風神の手 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 582
感想 : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649775

作品紹介・あらすじ

読み進めるごとに反転する出来事の〈意味〉その鍵を握るのは、一体誰なのかーー 本書は間違いなく、その執筆活動の集大成である ――ミステリ評論家・千街晶之(解説より) 遺影専門の写真館「鏡影館」。その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく――。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観。朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む、道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説。 ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――『心中花』まめ&でっ

感想・レビュー・書評

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  • 「風が吹けば・・・」の小説版のよう。
    著者が技巧を如何なく発揮し、様々な糸が織り込まれ壮大な織物が完成したかのような小説。
    ひとつの嘘が発端となって、さらに嘘が重なり、思わぬ局面へと発展する。
    嘘が悪とは一概に決めつけられないと、著者は提示しているのだろうか。
    「ちょっと過去が違ったら、未来がいろいろ変わって」、さらに「あちこちにつながってる」。
    一人の少年が思い惑う。
    「自分たちは、生まれてきてよかったのだろうか。自分たちが生まれてこなかった世界のほうが、幸せな人が多かったのではないか」
    現実の世界でも、我々も経験する。自分の家族、孫や子の存在が、もしあの時、○○しなかったら・・・。もしあの時、○○していたら・・・。
    人生は、必然と偶然とのからくり模様(笑)。

  • 風が吹けば…的なバタフライ効果の話。各章ごとに現在と過去が語られ、それぞれがまた時を経て次第に繋がっていく凝った構成だが、後半は説明的に過ぎる感あり。道尾さんお得意の子供視点もしっくりきたり、こなかったり…。神シリーズ(三部作)の2作目は癒し系。インパクトは初期の「龍神の雨」の方があった。次作「雷神」に期待。

  • ミステリかと思い手に取ったが、予想とは違い
    読後感は爽やかだった。

    日常は沢山の偶然が重なり合って出来てるのだと改めて認識する。
    ぐるりと回って最後に色々と繋がっていきスッキリ。
    私は1番最初の章が好き。

    火振り漁というものを初めて知る。
    調べてみたらとても幻想的だった。実際に見てみたいな。

  • 偶然が重なって様々な場面で混じり合い巡り合い人々の運命を変えていく。
    別々のストーリーのようだけど違う時間軸の中でどこかで少しずつ繋がっていて、最後まで読むと全ての繋がりが分かりたくさんの伏線もスッキリと片付いていく気持ちの良い話でした。

    1話目の最後の数ページまで全ての情景が雨か満月の夜の中で起きているように見え、切なく悲しいストーリーが続いて行くのかと思いきやそこから一気に全てがカラッと晴れた暑い日の情景に早変わり!雰囲気が180度反転してコメディ感ありの明るい話になっていました。(道尾秀介の暗い小説ファンの私としてはちょっと物足りない

  • 2021年、16冊目は、追いかけてる作家の一人、道尾秀介。

    下上(しもあげ)町、上上(かみあげ)町、そして、二つの町の間を流れ、海へと注ぐ西取川。約40年前の西取川の護岸工事に端を発する、幾つかの出来事と、それに関わる様々な人々が交錯して行く。

    道尾らしい作品。実に上手いこと、伏線回収していった感がある。読後感も悪くない。

    さらに「解説」を読んで驚いたのは、第二章『口笛鳥』が中編として発表され、それに肉付けする形で、第一章。第三、四章が加えられ長編となった事実。確かに、連作短編的触感はあったが、独立した一編からとは。

    第四章では、カーテンコール的にオールキャスト勢揃いも、今回は何だか「ほっ」とさせられる。

    多少の事件性や死者は出るものの、ミステリーとしては控えめ。『貘の檻』がボタンの掛け違いなら、『風神の手』は連鎖的ポイント切り替えで迷走するも無事に目的地到着って感じかな。

    分量はソコソコあるが、読み憎さはなく、展開ドライブ感もあり。文句ナシで、★★★★☆評価。

  • 遺影専門の写真館「鏡影館」。その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく――。

    ・心中花
    ・口笛鳥
    ・無常風
    ・待宵月

  • 一章ずつに分かれているけどストーリーは時間軸を変えながらすべてが繋がっている。
    なんか不思議な構造だなぁと思いながらも、それぞれの人生、その人たちの生きた時代を追体験していく感じで読みました。
    誰の人生でも、こういうことが起こっているんだとは思うけど、改めて物語として読むと、すごいなー。

    奇跡というか、偶然というか、必然ってあるよなぁ~などと思います。(この語彙力なんとかならんかね~)

  • 3つの章に分かれているが、それぞれで一つの話が完結するものの、最後の「無常風」で話全体がまとまるという構成.藤下歩美と島崎の淡い恋物語の「心中花」で始まるが、「口笛鳥」は佐々原學と茂下駄昴、それぞれ"でっかち"、"まめ"と呼び合って田舎の町で遊びまわる二人を描写しているが、冒険物語もある.35年後の「無常風」で島崎源哉と藤下歩美が中江間建設と野方建設での事件の真相を解明し、野方逸子を脅していた井川(イザワ)の正体を暴くというストーリー.構成自体がやや複雑だったが楽しめた.

  • 綺麗に纏まった作品。著者の作品は何作か拝見していますが、まさかハッピーエンドで終わるとは。

    他人に勧めたいと思う程ではないが、決してつまらないわけではない…そんな可もなく不可もなくといった作品。

  • 記録

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、05年同作にてデビュー。05年に上梓された『向日葵の咲かない夏』が08年に文庫化されベストセラーに。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞を受賞。11年、史上初となる5回連続候補を経て『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。他に『鬼の跫音』『球体の蛇』『満月の泥枕』など著作多数。

「2021年 『スケルトン・キー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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