病巣 巨大電機産業が消滅する日 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.00
  • (1)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649713

作品紹介・あらすじ

日本を代表する総合電機メーカー・芝河電機に勤める瀬川大輔は、芝河の基幹部門PCカンパニーが危機的状況であることを知る。やがて芝河が買収した米国子会社の原発企業ECCの巨額損失が発覚、ついに芝河は債務超過に陥り──。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 某大手電機メーカー(帯にも後付にも「東芝」とはっきり書いているが...)の不祥事を題材にしたフィクションであるが、他書と同様、江上氏の文章は巧く、一気に読み通せる。

    この件は連日のように報道されたのだが、日経新聞の記事を読むたびに「まるっきし粉飾じゃないか」と思ったものだ。確かあの時は監査法人が意見差し控えを匂わせたようだが、意見差し控えは不適正意見に等しい(と、大学学部時代に監査論の授業で習った)。

    フィクションなので少々オーバーに書いてはいるが、これじゃあコーポレート・ガバナンスも何もあったもんじゃないだろうというのが率直な感想(だからモデルの某社は特設注意市場銘柄となって、その後東証2部に降格したわけだが)。

    実際、日本の伝統的な大手メーカーのガバナンスは、実態はどうなんだろうと考えさせられた。

  • 希望を持って入社した瀬川大輔。夢を持ってミャンマーで見積した案件が上層部のライバル会社への対抗心からありえない金額で受注が決まり納得が行かない。それどころか会計処理も社内ルールが守られない。「間違ってる」と発言した事で監査部へ左遷させられるがそこで同じ思いの人と会話し、間違いは氷山の一角と知るが会社と戦う勇気がなく自らの命と引き換えに瀬川に託す。会社を愛してる人が居続けられない会社はおかしい。誰か1人でも芽の小さいうちに間違いと止めめらればここまでの惨事にならなかったと思う。
     瀬川の事を心配した同僚が協力し秘密裏に行動を起こす。最後は協力者にも助けられ再生へのスタートをきる。協力者が経営者に啖呵(たんか)を切るところが痛快だった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。旧第一勧銀広報部時代に、総会屋利益供与事件の混乱収拾に尽力。在職中の2002年に『非情銀行』でデビュー。03年、みずほ銀行退職後執筆に専念。小説作品に『霞が関中央合同庁舎第四号館 金融庁物語』『いつもそばにいるよ』『銀行支店長、走る』『怪物商人 大倉喜八郎伝』『翼、ふたたび』『狂信者』など多数。ビジネス評論家、テレビコメンテーターとしても幅広く活躍中で、フジテレビ「みんなのニュース」(毎週水・木・金)に出演している。

「2021年 『文庫 銀行支店長、泣く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江上剛の作品

ツイートする
×