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本 ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784022650085
作品紹介・あらすじ
俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ! 極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をW受賞、作家生活20周年の節目を飾る芸道小説の金字塔。1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。
感想・レビュー・書評
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2019年第69回 芸術選奨文部科学大臣賞
(文学部門)
2019年第14回 中央公論文芸賞
吉田修一さん作家生活20周年記念作品
そして2025年6月映画「国宝」公開
オーディブルのナレーターは、尾上菊之助さん
音羽屋!再生時間上下で43時間もあります。
残念ながら聴いていませんが、
この作品の特徴の一つは地の文の丁寧語。
なんとなくドキュメンタリーのナレーターのような雰囲気で登場人物達の人生を俯瞰的に語る。
音羽屋さんは講談調を意識したとか。
なんというか大切に扱われている作品と思います。
初めて歌舞伎を見たのは10年程前
東京ってほぼ毎日公演がある事に驚いた記憶
あり。
芸術だとか国宝だとか歴史だとか
少し気後れしてしまいがちですけど
庶民の娯楽なんです。(ちょと高いけど、3階席あたりなら東京体育館のVリーグの一番後ろの席と同じくらい)
大切にするだけでなく、観に行きませう。
さて 下巻へ
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まるで時代劇が始まるような情景描写から物語が始まりました。読み進めていくに連れて、徐々にこの世界に引き込まれました。
任侠の世界で育った喜久雄が才能を見いだされて飛び込んだ歌舞伎の世界。生粋の家柄で、幼い頃から歌舞伎の世界に育ってきた俊介と共に切磋琢磨しながらいい方向へ、とはやはり行かず紆余曲折で青春篇は進んでいきました。
芸事の世界の上下関係や、家柄がなすこだわりや厳しさに、これから喜久雄がどう立ち向かっていくのかがとても気になりました。
2025年6月に映画が封切りされますが、歌舞伎の美しさと、その裏側にあるものの対比が描かれて見ごたえのある作品になっているのでは、と今から期待しています。
花道篇、楽しみです。
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フリージアさん、こんばんは。
そーなんですよね、映画も公開になるんですよね…。
それなのに私、上巻で挫折して上下巻共にここに積んでます(;つ...フリージアさん、こんばんは。
そーなんですよね、映画も公開になるんですよね…。
それなのに私、上巻で挫折して上下巻共にここに積んでます(;つД`)
こんなに評判のいい作品なのに何故に挫折したかな~。
少しずつ再チャレンジしてみようかなー。
あ、でも映画はきっと美しい作品になるだろうなーって期待してます!2025/04/12 -
傍らに珈琲を。さん
おはようございます。
男性だけが表舞台の世界の小説なので、私も始めは取っつきにくく感じました。ただひたすら芸を極めること...傍らに珈琲を。さん
おはようございます。
男性だけが表舞台の世界の小説なので、私も始めは取っつきにくく感じました。ただひたすら芸を極めることにだけ焦点を当てて読んでいくうちに、のめり込んだ感じです。
映画で演じる俳優の顔を思い浮かべたりもしてました( 〃▽〃)2025/04/13
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おや?読む本、間違ったか?
と本気でしばらく思っていた。
始めに展開されるのは任侠の世界。
「国宝」「歌舞伎」は一体どこに?ま、まあ上下巻だし、いつか出てくるんだろうと気長に待つ。
そろそろ来たわね、待ってた甲斐があったわ♪と読み進め気付いたら、なんとあっという間に読み終わっていた。次から次へとくる早い展開に、読む勢いがつられる。そして何よりも読んでて辛いわ〜(ToT)
それでも早く続きが読みたいので、早速下巻いかせていただきます!
あっ、とりあえず応援を。
喜久雄!頑張って下巻で這い上がれ〜!
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1964年、長崎の任侠の家に生まれた、ひときわ美しい顔を持つ喜久雄は、父亡き後、縁あって、上方歌舞伎の名門に引き取られ、中学生の頃から育てられ
国宝と称される存在になるまでの、激動の人生を描く。天才ゆえの孤独と葛藤。
素晴らしい大作だった。
上下巻合わせて800ページ超。
あっという間に読めてしまった。
文章もまるでお芝居のようで、歌舞伎小説にぴったり。
作者吉田修一さんは、3年間歌舞伎の世界に黒衣を纏い入り込み、地方公演にも同行して取材をしながら、新聞小説として書き続けたという。
歌舞伎界の臨場感が、迫ってくる。
映画が公開されるまでに読もうと決めた。
本日、映画「国宝」を観てきた。
素晴らしく美しく、「娘道成寺」を踊る2人は、歌舞伎役者だった。
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語り部風の文章が初めは読みにくかったけど、そんなことはすぐに気にならなくなるくらい内容が濃くて面白かった。
任侠の家に生まれながらも役者としての類い稀な才能を持つ喜久雄。父親がヤクザ同士の抗争で亡くなり、歌舞伎役者花井半二郎の家で暮らすことになる。そこでは半二郎の息子、俊介と切磋琢磨しながら女形として着実に成長をしていく。
順風満帆な役者人生を歩む喜久雄の転機となったのは、半二郎の事故。重傷を負った半二郎の代役に大抜擢され、実の息子ではなく実質的に半二郎の後継者となった喜久雄だったが、半二郎が病に倒れ、後ろ盾をなくしたことから、不遇の時代へ。
歌舞伎の世界のことは何も知らないけど、役者だけでなく歌舞伎を取り巻く者たちの人間の欲望が交錯しその迫力とリアリティに読むのが止まらなかった。
喜久雄に後継者の座を奪われ、失踪した俊介が戻りこれからまた喜久雄に苦難が待ち受けているのかと思うと、喜久雄かんばれ!と思わずにいられない。
個人的にはどんな時にも喜久雄を支える徳次のことが好きです。
下巻で喜久雄がどのような人生を見せてくれるのか楽しみでなりません。 -
吉田修一さんの本を読むのは『横道世之介』シリーズ以来。
上巻では、任侠の一門に生まれ、芸の道に進んだ立花喜久雄の波瀾万丈な人生前半(30歳くらいまで)が描かれている。誰の人生にも良い時もあれば悪い時もあるというのは真理だと思うが、いけ好かない後見人などによって順風満帆ではない様子も描かれている。複雑な生い立ちや苦境に陥っても素直で擦れていない喜久雄には好感が持てる。
これから一体どうなるのだろう、俊介と喜久雄の関係はどうなるのか、という期待と不安の入り混じる終わり方だった。下巻を読み進めるのが楽しみ。 -
まるで芝居を観ている感覚で、物語に没入しました。文体や構成が歌舞伎っぽく、その代表が人物の会話の合間にある口上だと思います。(例 〜と申しましょうか、〜なのでございます) お陰で、歌舞伎や伝統芸能のもつ堅苦しさや昭和の古臭さへの抵抗もなく、加えて展開の面白さに、するする読み進められました。
片や人気歌舞伎役者の御曹司、片や九州にその名を馳せた任侠一家の跡取り息子。二人は切磋琢磨しながら芸の道に励み、時代の寵児として取り上げられるようになります。
しかし、師匠の事故・病気をきっかけにして二人の明暗が分かれ、運命が大きく動いていきます。出奔、暗転、そして再開…、まさに上巻の副題〝青春篇〟の如く、苦悩の先の希望を期待しながら、展開から目が離せませんでした。
下巻〝花道篇〟を早く手に取りたく、気がはやります。 -
上下巻とかに分かれた本は全部を読了してから感想を書くべきなのかいつも悩む。
暑さの関係で分冊しただけならば一つの作品として全巻読了してから書くべきなのかもしれない。
この作品も、上巻だけでは全く完結していない、話途中の状態だ。
だけど、上下巻それぞれに対して感想を書きたいと思った。山半ばまで登った時の感想と頂上まで辿り着いた時の感想にどれだけの差があるのか、自分自身で気になるからだ。
だからまず上巻を読み終えた時点でこの感想を書いている。
この本を手元に置いてから2年近く積読していたことを少し後悔している。もっと早く読めば良かった。
ページを捲り出したら止まらない。珠玉のエンタメ作品だった。
語り口調の地の文のテンポの良さが心地よい読み易さを生んでいる。
そこに綴られるは2人の天才若手歌舞伎役者の波瀾万丈のストーリー。
歌舞伎には全く詳しくないが問題なかった。重要なことは地の文で易しく解説してくれる。
かたや生まれも育ちも歌舞伎界に縁もゆかりもないヤクザ者、かたや梨園の名家の御曹司。良きライバルとしてお互いを認め合い高め合う若者たちが、血と才能、成功と挫折、親愛と嫉妬、など相反する2つの狭間で揺れ動き、運命の悪戯に翻弄されながらそれぞれのドラマを紡いでゆく。
ライバル関係が巧く描かれている作品は傑作が多い。その証左がまた増えた。
下巻も楽しみたい。 -
大好きな俳優の吉沢亮さんが演出するとのことで、映画上映前に読まねば!と思っていたら、ちょうど上巻だけ図書館で借りれることに。
梨園の跡取り息子と極道の跡取り息子。
中学の時に親を殺された極道の息子、喜久雄。
ある傷害事件から生まれ故郷、大阪を出て東京の歌舞伎役者「花井半二郎」の家でお世話になることに。
そこには同じ歳の半二郎の一人息子の、俊介。
2人はライバルであり親友だった。
しかしある日、半二郎が交通事故にあい、命に別状はないものの、しばらくは舞台に立てないことに…当然のごとく周りは一人息子の俊介が代役を勤めると思っていたが、半二郎が指名したのは喜久雄だった…
そこから喜久雄の人生は更なる苦難の道となる…
語り手がいて独特の世界観。本を読んでるのに語り手つきの舞台を観ている感じ。
歌舞伎もなんならミュージカルもみたことないのに引き込まれた…
上下巻あるだけあって、ゆっくり丁寧に話が進んでいく…
血の繋がりが全てと言われている梨園の世界。
また狭き厳しい世界…
俊介は失踪し、半二郎は喜久雄に自分の名を与え病死…残ったのは今までの恩と多額の借金…
そして後ろ楯を失った喜久雄への虐め…
もうずっと喜久雄がんばれ!どっかでバズれ!
って、願い続けてたけど…上巻では無理だった…そんな生ぬるくなかった…更なる試練で終わった…ウワァァ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!
下巻を借りに行かなければ!!図書館にありますよーに… -
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上巻一気読み。
歌舞伎や歴史に詳しくない私はちょっと読みにくいかなと思いきや、喜久雄と俊介を始めとした登場人物みんなの先が気になってどんどん読み進めてしまった。
血筋に才能で抗っていくお話かと思っていたら、当然ながらそんな単純なものではなく。皆どうしょうもなくやり切れなくそれが却って魅力的。
花道編も楽しみです。 -
単行本の頃より気になっていた作品。
任侠の出自ながら上方歌舞伎の世界へ。その美貌と才能を見込まれて役者の道へ踏み出した主人公、喜久雄の波乱万丈の人生。上巻は子供〜青年時代の前半となるが、まだこれからもいろいろ起こりそうで続きで気になる。
喜久雄の周りの登場人物もそれぞれ個性と人間味があり、映画で観たら引き立つだろうなぁと思いつつ読んだ。でもやっぱり喜久雄と俊介の舞台がすでに予告編でも気になって仕方ない。
世襲が物を言う歌舞伎界で喜久雄という異例の存在も、役者と支える家族も、華やかな舞台とは裏腹にそこにすべてを捧げる過酷な世界が克明に浮かび上がる。歌舞伎に詳しくなくとも、語り手の言葉に乗って舞台鑑賞しているかのような心地でスルスルと読めた。
早速花道篇に進みます! -
長崎のヤクザの組長の息子として生まれた喜久雄。
抗争により父を亡くし、大阪の歌舞伎役者である2代目花井半次郎に預けられ。半次郎の息子である俊介と共に女形として成長していく。
半次郎が骨折した時、代役として選んだのは息子・俊介ではなく…
俊介の出奔、2代目半次郎の死、3代目半次郎襲名…
2代目半次郎という後ろ盾を失い、思うような活動ができない喜久雄…
そして俊介は…
3代目半次郎として、なかなか思うような活動ができないところに歯痒さを感じる…
部屋子上がりだからか…
歌舞伎の世界だけならまだしも、映画ででも…
春江は喜久雄と、と思っていたのに、あっさりと…
市駒は市駒で、ひとりで娘・綾乃を育てて。
何かじめじめしたものが全くない女性たち…
どうなっていくんだろうか…
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神田伯山がラジオで本作の映画を「万難を排して皆さん観てほしいと思った」と熱弁しているのを聴いたのと、吉田修一さんと李相日監督が再タッグという事も相まり手にした本。いざ下巻へ!
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映画「国宝」のキャストがあまりに豪華なので、気になって読み始めたところ、
主演の吉澤亮くんの「隣家侵入事件」
この映画の主役は間違いなく吉澤亮くんしかいない、と読み進めていたので、公開が延期になるとかお蔵入りするとか、心配でたまらなくなりました。……どうかこの映画が吉澤亮主演のまま公開されますようにと、祈るような気持ちのまま、上巻を読み終えました。
(「舟を編む」は再読なので)久しぶりに引き込まれる本に出会いました。
登場人物がどの人も個性豊かで、芸達者で、一生懸命で。芸が好きで好きでたまらないけど口べたな喜久雄、そんな喜久雄が大好きな徳次、実の息子を差し置いても芸のために喜久雄を選んだ白虎。
彼が死ぬ間際に「俊ぼーん」と叫ぶところは歌舞伎役者と親の間で葛藤し続けた彼の辛さ、苦しさが出ていて、とても切なかったです。
上巻は、落ちるところまで落ちた喜久雄と俊介にようやく少し明るい日差しが見え始めたところで終わります。
もちろん、下巻もワクワクしながら今日からすぐ読み始めます。
楽しみで仕方ないです♡♡ -
物語を繋ぐ軽妙な語り口に「横道世之介」を思い出した。 そして所々演目のあらすじを紹介してもらえるのは歌舞伎に疎い私にとっては有り難かった。中でも「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋」には正直ゾッとした。〝何を尊ぶのか?〟 時代や置かれた立場によって選ばれるものが違うのは当然なのか…
白虎が最期に俊介の名を呼びそれを聞いた喜久雄がわけもなく謝ってしまうという場面はなんとも悲しかった。
上巻ではついに喜久雄の父の死の真相は喜久雄に明かされなかった。全ては下巻。俊介の動向も気になる。
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独特の語り口調でのナレーションに導かれ、極道の世界から歌舞伎の世界へ飛び込んだ喜久雄の半生を読み進めた。
破茶滅茶とも思える青春から芸の道に進むのだけれど、才能だけでは無理なのか?潰れてしまうのか?…と、最後に「ここから這い上がんだよ」の一言がガツンとくる。
続きが気になる〜!!(下巻の花道篇に続く)
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本作は映画化が決まっており、吉沢亮主演で来年公開らしい。
独特な地の文の語り口調を読みながら、本作は映画ではなく、NHKの朝ドラや大河を狙って書かれたのでは、と勝手に思った。
著者プロフィール
吉田修一の作品






パチンコはやりませんが…
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GWはタイに出張で修行ですw
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