マイストーリー 私の物語 (文庫)

  • 朝日新聞出版 (2018年7月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022648907

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】「娘より書ける」と信じて疑わない芥川賞作家の母親は娘の担当編集者との情事を赤裸々に描き、「死んだ夫の自伝を作りたい」と訪れた美女は自らの過去を隠しながら男性を次々と翻弄する……。欲望うずまく出版業界を鮮やかに描く。

みんなの感想まとめ

欲望と人間関係が交錯する出版業界の裏側を描いた作品で、物語は母親と娘、そして編集者との複雑な関係を中心に展開します。登場人物たちの心理描写や葛藤が巧みに描かれ、特に母親の視点から見ると、家族や愛情の形...

感想・レビュー・書評

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  • 惰性で読んだ

  • 途中まで面白かったけど途中から陳腐な官能小説みたいになってしまった。

  • 出版社の話。最後は林真理子らしいドロドロした男女の話。随分前に買った本を再読。

  •  
    ── 林 真理子《マイストーリー 私の物語 20180706 朝日文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4022648902
     
    https://hayashimariko.exblog.jp/
    ♀林 真理子 作家 19540401 山梨 /1986 直木賞
    /199902‥(44)第1子長女出産
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%CE%D3+%BF%BF%CD%FD%BB%D2
     
     娘の担当編集者と関係を… 林 真理子が描く赤裸々な告白
    https://dot.asahi.com/dot/2018072500079.html?page=1
    ── 大西 展子 20180728 朝日新聞出版の本
     
    …… 小説家、エッセイストとして、30年以上文壇の第一線に立ち続ける直
    木賞作家の林 真理子。自著『西郷どん!』が、中園ミホの脚本でNHK大
    河ドラマになったり、日本経済新聞で連載中の『愉楽にて』が男女の情
    事を生々しく描き切って話題を呼んだりと、さまざまなジャンルでの活
    躍ぶりは、年齢を重ねた今でも衰えることを知らない。時代小説を書き
    ながら、男女の濡れ場を表現する林の振り幅の広さにはいつもながら感
    心させられる。
     
     そんな林の『マイストーリー 私の物語』は、出版不況の昨今、秘か
    にブームとなりつつある自費出版がテーマだ。もともと何故高いお金を
    出して自分のことを語りたいのか不思議だった。しかし、自身の所に送
    られてきた自費出版の本を手に取ると、「初めて出した本に『第一作品
    集』というタイトルが入っていた。この自己顕示欲はすごい。こういう
    人たちの心理が知りたい」と思い、取材を始めたのだという。
     
     主人公は、自費出版専門の出版社『ユアーズ』の中年編集者・太田
    恭一。客のほとんどは高齢者で、数百万円という大金を払って自分の人
    生の記録を残す。そのサポートをしてきた太田の元に、ある日、芥川賞
    作家である漆 多香子から母・エリナの自伝を出版してほしいという依
    頼が来る。娘よりいいものを書けると信じて疑わないエリナの原稿には、
    娘の担当編集者と性的関係を持ったことなどが赤裸々に描かれていた。
    出版後、同名の人気歌手がツイッターで取り上げたこともあり、増刷さ
    れるほど話題になる。エリナは、「80歳を過ぎて、本を出すチャンスが
    回ってきた時に思ったんです。もう私には先がない。綺麗ごとはいっさ
    いやめて本当のことを書いてみようって」と語る。人生の終盤が近づい
    てくると、自分のありのままの姿を本に残しておきたいという欲求にか
    られる人は、案外多いのかもしれない。
     
     『マイストーリー 私の物語』の帯に、「なぜ、ひとはこれほどまで
    に『私』を曝け出したいのか」とあるが、高齢者にとっては自己肯定の
    際たるものが自費出版なのかもしれない。自分の人生にふりかかってき
    た不幸な出来事も、失敗談も、それを乗り越えて来たことが、老い先短
    い今の自分にとっては自慢であるのだ。失恋や不倫、果ては情事にまつ
    わる恥ずかし過ぎるシーンを赤裸々に語ることさえも、自慢話に変わっ
    てしまうということだ。
     
     林の小説には、女のしたたかさや狡さを備えたキャラクターに加え、
    嫉妬や裏切りまでもが鮮やかに描かれることが多い。不思議な魅力の女
    が登場し、存分に周りを巻き込む。女性から見ると「この女は胡散臭い」
    とすぐにわかるのに、男性はその魔性的な魅力に抗えず、手を差し伸べ
    てしまう。美貌という武器を持った女は強いと改めて納得させられる。
     
     同じ中年が主人公の作品でも、『愉楽にて』に登場する男たちは、太
    田とは別世界の人間だ。主人公の老舗製薬会社・副社長の久坂 孝之を
    はじめ、友人の田口は老舗精糖会社の三男、山崎も実家は京都の老舗料亭
    と、いわゆる富裕層の男性たちである。
     
     たとえば久坂は創業家の長男として生まれるも、会社経営を弟に任せ、
    40代で既に若隠居。その際、父親から莫大な金額を譲り受け、加えて自
    社株の配当で年に億近い収入を得ている。ただし、本人は単なるバカ息
    子ではなく、京都大学史学科で日本中世史を専攻、アメリカ留学も経験
    したエリートで、語学も堪能という富豪なのだ。彼の友人たちも一様に
    使い切れないほどのカネを持っている。そんな今の大金持ちの生態を林
    は詳細に描いてもいる。
     
     ここで描かれるのは、甘い恋愛ドラマでもドロドロの不倫劇でもない。
    久坂は次々と女と関係を持ち、そのひと時を優雅に楽しんでいる。淡々
    と情事を繰り返す久坂には、太田のような一途さは微塵もない。女にとっ
    ても、久坂はアバンチュールの相手としては最高で、退屈な日常からの
    ちょっとした逃避でもあるのだろう。
     
     『愉楽にて』が、官能小説として多くのビジネスマンたちを惹きつけ
    る一方で、『マイストーリー 私の物語』には「平凡な人生などひとつ
    もない。いろんな事情を抱えてみんな必死で生きている」という林の熱
    い思いが込められている。
     
     自分の人生など取るに足らないつまらないもの、という人でも『マイ
    ストーリー 私の人生』を読み終わると、誰にでも語ることのできるマ
    イストーリーがあるのだということに気づかされるはずである。
     
     林の作品には、恋愛における男女の関係や、女の自意識の違いなど鋭
    い洞察力が存分に発揮されているものが多い。林の取材力や想像力、そ
    して実体験に裏打ちされた真実を内包した作品だからこそ、どの年代に
    も魅了されるのだ。(ライター・大西 展子)
    https://dot.asahi.com/dot/2018072500079.html?page=1
     
    (20181020)(20200312)
     

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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