書きかけの物語が様々な人の手に渡り、それぞれの境遇に合わせて解釈されていくのは新鮮だった。一周回って戻ってくる構成も見事。舞台が北海道でその情景も浮かび上がってくるような描写が美しい。

  • ひとつのもの・ことをきっかけに関係者たちのその後の人生が変わっていく、という物語はたくさんあるけれど、別々の人生を歩んできた人たちがひとつの未完の物語を読み、己の境遇と重ね合わせることでそれぞれ別々の解釈をし、物語の続きを想像する。一人の作者が7人それぞれの視点での解釈ができる、その視野の広さに脱帽です。
    会社の人から借りて読みましたが自分でも買おうかな。

  • 北海道本!拓真館いってみたい。

    少女を主人公とした一編の未完の小説が、北海道を訪れた老若男女様々な旅行者の手から手へと渡っていく連作集。
    旅の道中だからこそ、たまたま出会った人からおもむろに手渡された原稿に感じいり、また次の人へと繋いでいくという流れが程よくロマンチック。
    旅行中に知り合った当人の連絡先より、その人から未完の小説を渡される方が楽しい思える人向きではないかと思う。
    作中の中心となる未完の小説は、十代の頃描いた夢を掴みとる、諦める、あるいは応援する、認めない。
    という間口の非常に広い話なので、変につかえることなくすんなり読める。
    四十代独身キャリアウーマンが読み手となる「湖上の花火」がよかった。

    読み終わってから冒頭に北海道の地図が載ってたことに気づいた。
    美瑛がどの辺りか調べる必要なかったじゃんね。
    ページはゆっくり捲るようにしたい。

プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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