朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022730923

感想・レビュー・書評

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  • 右派化が革新的で、左派の保守的な日本の奇妙な構図を、『「既得権にしがみつかないと生きて行けない世代」と「既得権を破壊しなければ希望のない世代」によって分断されている』と説明に納得。日本の政治やマスメディアの報道で感じる違和感や矛盾の正体が掴めたと思う。

  • 流石橘氏だ。リベラルと保守の関係性と変遷が、日本だけでなくグローバルに考察され、入門書のように非常に分かり易いにも関わらず、専門書を長々と読まなくてもズバッと結論を引き出してくれている。これは3000円くらいでも買って損はない本です。政治に興味なくてもスッと入っていける一冊です。オススメ。しかしタイトルが今一つだと思うな、インパクトはあるが。

  • タイトルに惹かれて…
    じゃなくて朝日新書が本書を出すんや〜
    まだまだ朝日も捨てたもんやないなと即買いでしたd(^_^o)

    朝日的なもの=戦後民主主義がなぜ若者に嫌われるかというところを順序立てて説明されています。
    詳しくは本書を読んでいただくとして
    朝日的なものはリベラル高齢者やシニア左翼の既得権益を守る立場なので
    「明日は今日よりずっと良くなる」
    という本来のリベラルの価値観を若者に示すことができないと。

    こう読むと右とか左とか保守とかリベラルとか昔のカテゴライズは今の日本では無意味なのかなとおもいます。
    世界的には保守もリベラルも愛国というパトリオティズムが前提になるはずが愛国=軍国としてきた戦後民主主義は今更何も変えられないんですよね。
    いや「何一つ変えないこと」「既得権益を守ること」が朝日的な考え方なのかもしれませんが。

    個人的には功利主義的な思想なんやなとおもいます。
    AIをはじめとした強大なテクノロジーの発展は社会を最適化する方向に進むと思うからです。
    ただ僕はBIの可能性を捨ててないので著者とは少し違う考え方かもしれません。

    本書は通して一気に読めると思います。
    ただもう一回読み直さないと意味理解は深まらないかなと思います。

  • 若者の右傾化(自民党支持)。口先だけのリベラルを唱えても誰も信用しない。

  • 借りたもの。
    題名が書籍の内容にそぐわない。しかし副題の通り現代の「リベラル」の行き詰り、その原因とこれからについて、考えさせられる内容の濃いものだった。

    著者は「若者が右傾化している」という言説を否定する。
    そこには「リベラル」の定義が曖昧になっている(ネオリベラルの登場により)こと、オールドリベラル(50代以上)がそれを「反動右翼」「ハシズム」として拒絶し、40代以下はオールドリベラルこそが「保守」と受け止められたためとする。

    先の大戦からの復興で経済発展の余地がある世代(50代以上)と、それらがほぼ完了した世代(40代以下)の世代間対立、時代の変化による価値観の違いからの主観の相違ということらしい。
    「保守」と思われている阿部政権が「リベラル」以外に政策の選択肢がなく、安倍政権に対抗するため本来「リベラル」であるはずの野党が「右」にならざるを得ないという、掲げている看板と逆転する事態になっている模様。

    昔はもっと酷かった……人種差別、女性差別など人権問題から環境問題まで、リベラルは確かに世界を良くした。そのことで敗北する。
    善悪がはっきりしている問題を解決した先に残っていたのは、簡単には善悪を決められないやっかいな問題ばかりが残っている。

    TV報道における右傾化、ほぼ主義的な思想の支持が高まるのは何故か?
    「右傾化」とは何か?
    著者は「アイデンティティ」の問題と指摘。
    それは知性ではなく、感情、快感によるものだった。

    日本における「ネトウヨ」もトランプ大統領を生み出した「白人至上主義」も、主張は違えど根本的な考え方に共通するものがある。
    どちらも「アイデンティティ」を(ネトウヨは中韓、白人至上主義は有色人種に)不当に侵害されていると思うことから起きているという。
    人種差別と共通する部分もあるが、“他者が劣る”と思っている人種差別と“自分が劣っている(被害者)”という主観の違いから、話が噛み合わないそうだ。

    リベラルに求められるスキル――すなわち“知性”――は、全ての人が平等に機会を与えられたとしても、全ての人が会得できるものではない。

    リベラルという知識階層に対し、それに至らなかったことで“持たざるもの”であることで、リベラルにより不当に抑圧されるという考え方も絡む。

    リベラル理論の閉塞と、そうした者への受け皿に、保守が成り立っている。

    ポストモダンの問題点……
    トランプ大統領という異形の大統領が立ったのも、新しい切り口からの差別化されたイメージがあったからこそ、と『宣伝会議 2019年8月号 NO.934』( https://booklog.jp/item/1/B07STGYCS2 )にもあった。

    ページ毎の注釈にも様々な書籍が紹介されていたが、マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』( https://booklog.jp/item/1/4152091312 )に通じると思った。私は現時点で未読だけれど。

    現代の思想の系譜と、日本においてその行き詰まりの原因を紐解いていく。
    共同体主義、多元主義、多文化主義など、各々に相関・対立があり、複雑化している。

    読書前、私はタイトルから、朝日新聞の語法問題……リベラルを謳いながらただの反政権で、公平なマスメディアではないことを言及している本かと思った。違った。
    朝日新聞を、リベラルな新聞の代名詞として著者は認識しているようだ。

  • 噛み合わない議論。

  • 「安部政権はリベラル」だという主張にのっけからガツンとやられる。そして、その強さの秘密に納得。「リベラル」や「保守」というものを如何に理解していないか、単なるイメージでしか捉えていないんだな、ということを思い知らされた。
    政治思想をもっとよく勉強しよう。
    そして、橘玲氏は、やはり好きな書き手である。

  • フム

  • ネトウヨ:日本人であること以外に誇るものがない日本人アイデンティティ主義者 とう言う定義腑に落ちる。国の経済力が落ちて、劣化が進む日本で、日本のリベラルに必要なのは、保守化した「リベラル高齢者」の既得権を破壊する勇気、すごく腹落ち感があって面白かった。これを書いている著者が60歳で、若くなく、この本を出した出版社が朝日新聞出版と言うのも面白かった。

  • 世界でも日本でもひとびとの価値観は確実にリベラルになっている。リベラルが退潮しているように見えるのは、朝日新聞に代表される日本のリベラリズム(戦後民主主義)がグローバルスタンダードから脱落しつつあるからだ。

    朝日新聞出版が発行しているのは、とりあえずはえらいと思いました。由来は、戦後の非愛国リベラル教育+人口不均衡+男性支配、あたりか。

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著者プロフィール

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』 (以上ダイヤモンド社)など多数。『言ってはいけない ~残酷すぎる真実』(新潮新書)が50万部超のベストセラーに。

「2019年 『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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