愛国の作法 (朝日新書)

著者 :
制作 : 姜 尚中 
  • 朝日新聞社
3.20
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  • 本棚登録 :256
  • レビュー :35
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022731012

作品紹介・あらすじ

ほんとうに国を愛するとはどういうことか。その先にあるのは希望か絶望か。「改革」で政府によって打ち捨てられた「負け組」の人々ほど、「愛国」に癒やしを求めるのはなぜか。日本と韓国、ふたつの「祖国」のはざまから鋭い問題提起を続けている注目の政治学者が、「愛国心」という怪物と真正面から格闘する。

感想・レビュー・書評

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  • いちいち、安倍現総理のことを「美しい国へ、の著者は…」と書くあたり憎悪がさらけ出されているが、それを裏書きするように今風の愛国心を表す論評としてそのほかに「国家の品格」などの質が粗雑なベストセラー本のみを抽出し、反論として大物の名文句を引っ張り出すのはちょっとずるいんじゃないかと(笑)右翼は感情的であり左翼は論理的だという言説をたまに見るが、それに基づいたようなところがあるね。若者の愛国については、萱野稔人が労働力のパイを切り口に語ったものがとても分かりやすく、それに比べると本書の方が遥かに情緒に訴えている。

  • この本が発行されたのは、足かけ5年にわたった小泉政権が退陣し安倍内閣(第一次)が発足した時代である。小泉元首相は2005年の終戦記念日に靖国神社に公式参拝し、安倍総理が「美
    しき国へ」という著書を発行するなど、世間は右傾化の雰囲気が漂っていた。本書はその雰囲気に抗うかのごとく出版されたものである。この本の一番の難点は、その難解な文章にある。
    問題点を指摘しようという意欲は買うが、表現がわかりにくくて何が言いたいのかわからないところがある。読みこなすには、政治思想史や哲学、日本近代史・現代史の知識がないと、理
    解するのは難しいだろう。

  • 姜尚中『愛国の作法』朝日新書、読了。愛国心とは字の如く“国を愛する心”のこと。しかし私たちは「愛する」こととは何か? 「国」とは何か? 本当に理解しているのだろうか。本書はフロムから丸山眞男、橋川文三に至るまで--を取りあげ、しばしば自明に思えてしまう概念を腑分けし、その意義を問う。

    そもそも愛する対象の国とは統治機構としてのそれなのか、国民共同体としてのそれなのか、立憲政体としてのそれなのか、それとも文化的な統一体(これも捏造だが)としての国なのか。私たちはハビトゥス(習慣)に麻痺している。まずはそこから。学生に読んで欲しい。

    3.姜尚中『愛国の作法』朝日新書。著者に会いたい 愛国の作法 姜尚中さん:朝日新聞 http://book.asahi.com/author/TKY200612120345.html 「別れ際に聞いた『日本へのラブコールのつもりでした』の一言は分かる気もした」。最後の「分かる気もした」は気軽にそう発話できないことを含み起きたい。

  • 平成24年8月23日読了。

  • 『大学新入生に薦める101冊の本 新版』の100番目の本。

  • 姜尚中さんの切れ味を見た。分かりやすく、かつ、論理的。
    誰もが感情として持つ愛郷と、人工的に作られる愛国は異なる。これを一緒くたにしてる今の論調は、危険な歴史の繰り返し。理想の姿をイメージし、そこに進む国家を愛する。これが愛国。

  • 日本の美しい「形」や「情緒」という言葉は、ぼんやりとしていて包括的なイメージである。しかしそれらの言葉は、日本人の心の琴線に触れることも確かだ。

    姜氏はこの本の中で、日本の文化をナルシシズム的に吹聴するとして『国家の品格』の著者を批判している。
    自分は以前『国家の品格』のレビューに、「『野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心』を大切にしていきたい」と書いた。今もその気持ちは変わらない。しかし同時に盲目的・陶酔的にならぬよう、常に自己批判する目が必要だと再認識した。

    また姜氏は「『愛国』や『愛国心』という言葉が氾濫している割には、内面から突き上げてくるような理想がほとんど消え失せているのではないか」といい、「愛国心」という言葉の空洞化を指摘する。
    盲目的「愛国心」が跋扈するのであれば、それこそ国家の品格に関わる問題だ。であるならば、竹越与三郎が「自愛心」の延長に「愛国心」があるというように、もう一度自分を顧みてものを考察し、思考を醸成させていくことから始めなければならないだろう。

  • (「BOOK」データベースより)
    ほんとうに国を愛するとはどういうことか。その先にあるのは希望か絶望か。「改革」で政府によって打ち捨てられた「負け組」の人々ほど、「愛国」に癒やしを求めるのはなぜか。日本と韓国、ふたつの「祖国」のはざまから鋭い問題提起を続けている注目の政治学者が、「愛国心」という怪物と真正面から格闘する。

  •  ショーヴィニズム(排外主義)、ジンゴイズム(好戦的愛国主義)ではない愛国心の在り方について模索した本。著者は東アジア論で著名な在日コリアンの教授。

     今まで日本を支えてきた政治・経済の体制が揺らぎ、社会が断片化・液状化する中で再ナショナル(保守)化が進む。その中で、自己責任論に見られるような社会の矛盾やリスクを個人に押し付ける傾向が見られる。

     そうして見捨てられた人々は十五年戦争時の日本や『国家の品格』や『美しい国へ』といった著書に見られるような祖国の盲信、反知性主義に走る。ここでは「愛国心」がそうした人々の接着剤になっている、と。

     著者の言うことはごもっともである。ただ、「愛国心」を一部の右翼的な人々の専売特許にしてはならない、という単純な結論を導き出すために、わざわざ難解で迂遠な言葉を使う点が不親切さだと思った。

  • [ 内容 ]
    ほんとうに国を愛するとはどういうことか。
    その先にあるのは希望か絶望か。
    「改革」で政府によって打ち捨てられた「負け組」の人々ほど、「愛国」に癒やしを求めるのはなぜか。
    日本と韓国、ふたつの「祖国」のはざまから鋭い問題提起を続けている注目の政治学者が、「愛国心」という怪物と真正面から格闘する。

    [ 目次 ]
    第1章 なぜいま「愛国」なのか(なぜいま「愛国」なのか 「愛する」とはどんなことか)
    第2章 国家とは何か(国家と権力 国家と国民 国家と憲法 国家と国家)
    第3章 日本という「国格」(「自然」と「作為」 「国体」の近代 戦後の「この国のかたち」 「不満足の愛国心」)
    第4章 愛国の作法(何が問題か 「愛郷」と「愛国」 「国民の〈善性〉」と「愛国」 「愛国」の努力)
    むすびにかえて―「愛国」の彼方に

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