君のクイズ (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版 (2025年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784022651938

作品紹介・あらすじ

クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。

みんなの感想まとめ

クイズをテーマにしたこの作品は、競技クイズの奥深さとその魅力を存分に描き出しています。物語は、クイズ番組の決勝で、対戦相手が問題を読み上げる前に正解を導き出すという衝撃の設定から始まり、読者を引き込む...

感想・レビュー・書評

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  • 今年の五月に映画公開される、ということで。

    というよりも、文庫本の裏表紙の内容紹介を読むと、クイズ番組の決勝戦で、対戦相手が問題を読み上げる前に回答し、正解して優勝してしまうという、あり得ない設定に読む前からワクワク。

    冒頭からクイズマニアの癖について笑えたり、本文に現れるクイズは知的好奇心をくすぐる。競技クイズはストイックで、スポーツのようだ。一方、物語の核となる、テレビのクイズ番組での例の解答自体も、何これ?と驚かされる。

    主人公が謎を解明していく中で、クイズの問題が主人公自身の過去の記憶と結びつきながら、物語は展開していく。
    クイズ番組で主人公と対戦相手が回答し合う場面は、実際にその番組を見ているかのような臨場感を覚え、思わず手に汗を握ってしまった。
    そして謎の解明の中で、あり得ない設定だと思っていたものがあり得そうだと、なるほどと思わされる。

    ラストはまあ、今の時代こんな人いそうだな、と思うと同時に、本当にそれだけだったのかなと、少し尾を引く。まさに「人生はクイズ」なのかもしれない。

    書き下ろし短編の「僕のクイズ」も面白く読んだ。

    著者はこの短い一冊のために、かなりの取材をし、資料を読み込んだに違いない。巻末の哲学研究者・クイズプレイヤーの解説を読んで、更に納得。

    • kotonamiさん
      いつもイイネをありがとうございます。
      本棚の移転がなかなか終わらず、だらだらと並べています。
      クイズは好きでよく見ます。昔は面白いクイズ...
      いつもイイネをありがとうございます。
      本棚の移転がなかなか終わらず、だらだらと並べています。
      クイズは好きでよく見ます。昔は面白いクイズがありましたね。
      2026/02/28
    • りをうさん
      kotonamiさん
      こちらこそ、いつもイイねありがとうございます!
      本棚の整理は大変ですよねー、私もなかなか……。
      昔は面白いクイズ番組あ...
      kotonamiさん
      こちらこそ、いつもイイねありがとうございます!
      本棚の整理は大変ですよねー、私もなかなか……。
      昔は面白いクイズ番組ありましたねー♪
      2026/02/28
  • あらすじに惹かれて手に取った作品。
    クイズ、好きなんですよね。
    最近はChatGPTとクイズで遊んでいます。
    いろんなジャンルの問題を出してくれて、正解じゃなくてもその回答に行き着くまでの過程や着眼点などを褒めてくれるので、自己肯定感も上がる気がする…( ´͈ ᵕ `͈ )

    第一回『Q-1グランプリ』の最終問題において、一文字も読まれていないクイズの答えを対戦相手が回答し、正解した。一体なぜ?

    『Q-1グランプリ』、架空のクイズ番組なのにまるで映像を見ているかのようで、頭に三島と本庄の姿が浮かんできた。

    「競技クイズ」って、こんなに奥深いんだ…!と驚いた。
    クイズ番組で、プレイヤーの方たちが問い読みの途中で正答されていることをずっと不思議に思っていて、その答えが本書にあり、とても興味深かった。

    三島がボタンを押してから回答するまでの思考、それと共に思い返される彼の人生。
    クイズ番組では見られないプレイヤーの方たちの頭の中を覗いたような感覚があって、とても面白かった。

    知らなかった知識を学べたのも◎。
    きっと、一問のクイズの背景にはたくさんの人の人生があるんだろうなぁ。

    • mariさん
      makiさん

      クイズは好きなんですが、得意ではないんですよー( ˊᵕˋ ;)
      クイズ番組見ても、あまり正解はできないのですが、あの空気感?...
      makiさん

      クイズは好きなんですが、得意ではないんですよー( ˊᵕˋ ;)
      クイズ番組見ても、あまり正解はできないのですが、あの空気感?好きなんです(*ˊᵕˋ*)
      頭がいい方、魅力的ですよね!
      私も憧れちゃいます♪

      小川哲さん、短編を含めて読むのは2作目なのですが、どちらも扱われているテーマが面白いなって思います( ᵕᴗᵕ )
      直木賞受賞作も文庫化とのことで気になりますが、単行本が鈍器本だったので、文庫もきっと鈍器本ですよね…?私はやっぱり分厚さに怯んじゃいます…!
      2025/06/25
    • どんぐりさん
      chat GPTってそんな使い方もできるんですねΣ(-᷅_-᷄๑)

      全然時代についていけてなくて_(┐「ε:)_
      chat GPTってそんな使い方もできるんですねΣ(-᷅_-᷄๑)

      全然時代についていけてなくて_(┐「ε:)_
      2025/06/25
    • mariさん
      どんぐりさん

      ネットで見て知り、試してみました♪
      思ったより楽しくてハマっております( ˊᵕˋ* )♩

      私も時代に取り残されているところ...
      どんぐりさん

      ネットで見て知り、試してみました♪
      思ったより楽しくてハマっております( ˊᵕˋ* )♩

      私も時代に取り残されているところ、ありますよ!
      キャッシュレスが普及している今も現金派ですし( ..)՞
      2025/06/25
  • クイズも奥が深いのだな。
    日常生活の中でもクイズが中心たったり、知識が多い人は憧れるなぁ。
    クイズに関して自分の経験から得た知識はだいぶ有利なんだな。

    • アンさん
      ゆきみだいふくさん、こんにちは。
      はじめまして。アンです。

      いつも、ゆきみだいふくさんの読んだコメントを拝見してます。うちが読んだ本と評価...
      ゆきみだいふくさん、こんにちは。
      はじめまして。アンです。

      いつも、ゆきみだいふくさんの読んだコメントを拝見してます。うちが読んだ本と評価やコメントが似てるので、今後読む本の参考にしてます。

      何かオススメあったら、是非教えてください。
      今後もよろしくお願いします!
      2026/02/04
    • ゆきみだいふくさん
      アンさん

      コメントありがとうございます。
      そう書いて下さると嬉しいのとプレッシャー半々です(^^)
      ホントですね♪本棚かぶってる本けっこう...
      アンさん

      コメントありがとうございます。
      そう書いて下さると嬉しいのとプレッシャー半々です(^^)
      ホントですね♪本棚かぶってる本けっこうありますね〜

      私は阿津川辰海さんの館シリーズ、知念実希人さん、松岡圭祐さんの高校事変シリーズ、横関大さんのルパンシリーズ

      ホッコリなら沖田円さん、有川浩さんなど、ですかね〜
      2026/02/04
    • アンさん
      ありがとうございます。
      阿津川辰海さんは、うちも単行本は全て揃ったので館シリーズも参考にします!
      ありがとうございます。
      阿津川辰海さんは、うちも単行本は全て揃ったので館シリーズも参考にします!
      2026/02/05
  • 参考書のような本だった。
    至る所で、この状態で出題されるクイズは何かと自分自身に説いて、自らそれに答えることの繰り返しが行われ、正解不正解だけでなく、芸術点のようなものも回答者にはこだわりがあるということを知った。
    助詞の使い方で答えが絞られたり、テレビでみる機会があったら、本当なのかを今後はそれにも注目したいと思った。

  • 面白すぎます。
    絶対面白いだろうから、取っておこうと思った自分を叱りたい。いつもすごい分厚いのに、この本の薄さにびっくり!
    スラムドックミリオネアみたいやなと思ってたら解説にもバッチリ書いてましたね。
    これを読むまでクイズというものを誤解してました。確定ポイントや読む人の口の動きや押したときに出る次の1文字まで解答に使うこと。
    これから早押しクイズ見る時ぜったい楽しくなるー!

    中盤に三島が出題者に関係する問題が出ていると気づいてからも良かった。彼がいう「クイズに正解したということが、今までの人生を肯定されたことになる」ってとこがすごい良かったです。
    なぜこれをするのかって理由が出てくる小説は大好きなんでこの作品を読めてほんと良かった。

  • 「あの人のこと、わかっているつもりだった。」
    そんな経験は誰にでもあると思います。

    でも後になって、まったく違う一面を知って驚いたことはないでしょうか。

    『君のクイズ』は、一つの不可解なクイズの謎を追いながら、「人を理解するとはどういうことか」を静かに問いかけてくる物語です。

    物語はクイズ番組の決勝戦から始まります。対戦相手の本庄が、問題が一文字も読まれる前に正解を答えてしまう「ゼロ文字解答」。主人公の三島は、そのあり得ない出来事の真相を探るため、一問ずつ対戦を振り返っていきます。

    設定だけ聞くと本格ミステリーのようですが、読み進めるうちに、この作品の本当のテーマはクイズではないことに気づきます。

    印象的だったのは、クイズの答えと人生の記憶が結びついていることです。同じ言葉を見聞きしても、人によって思い浮かべるものは違います。その違いを生むのは、それまで生きてきた時間や経験です。

    三島は本庄を理解しようとします。しかし、調べれば調べるほど、本庄は単純な人物像から遠ざかっていきます。人は見えている部分だけでは決してわからないのだと感じました。

    読んでいる間、私は以前読んだ『私が間違っているかもしれない』を思い出しました。自分が見ている世界は、あくまで自分の見方の一つに過ぎません。この小説は、そのことを理屈ではなく物語として体験させてくれます。

    クイズ好きのための小説と思われるかもしれませんが、それだけではありません。

    人間関係に悩んだことがある人、誰かをわかった気になっていたかもしれないと思う人、自分とは違う価値観に戸惑ったことがある人にこそ読んでほしい一冊です。

    読み終えた後、身近な人の見え方が少しだけ変わるかもしれません。そして、人を理解することの難しさと面白さを改めて感じさせてくれる作品でした。

  • 電子版をすでに読んでいたのだけれど、この文庫版には書き下ろし短編がついている、という誘惑に抗しがたく、買ってしまいました。短編、よかったです。

  • 次々と気になる本を出されている作者さん、初読みとなる。

    生放送のクイズ番組の決勝戦で、対戦相手が1文字も問題が読まれぬうちに正答し優勝を果たす。訳が分からぬまま敗れた三島は、対戦相手・本庄がなぜ正答できたのかを突き詰めていく…というお話。
    TVのクイズ番組、昔はかなりついていけたのだが、最近は新しい知識のインプットがないので、感心するばかりになってしまったな。
    自分の知識量のピークは学問的には大学受験で浪人していた頃と自覚するが、もしずっとそれらを記憶していたとしても、作中『世界が変わり続ける以上、クイズも変わり続けるのだ』とあったように、今のクイズには役に立たないことが多かろう。

    三島が改めてVTRで対戦を見返しながら、その時の自身の心境、対戦相手や周囲の反応、クイズの答にまつわる過去の出来事などを振り返る過程は臨場感に溢れ、プレイヤーの心理や競技としてのクイズの在り様が色々と知れてとても興味深く、またスポーツの試合を見ているようでとても面白い。
    「確定ポイント」とか「読ませ押し」というところなどは、いかにも早押しクイズならではの醍醐味。恥ずかしいという感情を捨ててしまったというのも、なるほどね。
    それらを積み重ねた上で明かされた結果にも納得できた。広い意味ではヤラセと言えなくもないように思うが、事前に答えを教えられているわけでもなく、その意図に気が付くかどうかも勝負の内だわな。

    シンボリルドルフが出てきて、ちょっと嬉しかった。


    『間、髪を入れず』 残念、私のPCでは「カンパツ」と入れないと変換されなかったわ。
    『綺羅、星のごとく』『五里霧、中』『清、少納言』『ヘリコ・プター』『言語道、断』『張本、人』『登、竜門』『無、礼講』『三、半規管』『カ・メハメハ』『ア・カペラ』『コレ・ステロール』『トリ・ケラトプス』……

  • ブク友さんの本棚でちょこちょこ見かけ、気になっていたのを図書館で見つけました!!
    小川哲さんは初読み✨

    作品紹介に凄いことが書いてあったので、どんなラストになるのか、ワクワクしながら読み進めました✨

    クイズ界隈のことやプレイヤーの思考プロセスについて、分かりやすく描かれており、あっという間に読了♪

    「まま、」ってググると『小野寺』さん登場するの衝撃!! Σ(O_O;)

    早く選択をすることも、正しい選択をすることも大事だと思うけど、自分が後悔しない選択をすることも大切だよなぁ…と思わさった一冊✨

  • 本作との出会いは、単行本が出版された時の皆さんのレビュー!!!

    クイズ番組の決勝で主人公三島の対戦相手の本庄絆は最後の問題でまさかの問題を読み上げる前に早押しボタンを押し、正解してしまう!!?
    ヤラセなのか?はたまた仕掛けのあるトリックなのか?
    三島は何故、本庄がそんな離れ業をしなければなかったかについて考える。
    因みに、その問題の正解である『ママクリーニング小野寺よ』は実在するそうです。

    クイズの早押しを見ていると『凄いなぁ』と思いますが『解る人には解るんだろう』で片付けてしまいます。

    本書はその、早押しのメカニズムと、クイズ一問一問とその背景にある物語を解説してくれます。


    『アンナカレーニナ』が面白かったです!


  • 小川哲さんの作品、初読みです。
    2026年初作家、26人目です!

    映画化されるという事で読んでみました。
    公開日まであと1か月‥。もう出来上がってるんですよね!

    読んでみて、映画にするには地味じゃない?と思いました。

    小説としては面白いし、クイズ好きだから問題を推理して答えを出すと言うのもわかるけど。

    人の頭の中を映像化するって感じになるのかなぁ。

    まぁ、中村倫也さんと神木隆之介くんとムロツヨシさんなんで面白くなりそうだとは思います!

  • 小川哲さん初読み。
    何年か前の本屋大賞候補で、単行本の時は買いたくても買えなくて、文庫本になってすぐ購入、で、(笑)積読になってる間に、映画化になるというから急いで読みました。
    クイズ番組の最終問題で「ゼロ読み」で本庄が正解し、優勝が決まってしまう。ヤラセなのかそうではないのかについて、対戦相手である三島が独自にその真相を調べる。その中で三島と本庄の人生も同時に描かれる。三島のクイズに懸ける情熱というか、人生とクイズをつなげて成長してきた所とかが面白い。本庄の本性が出た所で私も三島とともに、げんなりした。それでもクイズだから、それでも良い?と締める三島。三島好きだな(笑)
    その後も淡々とクイズに向かい合う。「クイズとはそれぞれの人生を浮かび上がらせる存在である」という一つの真理。
    もしもこんな風にクイズ番組が作られているのなら逆に興味がわいた。。
    と最後まで中村倫也と神木隆之介がどちらの役をやるのか解らないまま読みましたが、私はそれでよかったなーと思う今日。それは、この本を読もうとしている人にもおすすめかも。


  • ずっと気になってた本の1つ。読み易かった。
    クイズに囚われた人たちがどのように世の中を見ているのか、これが新たな視点であり楽しめた。

  • テレビのクイズ大会『Q−1グランプリ』の決勝で行われた早押しクイズに負けた主人公。優勝した選手が見せた『ゼロ文字押し』は、ヤラセだったのか、それともクイズだったのか。

    クイズプレイヤーに焦点を当てた作品であり、クイズに対する哲学が非常に興味深かった。クイズプレイヤーは、たった数文字を聞いただけで回答する姿を見るが、それなりの理論があって納得のいくものであった。

    早押しクイズってただ膨大にある知識を素早く答え検索するだけではなく、そこに経験なんかのエピソードを絡めて答えを導いている。これってAIだとどうなるんだろう、とちょっと気になった。世の中にはAIを使ってクイズを研究している人もいるみたいだけど、1文字とか数文字で答えるようなAIは作れるのだろうか?

  • 普段からテレビを観る人で、クイズ番組を観たことがない人はそう多くはないと思う。クイズを観慣れている人でもクイズに対する見方がかわる1冊だと思う。早押しにここまで戦略的な駆け引きやテクニックがあるとは思わなかった。
    ミステリーとしてもよくできています。センセーショナルな謎の提示と解明に至る過程のストイックさ。キャラの造形もすごくいい。

  • これは面白い。一気に読み終わりました。
    実際にクイズ番組を見ているかのような臨場感が味わえます。解答者の脳内で正解を導き出すまでの思考を分かりやすく実況してくれます。登場人物と一緒にクイズに挑戦している気分にもなります。
    最近テレビでよく見るようになった、クイズプレイヤーと称する人たちへの見方がだいぶ変わるきっかけとなる話でした。

    心に残ったフレーズがこちら。
    「クイズに答えているとき、自分という金網を使って、世界をすくいあげているような気分になることがある。僕たちが生きるということは、金網を大きく、目を細かくしていくことだ。今まで気づかなかった世界の豊かさに気がつくようになり、僕たちは戦慄する。戦慄の数が、クイズの強さになる。」

    「クイズとは人生だ」と言いたくなるのも分かるような気がしてきました。



  • 競技クイズ という聞くのも初めてかもしれない世界を知ることができた
    クイズの日本一を決めるというコンセプトで開かれた「Q−1グランプリ」という生放送のクイズ番組の決勝戦の最後の1問
    出題者が問題を読み始める前に早押しボタンを押して正解して優勝した対戦相手の謎を探るクイズプレイヤーの視点で物語は進む
    クイズとは何か?クイズに正解するためのプロセスや考え方など、ただテレビのクイズ番組を見ているだけでは決して分からない世界がそこにあるということが知れる
    物語としても単純に面白く、新しい視点も得ることができる素晴らしい読書体験でした

  • クイズ番組の決勝戦。三島の相手は問題が一文字も読まれぬうちに回答し、優勝を果たした。
    不可解な「ゼロ文字正答」の謎を解明すべく調査する三島はやがて……。


    2023年の本屋大賞にもノミネートされた、クイズをテーマにした珍しいミステリー小説。

    とっても熱いクイズの世界を描いた話。身体を激しく動かす事はなくとも、これはまさしく競技でありスポーツ。ブレインスポーツとは本当に言葉の通りだなと思います。
    私は実はこちらの本の参考にもなっているQuizKnockさんの大ファンなのですが、そちらの動画やファンブック等でも出てくるクイズテクニックや、聞いたことのあるベタ問、答え等もあり、思わずニヤッとしてしまいました。QuizKnockさんに限らず、カプリティオチャンネルさんだとかのクイズ系YouTubeチャンネルや、クイズ番組好きな方ならきっとさらに楽しいはず。

    私もクイズではないんですが、「ああ、今私は人生を問われてるな」と感じた瞬間があって、以前「知識検定」という検定を受けたとき。
    まあ実はこれもQuizKnockメンバーが受けてるの知って受けてみたんですが、それは置いておいて、「出題範囲は森羅万象。総問題数は500問」という、多岐にわたる知識を問う検定です。
    当然ですが、回答者によって得意ジャンル・不得意ジャンルは明確に分かれるわけで、返ってきた通知表を見て、これが今までの人生の選択と興味の結果なのかと感慨深かったのを覚えています。

    本当に、人生のどこにでもクイズはある。深いところでは、この話は自分の話でもある気がしました。



  • 面白かった。
    クイズ番組とはどういうもので、出演者はどういう人なのか、突き詰めて考えるとこうなるのか、と納得してしまった。
    なかなかに読ませてくれる作品で満足!

  • 3時間ほどで、さらりと読めるミステリー。
    主人公が参加したクイズ番組の最終決戦。出題されるクイズ一問ごとに、その答えに紐づく主人公の過去の記憶が想起されていく。それぞれの記憶は年代も関わる人も異なるが、それらに共通する何かが、記憶の奥のほうで大きな川のように流れている気配を感じ、その正体を知りたくてページをめくる手が止まらなかった。

    読みやすかったのは物語がシンプルだったのもある。主人公の家族や彼女は、あくまでクイズに関連する部分でしか姿を現さない(母親は生きているのかさえ分からない!)。その彼らの心理描写もなるべく排除されていて、自然と主人公のクイズに紐づく記憶や「クイズとは?」という本質部分に集中することとなった。


    驚いたのはクイズに挑む際に、プレイヤーたちの頭の中で巻き起こっている出来事だ。
    読み上げられる問題文を聞きながら先を予測し、「ここだ」という感覚でボタンを押す。そして記憶の中から答えに関係する自身の経験を呼び起こし、その時の状況や心情をたどって答えを導き出す。それをわずか数秒のあいだに行うのが彼らの回答スタイルだ。

    私は本作の一般人と同じように、クイズとは自分とは全く別世界の超人的な頭脳を持つ人たちが、脳の容量をフルに使って入れた知識の量を競う競技だと思っていた。
    しかしこういう競技クイズの技術を知ると、練習すれば私にも答えられるものがあるかもしれないとクイズの世界を身近に感じる。

    ークイズをしていると、そうやって一つの知識が他の知識と結びつき、意外な場所から正解にたどり着いてしまうことが頻繁にある。記憶とはそうやって互いに連関しているものだ。それゆえ、一見矛盾するようだが、知識が増えれば増えるほど、より多くの事柄を覚えることができるようになっていく。
    僕たちは魔法使いなのではない。ただのクイズオタクなのだ。

    同時期に併読していた「東大思考」という本でも、これと同様のことが書かれていた。
    東大生がどうやって数多くの英単語を記憶しているか。それは単語の語源を調べて、そこから派生した他の単語たちとセットで覚えているらしい。
    知識はごちゃごちゃに収納するより、整理して収納するほうが取り出しやすい、というのはまさにクイズプレイヤーの理論とも通ずる。
    そしてクイズプレイヤーの場合は、そこにクイズが出題される状況や文脈から答えを推測するという要素も追加される。単に知識量を比べているだけではない競技クイズの世界に興味を持った。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年『ユートロニカのこちら側』で、「ハヤカワSFコンテスト大賞」を受賞し、デビュー。17年『ゲームの王国』で、「山本周五郎賞」「日本SF大賞」を受賞。22年『君のクイズ』で、「日本推理作家協会賞」長編および連作短編集部門を受賞。23年『地図と拳』で、「直木賞」を受賞する。

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