- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022649966
作品紹介・あらすじ
舞台は幕末の江戸、八丁堀~日本橋界隈。21歳の山村結実は、産婆見習いとして、師匠である祖母の家で、同じく見習いのすずとともに寝起きしている。今も昔も、出産は人生の縮図だ。歓迎されてこの世に生まれてくる子もいれば、若すぎる妊娠、妻子ある人の子の妊娠など、望まなかった妊娠もある。出産で亡くなる母子がいまよりずっと多かった時代、いろんな事情を抱えながら命がけで産もうとする女性たちに、自分は何ができるのか? 命が生まれる現場で、葛藤しながら成長していく女性の姿を描く感動作。書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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結美の産婆みならい帖
結び橋後に発刊した2冊読んでおり、ようやく初巻に
新鮮な感じで読み終えた
もう一度順番で読んでも良いかな -
母の死によって産婆を志した結実。ベテラン産婆の祖母のもとで修業する姿は好ましく成長を見守っていきたいシリーズ。
だけど出産以外での結実の言動が少し子どもっぽいかも(源太郎に弟と比べるようなことを言って発破をかけるところとか)この先、大人びてくることを期待。
時代が幕末じゃない方が良かった気もします。幕末は好きですが、この小説に関しては上手く融合しているように思えなかった。お産の話だけに集中していた方がもっと面白かったんじゃないかな。 -
江戸時代の女性の仕事として確立していた『産婆』と、それを目指す修行中の女の子たちが主役。
安政の大地震でお腹に妊った母親を亡くした結実。
祖母は腕利きの産婆、真砂。
弟子仲間にすずがいる。
父親は医師、母は実母亡き後育ててくれた叔母(母の妹)絹。父と絹の実姉が弟章太郎。
父の内弟子は頼りになる源太郎。
仕事を通じて様々な環境の女性に出会い、考えたり悩んだりその成長ぶりが物語。
楽しみなシリーズになれば。 -
産婆をテーマにした時代小説、目新しく感じて読みました。主人公の結実の成長していく姿と、その背景にある当時の時代背景(当時の出産育児など)をあわせて読んでいく中で面白さを感じました。自分が出産経験者だからよりそうだったかも。
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幕末を舞台にしたお産婆見習いのお嬢さんが主人公の連作短編集。
動乱の時代でも市井の人々の日々の暮らしがあり、新しい生命が生まれてくるのだな……と感じつつ、幕末設定がお産婆見習いの物語を散漫にしていたのでこの時代設定必要だったかな?とも思ってしまいました。
姑とその息子(嫁にとっては夫)が産後の肥立ちが良くないお嫁さんを赤子共々薄暗いジメジメした部屋に放置して、滋養のある食事もさせず、医者に診させることもせず、放置し続けるのて殺人だよね。
家族という檻の中では、このような酷い仕打ちがまかり通ること、また人間が人間に対して躊躇いなくできてしまうことがリアルで読んでいて辛かったです。 -
どくだみはこの場所が好きだから、これだけ茂っているんですよ。
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見習いだからかあまり産婆メインの話でもなく、結実の成長物。
自分の仕事はしっかり決めてるわりに周りの人や恋に対しての行動が幼くちょっと違和感があります。実在人物も出てきたりするんだけど、そこよりもうちょっと産婆の仕事関係を詳しく描いて欲しかったかな。 -
地震で身重の母を亡くした結実は産婆になろうと決意し、十二歳から祖母の元で修行に励む。
全ての子どもが望まれ愛されるわけではない現実と、それでも子どもを愛し産み育てる者もいる現実とを描く点は好ましい。「運を天に任せるしかないがそれでもきっと生きていることは尊い」という作者のメッセージが伝わってくる。
ただストーリー展開が早く、出産や育児に纏わる苦しみと悲惨、喜びと幸福がバランス良く描かれているとは言えない。激動の時代を舞台にしながら、その必然性もいまいち伝わってこない。ラストも予定調和という印象が否めない。悲惨になりすぎない話が読みたい人にはお薦め。
著者プロフィール
五十嵐佳子の作品





