騒がしい楽園 (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版 (2022年12月7日発売)
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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022650818

作品紹介・あらすじ

都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。騒音や待機児童など様々な問題への対応を迫られる中、園の生き物が何者かに惨殺される事件が立て続けに起き、やがて事態は最悪の方向へ──。『闘う君の唄を』に連なる、シリーズ第2弾。《解説・藤田香織》

感想・レビュー・書評

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  • 「闘う君の唄を」に続くシリーズ第二段!
    これは幼稚園シリーズとなっていくのでしょうか?
    だとすると、正直、幼稚園系での殺人事件とかやめてほしい!
    子供が殺人事件系に巻き込まれる物語は好きではありません。

    本作の主人公は神尾舞子。
    冷静沈着なできる先生として、都内の幼稚園に赴任。
    しかし、そこで様々な問題に巻き込まれます。
    騒音問題による町内会長からの苦情、親同士の対立、待機児童問題で入園を迫る母親。
    幼稚園の先生ってそんなところまで気を使わなきゃいけないの?

    そして、発生する事件。
    小動物が何者かに惨殺される事件が立て続けに発生。
    事なかれ主義の園長と警察。

    そんな中、ついに園児が犠牲に..
    マスコミの誹謗中傷、母親たちのエゴ
    この一連のパターンはそうだと思いながらも読んでて辛い。
    自分なら間違いなく心が折れて耐えられません。

    そして、ようやく犯人探しのモードへ..(笑)
    明らかになる真実と犯人。
    といった展開です。

    待機児童をめぐる問題、幼稚園の先生の辛さがわかる物語でした。

    解説によると、舞子は「闘う君の唄を」で主人公の同僚として登場してたとのこと。覚えていないし、自分のレビューにも残っていない(笑)
    さらに、「おやすみラフマニノフ」ではオーボエを先行していた大学生として登場してたとのこと。これも当然覚えていない!
    中山七里さんの小説には、こうして、ほかの作品の登場人物がちょくちょく出てくるのも楽しみの一つですが、今回は覚えていなかった(笑)
    しばらく、読んでいなかったからなぁ...

  • 「闘う君の唄を」の続編というか、それに続く話になるんかな?
    今度の主役は、舞子先生。(岬洋介シリーズで、少し登場してる)
    冷静沈着、理路整然、合理的が歩いてる感じの人。
    でも、中身は、そうでもなかったんやな。
    待機児童の話は聞くけど、確かに、追い込まれてんのか知らんけど、「児童が殺される=空き発生」って…
    そんな考えの母親おるか…自分なら、激怒してしまうと思うわ〜

    児童がはしゃぐ姿が好ましく思える人と五月蝿いと思う人の気持ちは分からんでもない。子供嫌いな人もおるやろうし…

    殺人事件が起こって、児童が殺されるんやけど、犯人があの人で、多少はホッとしてる。
    相変わらず、大どんでん返しはあるけど、何となく分からなくもなかった。
    というか、この人が犯人であって欲しい…
    他の容疑者やったら、やりきれん!





    「思うんだけどさ。大人だからって子供より勝っている部分なんて言葉と経験値と世渡りぐらいじゃないかな。誰でも感情に走る時って、精神年齢は五歳に戻っているもの」
    確かに…

  • 幼稚園を取り巻く騒音問題と待機児童を取り上げた社会派ミステリー風の小説。
    テーマは重いのだが内容は薄く感じた。小動物や猫などの無残な殺戮から幼稚園児の殺人へのエスカレート。不気味な進行だが結果は、、、?
    得意のどんでん返しもあっさりし過ぎて想定内。主人公の幼稚園教諭の舞子も融通の利かない正論で突っ走りすぎのようだし、相棒も融通無下そうである意味無害、敵役の園長は事なかれ主義で典型的な管理職過ぎたような。

  • う〜ん、今回はちょっと物足りなかったなあ(/ _ ; )

    『幼稚園の騒音問題と待機児童問題
    そんな中事件が続き、教諭達は対応に追い立てられ、園児や保護者は不安な日々を過ごす___』

    先読めちゃったし、帯に書いてあるし
    冷静沈着で適正な判断力がうりの舞子先生
    そんなしっかり者の舞子先生へ、次から次へとのしかかる保護者や園長からの重圧がこっちにも伝わって来て、ちょっと疲れた。。。

    それでも中山さんはやめられない
    次行こう!!

  • 本書は『闘う君の唄を』の姉妹編、という位置付けになっています。

     主人公の神尾舞子は、元同僚池波と共に東京都世田谷区にある若葉幼稚園に転任を命じられたのはつい先日のことだった。以前勤務していた神室幼稚園で不祥事が発生し、経営母体である宗教法人喜徳会が人心一新を理由に教職員の大異動を決定したのだ。

     物語は、初日の朝から幕を開ける。
    園長三笠野万次は、市街地に建つ幼稚園に特有のトラブルがあることを舞子に告げる。具体的には、騒音問題と待機児童だ。
    (何だ普通じゃないか!なんて思うけれど)

     先生と園児にとって幼稚園が楽しい場所であってほしいと願いますが、本書では、一筋縄では済まされない問題を掘り下げて小説にしているので、とんでもない方向に進むことになります。

     中山七里さんの著書は、スッキリ解決しなくて、イヤミスかと思えるミステリー小説が多いです。
     なるほどと思うけれど問題は深刻ですよ。
     読書は楽しい!

  • 『騒がしい楽園』
    結末そうきたか!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    おどろおどろしさ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    事件動機    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    ------------
    1.舞台、主人公
    舞台は23区の保育園です。主人公は20代の女性保育士です。
    埼玉の保育園から転園してきました。
    ※『闘う君の唄を』の続編です。つながりが少ないため、順序関係なく読んで楽しめる小説です。
    ------------
    2.物語の始まり
    事件は園内で起こります。小動物の死骸が放置される事件です。
    予算不足の保育園では、監視カメラが少なく犯行は連続して発生します。
    そして、残虐性がエスカレートします。
    おどろおどろしさが⭐️5個の理由です。
    ------------
    3.読み終えて
    二つの事件が起こります。
    それぞれ動機があります。その背景には、ありえるのかも、、、という日常との接点を感じました。
    動機が⭐️6個の理由です。
    物語を振り返ると、下記の描写を認識できます。

    ①公務員の人事評価。
    ②勤務時間外手当の公平性有無。
    ③警察との連携、警備強化。出来ること、やりづらいこと。
    ④待機児童の問題。

    ④。厚労省調べは2013年度2万人超えでした。2021年度は6千人弱、8割の自治体で解消済みとあります。この裏には、経済的理由で申請できない世帯があるはずです。潜在的な待機児童。

    中山七里さんの小説。改めて、舞台が様々ですから、物語だけでなく、社会を改めて眺める機会として有難いです。

  • 「闘う君の唄を」の主人公 喜多島凜の元同僚 神尾舞子は、理想や情熱とは距離をおき、求められることを淡々とこなす冷静沈着な「デジタルウーマン」。もちろん保護者の受けもいい。

    幼稚園教諭としての実力を買われた舞子は、例の事件の余波で世田谷区の人気幼稚園に転任したが、初日から騒音問題、待機児童問題、保護者同士の対立に巻き込まれる。

    そして起こる園児殺害事件。身勝手な親のエゴ、悪質マスコミの誹謗中傷、ことなかれ主義の園長…。クールな舞子も非難の集中砲火を浴びてさすがにオーバーヒート。

    本作、とにかく "理不尽" の一言に尽きるな。理不尽さは前作より確実にパワーアップしている。頑張れ舞子!

  • 『闘う君の唄を』に続く、シリーズ第二弾。
    都内の幼稚園に赴任して来た神尾 舞子。

    しかし、そこでは、様々な問題に加え、小動物の惨殺事件が起きていた。やがて、...事態は最悪の方向へ。

    正義感の強い舞子と、どこか達観とした皮肉屋の池波の名コンビが、謎の解明に挑みます。

    やがて明らかとなる真相とは?
    最後のどんでん返しは、さすが中山七里氏ですね。

  • 「闘う君の唄を」の姉妹編という事で手にした。
    舞子先生の事も冷静でクール、ブレない、的確に的をついた論理主義者…だが、実は熱血感を心の底に抱えた優しい人…として覚えていた(合っていただろうか?)
    今回も中山さんの小説っぽくないお仕事小説から突然のミステリーへの変貌かな?っと読み始めたが…
    なんとも、なんとも…
    幼稚園がこんなことにまで責任を持ち介入しなければならないのかと驚かされる反面、園長の無責任さに不快になったり、ストーリー展開に顔を歪めたり…でもなぁ、スッキリしない。
    手こずった割に犯人逮捕も呆気なく、その動機もイマイチ。
    あり得ない動機ではないけれど、なんかなぁ〜

    「闘う〜」を読了後「おやすみラフマニノフ」を読んで神尾舞子のルーツを知ろうと思ったんだ!
    今度こそ読むぞ!

  • シリーズ2作目。 ついどんでん返しを想定して犯人を予測しながら読んでしまいました。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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