栞と紙魚子 1 (ソノラマコミック文庫 も 16-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2007年10月1日発売)
4.15
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本棚登録 : 153
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・マンガ (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022670854

感想・レビュー・書評

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  • 小学生のあたしが多分、一番多く口にしたコトバが「ねぇ、こわい話して」だった。それくらいあたし、こわい話が好きで、長じて今でもホラー系とか大好きです。

    ただしそこにちょっとしたユーモアとかペーソスがあるのが大好き!
    やっぱほら、カレーでもただ辛いわけではなくて複雑なスパイスのオーケストレーションじゃないですか。いや、そうなんだと思うのですよというか思いたい。

    諸星大二郎さんと言えばオカルティックかつ歴史的な?など印象はどうしても史実モノや西遊記のような妖怪モノで、しかも以前も書いたと思うけど人物の丸みをおびたゴロンと言う造形があたしの好みではなく、たまにしか読んだことはなかったのです。

    ところがあたしおよびあたしの読書傾向をよく知る人が「これはきっと読んだほうがいい」というすこぶるあいまいな(ごめん)勧め方をしてくれたので出会ってしまいましたこの本に。

    勘だけど、こういった偶然の邂逅って、ヒット率高い。そうしてこれも。
    わかったそうか、あたしが諸星作品に完全にシンクロできなかったのは、主人公がごろっとしたもっさいフォルムのおっさんばっかりだったからだ。ははーん。


    というわけでこの本には、大いにシンクロしました。主人公は女子高生。ちょっと古いにおいのする、イマドキとはかけ離れた二人、でも、それがいい!だってまさに、あたし、こんな感じの女子高生だったもん。ちょっともっさくてでも真剣で、好奇心だけはぱんぱんにあって無鉄砲だけど臆病で。

    そうして本が好きだった。へんな本もレンアイモノも、むしろ今以上に柔軟に読んでいたかも。


    なんてノスタルジックに思い出しながら、読むこの本は楽しかった。
    なんと表現しようかな、うーん、いわばそうね、マンガになったNHK教育って感じだろうか。

    短編で1つ1つきちっと落ちるから、安心して読める。安定した性格の紙魚子と、昔のあたしみたいに地味目なんだけど結構無茶する勢いのある栞のペアが、おいおい尋常じゃございませんよ?という不思議な日常を、割とひょうひょうと泳ぐ楽しさがたまんない!


    元・女子高生とか読書好き、オカルト好きとかにはお勧めです。そうしてちょこっと、オカルトの中にもユーモアの味付けの好きな、複雑なテイスト好みの人ならなおさら。くくくくって笑う頃にはきっとあなたも、彼女たちのファンになってると思いますよ。

    あたしみたいに!

  • みんなみーんな、頭のネジが数本外れているな!
    ブラックユーモアとはまさにこのこと。

  • メイン二人のネジが外れた会話や作品全体から醸し出るゆるさが癖になることうけあい。
    か細い線で描かれたムルムル一匹一匹の表情や、モブキャラのちょっとした言い回しもいちいち面白くて、一コマも見逃せない。
    シュールな笑いとオカルト好きにはおすすめ。

  • 全巻読了。
    最高。確かにクトゥルー風味もあり。
    これくらいの怪奇と宇宙的恐怖はまさに人生のスパイスだ。<それもどうか

  • 諸星大二郎は途方もない想像力だが、内容が難しかったり、絵が読みにくすぎたりしてだいぶ損な人だなあと思う。

    でも、これぐらいの軽さだと非常にいい。

    ブラックコメディです。

    何が起こっても驚かないムード、シュールでとぼけた感覚が何とも言えない。
    でもってクレイジーで愉快。

    中でもクトルーちゃん一家がすごい。
    クトルーちゃんのママはどこからどう見ても不定型の物体X。
    世にも恐ろしい怪物がフツーの奥様同様に暮らしてるのが面白い。

  • ちょっとおかしな街に次々発生する怪事件(笑)。
    新刊書店の娘と古書店の娘がボケたりツッコんだりしながら
    名探偵ぶりを発揮したりしなかったり……な、第1巻。

  • 世紀の大傑作だと思う。
    まあ、とにかく読んで。
    シュールなSF。

  • 生首がイトミミズを食べたり目がぎょろぎょろ動いたりしたのに驚きました。

  • 諸星先生との出会いは小学校五年生の教室でした。幼い私に読んで鬱になる漫画がこの世にあるのを教えてくれた「暗黒神話」。彼に数年ぶりの挑戦でしたが、トラウマを押して読んで良かったです。楽しいシリーズだなー。栞と紙魚子なんて名前の女子高生二人が巻き込まれる怪事件の数々。彼女たちの名前から察せられるように、本にまつわる怪異が多い。というかおかしな本が多い。しょっぱなが生首拾って、生首の飼い方についての本を参考にしてますからね。あとは人を呑む巨大な本やらと本好きには怖い本も・・・。怖い世界なのに笑いどころがあって味があり、たまにびっくりするくらい叙情的な間を見せてくれる楽しみなシリーズです。

  • 不条理、怪奇、奇怪、痛快。
    みんな変人。

    絶対変な町の変な物語なのですが、
    変に理屈めいた原理で動いている変人達。
    気がつくと普通に受け入れている自分がいる。

    恐ろしくも愛おしい連作短編。

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著者プロフィール

漫画家。『西遊妖猿伝』『妖怪ハンター』『栞と紙魚子』『マッドメン』『諸怪志異』『暗黒神話』『孔子暗黒伝』など、数多の作品で唯一無二の世界観を確立。2014年、第64回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

「2018年 『諸星大二郎 <大増補新版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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