風神の手 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.65
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本棚登録 : 1073
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649775

作品紹介・あらすじ

読み進めるごとに反転する出来事の〈意味〉その鍵を握るのは、一体誰なのかーー 本書は間違いなく、その執筆活動の集大成である ――ミステリ評論家・千街晶之(解説より) 遺影専門の写真館「鏡影館」。その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく――。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観。朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む、道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説。 ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――『心中花』まめ&でっ

感想・レビュー・書評

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  • めちゃ、良かった!

    根底にあるテーマは「許し」
    だと感じた。悪事をはたらいた人も
    事情があって、許し合うことで、最後は
    みんなが、ひとつの情景に溶け込むような美しいラスト。ウミホタルは
    読者の心の中で、光るかのごとく。

    頭の中に
    登場人物や風景が
    自然とうかんで、
    なんだか香りや風や
    光や影まで感じられる
    素晴らしい文章。

    少年少女の淡く苦い恋。
    小5のまめとでっかちコンビの友情と冒険。
    この2つの話が
    繋がって、
    他の登場人物たちやエピソードも
    繋がって、
    パズルのピースが綺麗にはまっていく感覚が、心地よい。



  • 一言で言い表すなら『偶然が偶然を呼んだ物語』であると感じる
    母親の遺影を取りに行く少女
    母親のずいぶん前の恋物語
    そこでの青年とのやりとり、青年に起こった悲劇、隠された思い
    転校してきた小学生とその友達
    自身の母親といつか恋をした青年との出会い
    もうさまざまな偶然が重なってこの結末になったとしか思えない。
    道尾秀介さんの小説は読みやすく感情移入もしやすいように書かれておりとても引き込まれる作品であった。
    私がこの作品と出会ったのも何かの偶然かもしれない。そんなふうに思わせてくれたこの作品は本当に素晴らしいものなのだと感じている。

  • 一章で死んでなかったところから流れ変わった

  • 久しぶりの道尾さん。
    すごく面白くて止まらなかった。真相は泣ける(涙)
    そして、エピローグに「創」がいることが嬉しい。良かったね!

    第1章の初々しい恋愛と親子愛が素敵なので、章の結末の要因はちょっと腑に落ちないが、そのおかげで第3章の超初期の初々しさがあるわけで、まあ良しとしよう(超偉そうに上から)m(_ _)m

    バタフライ効果というよりも、世界は狭い、すごい偶然という印象かな。様々な偶然が重なって自分はここにいるというような。勿論そこに驚きもあって、次々に繋がっていく感じはさすがだなと思った。
    でも確かに実際、あの時ああしてなければこの子達はいないんだよな…と思う時はたまにある。

    追記
    読了後に知ったマミヤさんの正体。ソロモンの犬は結構前に読んだ本だから気づかなかった!ってことはオービーも??うわー嬉しい。

  • 無関係のように見えた事件が、お互いに影響しあい交差していくというお話。
    事件のきっかけを作った井川の心理描写が少ないところが物足りないけど、最後にお互いに被害者であり加害者であった当事者たちがウミホタルを捕まえるために集まるというのがいいね。

  • 伏線回収が気持ちいい系は慣れるね。
    一章がやけに印象的だった。
    ノスタルジックな恋。

  • 終末のフールに似てる!
    最後は悲しい

  • 「バタフライエフェクト」のお話。

    第1章?がとにかくしんどい。昭和の負の部分を煮詰めたような辛い展開で同時代人としては今更小説でまで追体験したくない。
    実は最初に執筆されたという第2章が比較的楽しく、良く筆が踊っている印象で何とかここまで辿り着いて完読できた。

    「アレがなければワタシは存在しなかった」
    そら、どんなアレでもそうやろ、それを言うたら終わりやろバタフライ

  • 偶然と嘘が重なって、嘘が真実に。そして真実が嘘に。
    単行本の表紙より文庫本のカバー表紙がタイトルや内容を秀逸に表しているようでとても良いです

  • 偶然とか、必然とか自分が知らないところできっとある。起因というか、トリガーというか、

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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