- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022649065
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】浅田次郎、綾辻行人、有栖川有栖、岡崎琢磨、門井慶喜、北森 鴻、連城三紀彦、7人の人気作家による京都が舞台のミステリーを収録。雨の祇園で見かけた昔の恋人、昭和最後のおけら参り、失踪した夫から届いた嵯峨野の絵葉書……。京情緒にあふれた文庫オリジナル短編集。
感想・レビュー・書評
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京都を舞台にしたミステリーのアンソロジー。浅田次郎、綾辻行人、北森鴻、うーん、さすがに上手い。綾辻行人はほとんど読んでいなかったけれど、ぞくっとする感じがなかなかいける。いろいろ読んでみようかと思う。有栖川有栖はいつものように理詰めで来るねえ。岡崎琢磨はまあまあ。門井慶喜は金印ならぬ銀印テーマにしたところが面白い。連城三紀彦は嫋々たる文章が凄い。
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2018年11月朝日文庫刊。各社で文庫化されている作品から、収録したオリジナルアンソロジー。浅田次郎:待つ女、綾辻行人:長びく雨、有栖川有栖:除夜を歩く、岡崎琢磨:午後三時までの退屈な風景、銀印も出土した:門井慶喜、北森鴻:異教徒の晩餐、連城三紀彦:忘れ草、の7篇。京都を舞台にして、展開するミステリーで、集めて読むと違った味わいがある。編集者の関根亨さんのチョイスだが、最近のものと古いもの混成はあまりいただけない。
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京都は、最近外国人の方達が大挙して押し寄せてきて
かつての、穏やかな、京都らしさが失われてしまって
ちょっと残念なんのですが。
私が好きな京都らしさが、各作家さんの小作品の作風に
織り込まれていて、京都の風景が映像として勝手に頭の中に浮かんできて
読んでいて楽しかった。 -
7人のミステリー作家のアンソロジー。
今回は浅田氏きっかけで手にした一冊でしたが、今まで名前すら知らなかった作家の作品に出会えて読書の幅が広がったように思います。
浅田次郎「待つ女」
このアンソロジーの中で一番の楽しみ。期待通りの内容。真面目に読まないことをおススメ(笑)
綾辻行人「長びく雨」
読み進むうちに何となく終わりが想像できて、最後は、、、(驚愕)
有栖川有栖「除夜を歩く」
90頁近くにも及ぶ長めの短編(笑)
中盤の二人の会話は読み飛ばしました。
岡崎琢磨「午後三時までの退屈な風景」
アリスさんの作品を読むのにエネルギーを消耗したので、この作品で充電しました(笑)
事件自体はつまらないですが、癒される場面あり。
門井慶喜「銀印も出土した」
う~ん。ちと展開に無理がないかい!?
北森鴻「異教徒の晩餐」
彼の正体に興味深々。
連城三紀彦「忘れ草」
文字がびっしり並んでる。改行少なく、鉤括弧なく読み辛い。かなり早い段階で話の落ちが読める。 -
京都を舞台にした短編ミステリ集。アンソロジーはこれまで知らなかった作家さんを発掘できるチャンスではあるのですが、この本のようにシリーズ作品からの抜出ばかりだと、いちいちキャラや設定の把握をしなければならず、展開に入り込みにくいのが難点;
唯一、シリーズ内容を把握していた、有栖川有栖「除夜を歩く」は、”素人が書いたミステリ小説の推理”という新しい切り口で、さすがのロジック組み立ての巧みさ。奇しくも元号が平成から変わろうというこの年に、昭和から平成に変わる年の話と出会えてニヤリとしました。やはり当時もみな、新元号が何になるかは気になったのでしょうね。
その他では、岡崎琢磨「午後三時までの退屈な日常」が、短い中にばっちり叙述トリックも仕込んであって驚かされました。シリーズに手を出そうかなという気にさせられる一品。
あとの作品は、残念ながらあまり自分の好みではなかったかな……。京都の地理や歴史に詳しい方なら、さぞ楽しめるんだろうなぁ。 -
京都が舞台になっている短編ミステリのアンソロジー。もっと京都ならではの情緒みたいな物を入れて欲しかったけど、そこそこ楽しめた。
綾辻・有栖川両氏の作品は既読。有栖川さんのは江神シリーズで中編程度のボリューム。作中作あり、江神とアリスの推理談義ありで、やはり何度読んでも面白い。巻末の連城三紀彦さんの作品は一番短かったけどインパクトは強かった。大人の文章だな~。北森鴻さんとは私は大学の推理小説研究会で2年間活動を共にしていたので、作品を読むと懐かしく、改めて早すぎる死去を残念に思う。 -
京都が舞台というだけでも、ポイント高い。
北森鴻、連城三紀彦の作品が掲載されているのも嬉しい。
どちらも読んだことがあるけれど、懐かしく趣深い。
綾辻・有栖川両氏は、いわずもがな。
ただ、冒頭の浅田作品は、男の身勝手が不愉快で読まなければよかった。 -
京都を舞台にした短編集。
初読み作家さんも多く、シリーズ化されているものの中から京都を舞台にした話を
抜粋したようで、登場人物の人間関係がさっぱりな話も多かったけど、
良かった。浅田次郎の話が一番、余韻が残りよかった。