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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784022651648
作品紹介・あらすじ
女子大生・涼子は飲食店のアルバイトや学校生活を謳歌していたが、病気のため人工肛門になり生活が一変する。その意識と身体の変容を執拗に描き、読者の内臓をも刺激する、衝撃のデビュー作。第7回林芙美子文学賞受賞作「塩の道」も併録。
感想・レビュー・書評
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林芙美子文学賞受賞の「塩の道」と表題のデビュー作、全2篇収録。僻地医療と人工肛門がテーマ。死ぬ怖さはもちろん、生きる怖さも味わえた。
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生々しくて重たいのだけへど、そりゃそうだ、命なんだから。
自分の身体の内臓までに思いを馳せて、そして身体の摂理が時々鬱陶しかったのに、今では感謝している。 -
重たいけど重たいだけで片付けてはいけないような気がする。
想像以上に知らないことが多くて
この世界観に圧倒されてしまった。 -
「植物少女」から「あなたの燃える左手で」を通り 「サンショウウオの四十九日」を読んで、ここまで辿り着いた。朝比奈秋から 逃がれることができない。すっかり どハマり中!ざらりとした手触り感が なんとも言えない読後感で クセになる(個人の見解ですが笑)
人工肛門と共に生きることの戸惑いと衝撃もそうだけど ヒトもまた 生々しい生物なんだなと 認識させられた。「塩の道」は読み始めは 方言についていけなくて(笑)半分過ぎたあたりから するすると わかってきた。それぞれの看取りは それぞれで 正解も不正解もない。
再読したら また 別の思いがでてきそう! -
病気で人工肛門になった女子大生の涼子が主人公の私の盲端と、寒村で間近にある死を見つめる医師の目線から描かれた塩の道の中編2編が入っています
どちらもそれぞれ違った重みを感じた
私の盲端は人工肛門をつけたことによって、日常生活の全てががらりと一変してしまう
今までと違う私を常に意識している涼子の気持ちはところどころ読んでいて辛くなった
あと個人的に涼子のバイト先が何というか治安が悪すぎて…私ならすぐ辞めてる(・o・;)!
塩の道は何となく重苦しい雰囲気を感じる作品だった
北の方言が強く描かれているので、会話が目が滑って読めないところがあった
何度か読み返さないと理解できないかも
医師である朝比奈先生だからこそ書けた作品だろうな〜 -
ドサリ、ドサリ。
全体的に、温度の低い描写がよい。色々なことが起こるのに、どこか一歩引いた目線というか。
一度で内容を深く読みきれず、すぐに2回目も読み込んだ。 -
生々しさ。
人工肛門、匂いや音。普段の何気ない部分でも気にしてしまうものなのに、状況や環境が変わると過敏になるとほんとに思う。
全然知らない世界なのに、苦虫を噛み潰したような感情に襲われかねない。 -
やっぱり初期作品を読むといろいろなことが伝わってきて良い。自分のやりたいこととの接続もよくわかった。共感と対極の余白。
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「私の妄端」は人工肛門となった女子大生の話。現役医師の書いた小説なので、機能とか構造が細かく描かれていた。「塩の道」も医師ならではの視点で終末医療が描かれていた。青森の漁村で、亡くなる直前まで自宅で過ごす風景。人が年老いて死んでいくことを当たり前に受け止める家族の逞しさ。かっこいいけど難しい。
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二つ目の東北の話はギブアップ。
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周りにオストメイトだった人がいたのと興味があり、表紙にも惹かれて購入。
盲端は、オストメイトについての話や手術、心情、行動、生活の困難さなどがわかり良かった。パウチを開けて、洗って、またそれをつける。しかもどこにでも対応のトイレがあるわけでもない。周りからどう思われるかわからない。自分だったら耐えられない。パウチを黒く塗り潰してしまうという行為にも納得。パウチをつけないという行為はさすがに無理。
人前で見えていないからとはいえ、人が話しているとき、大勢の前で、色んな場面で、平然と排便する気分とはどんな感じなのだろう。
「有名人の臍の脇にあるバラのタトゥーに似ている人工肛門」というくだりは良かったし、主人公も救われたと思う。肛門から便が出る、便意があるというのはすごく大事なことなんだと改めて思った。
お腹が温かくなる理由は便が腸を通るから。腸を使わないと短くなる(ので腸と肛門を繋げなくなる)。腹に食塩水を入れて腸を洗う。
勉強になった。
文章が読みやすく、オストメイトや心情についてはわかりやすかった。ただ、居酒屋でのくだりが下品で気持ちが悪い。治安が悪すぎる。エロ、同性愛もある。生々しい。料理に汗やアレが入っているのではという文面や、裏口にあるトイレのくだりとそれの映像を見たときの感想、華子との絡みと後半の妄想、仮設住宅での行為、短い話の中で濃すぎる生々しい下界の薄暗い雰囲気と民度が無理だった。仮設での行為は必要だったのかもしれないが、腸に直接お酒を入れていいの?という疑問と拒否感。お酒を飲みながらの仕事、残飯を食べさせられる店長、飛ぶ店員、発作で倒れても助けを呼ばれない店員。考えられない事態だが、世の中にはこういうことも存在するのであって、この店で、この世界でしか生きていけない人もいるのだなと思った。
口から肛門までひとつながり、臭いが口から漏れる、という文に食欲が失せる。
色々と考えさせられる話だった。
塩の道、こちらの方が個人的には良い。淡々とした文章で、雪国の脅威が読むたびに襲ってくる。ただそこに死があるだけ。漁師の怖さと、雪の脅威と、病気と死に耐える意地と、それを黙って看る家族の異常さとが、絶妙なバランスで書かれている。生と死と過酷さに浸りながら静かに読み進められる。
漁師の立場と強情さと丸太のようなメスを跳ね返す筋肉質な体つき(体が丈夫なのでなかなかくたばれない)と、食事をしながらただ身内が亡くなっていく様を看る家族と、死に慣れ過ぎている医者と(慣れているというか事務的というか諦めているというか)、これは田舎にいるだろうなと想像にたやすかった。
豚骨ラーメンのくだりが印象的だった。スープを飲ませたら生が戻ってきて、黒目だけがはっきりしている。最初男性かと思った。
入院したらすぐ死因を書くのは嫌だと思ったが、入院できるところが他にないのだろう、病院というより死を待つ場所だなと思った。そうしたら、転勤先でも最後に病院を建てるということになり、訪問診療で自宅で看取るのではなく、入院できる施設を作り、そこで死を待ち看取ろうということかと主人公が理解したとき、読み手の私でも、この人(主人公)がこんな僻地に来ることになったのは必然だったのだなと思った。どこに行ってもその運命というか役から逃れられないというか。
麻薬?のシールを貼ろうとしてやめたのも印象的だった。
人が死ぬ時はわかるのだなと改めて思った。 -
私は潰瘍大腸炎になり、2回目の時人工肛門を付けていて、文章を読み進めるときすぐに便がたまり、すぐに公共のトイレ、オスメイト二駆け込み便を吐き出すことを思い出しました、私はたまたま人工肛門を閉じられてたので、又普通の生活をしていますが人工肛門をしている苦悩は、計り知れません、その便を吐き出すこととかのリアルさが、書かれていて、世の中の人達に人工肛門を付けて生活している人も、いることを伝えられるために書いたのか、書かれた方は医師とあったので、もしかしたら人工肛門の生活は、苦悩だと伝えたかったかもしれません後半は、老人達いつか死ぬ方を看取り死亡診断を書く医師の物語、何人も老人の死を見てきたので医師としての無感覚さが、記されています。私は文章が重く感じたので星は、5つではありません。
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「私の盲端」も「塩の道」も再読しないと私には理解が難しい感じでした。その中で、人工肛門のメンバーや東北の寒村漁師の街での生活や語らい、風習の中でマイノリティも含めて、全ての人々への理解や敬意、尊厳を守ることの尊さを教えられたと言う感じでしょうか。
自分を産んで植物状態となってしまった母への対応は親子の深い愛から来るものなのか、物理的なものと捉えての対応なのか、摩訶不思議な感じが今もしています。
普通に生きている事への喜びと共に人への尊厳を感じながら生きていこうと感じた小説でした。
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現役医師の作品で、あまりにリアルで辛かった。
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この作者の感情の描き方が本当に好きだ。自分が感じたことがある気持ちを意外とシンプルな一文で表現されて、ドキッとする。
人工肛門の話は本当に知らないことがたくさんあって、勉強にもなった。デビュー作のもう一編もかなり好きだったな。 -
「私の盲端」…人工肛門つけたらこうなる、というマニュアルになりそうな内容。そして人の気持ちの揺れが淡々とつづられ、だからこそ直球で入ってくる
「塩の道」…東北の濃厚な訛りを文字起こししたらこうなるのか、文字起こしできるんだ、とそこが面白かった。見取り病院、治療など必要としない人々を前に虚しさすら感じなくなることはある意味、楽なのか。田舎の日常が描かれている
著者プロフィール
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