メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版
3.89
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本棚登録 : 201
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649126

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】「どこかでお会いしましたっけ?」少女の目は、左右で色がちがっている。「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」(表題作から)。SF・ファンタジー・ミステリ……夢の異空間へと誘う、バラエティーに富んだ異色 ひとり アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 乙一さんのひとりアンソロジー。
    以前から好きな作者で、恋愛物、ホラー、ミステリーなど様々な作風を書き分ける印象はあったが、本作ではそれが一度に楽しめる。名義によって文体を変えつつも、どの話も引き込ませる魅力を持っているのはさすがだ。
    個人的には「山羊座の友人」、「宗像くんと万年筆事件」表題作の「メアリー・スーを殺して」が特に良かった。
    予測がつかない展開だとは言えないが、最後まで読むといずれも感じるものがあった。
    乙一さんの魅力を改めて感じられる、良い作品。

  • 以前中田永一の「百瀬、こっちを向いて。」を読んだ時に、乙一と中田永一と山白朝子は同一人物である、ということを知ったのだけど、この小説は同一人物だけど違う作家によるアンソロジー本という初めて読むタイプの本でした。
    上記の3人に加えて、越前魔太郎という作家まで!(ちなみに安達寛高というのは本名らしい)
    乙一はホラー全般、中田永一は青春&恋愛(時々ミステリ要素あり)、山白朝子は怪談的和ホラー、そして越前魔太郎はそのどれにも当てはまらないけどデヴィッド・リンチの世界観的な奇妙な精神的ホラーというか…そんな印象を受けた。
    どの作家もそれぞれにクオリティが高くて、7編収録されているのだけど飽きずにあっという間に読んだ。どの作家のどの作品がいちばん好きかと問われても答えるのは難しい。
    作家別に好きなのを1編ずつ挙げるとしたら「山羊座の友人」(乙一)、「宗像くんと万年筆事件」(中田永一)、「ある印刷物の行方」(山白朝子)。越前魔太郎は1編のみの掲載なので除くとして。
    切なくなったり、すっきりカタルシスを感じたり、ゾッとしたり、様々な感覚を味わえる。

    表題の「メアリー・スーを殺して」も短編のタイトルの1つなのだけど(作者は中田永一)、メアリー・スーというのは、主に10代の若い人たちが2次創作をする際に、ヒロインを自分の理想を詰め込んだキャラクターに仕立て上げることを揶揄する言葉らしい。
    由来はここでは割愛するけれど、それを知るとこのタイトルの意味がなるほどと腑に落ちる。
    殺人や死がたくさん登場する短編集の中にあって、表題作はタイトルの不穏さとは真逆の爽やかなお話でした。
    読み応えたっぷりでおすすめの作品です。

  • 最後の二話は「せどり男爵数奇譚」の話を思いだして、ゾーッとした。「宗像君と万年筆事件」は続編を読みたくなった。短編だけど全部の話が読み応えがあって、それぞれのストーリーの読後は1冊の本を読み終わったような満足感がありました。

  • ミステリーも入っているけどちょっと不思議な世界も入っている。
    ちょっと不思議な読後感。

  • 同一人物、別名義による異色アンソロジーw
    ・・・って、別名義ありすぎやん!www

    単行本出たときフツーのアンソロジーかと思って(乙一、中田永一って!w)とは
    思ったものの、他の作家さん知らんしなーとスルーしてたら、そーゆーことだった
    とは!!!w

    中田永一さんの『百瀬~』を読んだとき「すごい新人、見つけちゃった!!」
    と悦に入ってたら、乙一さんだったww そりゃ、上手いわけさねーw

    でも、乙一さんは名前だけ知ってて、ちゃんと読んだことなかったのよねー。
    最近になってやっと少し読みました。『GOTH』が好き♡

    これからも、ちょびちょび読んでいこうw

  • [表現者を「ひとりの人間」という前提で]

    私はこの方の内面から生まれる創作物に
    いつも釘づけになってきた。

    異なる作者から生まれる
    異なる光と闇を包含する作品群に
    作者本人と目される人物からの解説。

    なのに一向に統合される気配すらない。
    ひとつひとつが別の世界。

    どの作品も登場人物の輪郭が
    明確に浮き彫りにされて
    物語はもやもやしたものを孕んだまま
    やがてその姿を明らかにさせてゆく。

    惹きこまれずにはいられない小説ばかり。

    そうしてこんな本の作り方ができるのは
    今のところ日本では彼「ら」のみなのだ。

    心ゆくまで異世界を楽しませていただきました。

  • 2019.2.9読了。

  • 乙一の『ひとりアンソロジー』。
    つくづく作風が幅広い作家だと思う。個人的には山白朝子名義のものが一番好きなのだが、久しぶりに『乙一』名義で長いものを読みたいな〜と思った1冊。

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著者プロフィール

おついち
1996年、17歳でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を『夏と花火と私の死体』で受賞し作家デビュー。2003年『GOTH』で本格ミステリ大賞を受賞。叙情豊かな描写と斬新な語り口で時代を代表する若手ミステリ作家となる。著書は『暗黒童話』『暗いところで待ち合わせ』『ZOO』『箱庭図書館』人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のノベライズ『The Book』など多数。マンガ・絵本の原作、映画・舞台の脚本執筆、別ペンネームでの活動(?)など、縦横無尽な創作活動を続ける。

「2016年 『銃とチョコレート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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