- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022731067
作品紹介・あらすじ
毎月60〜100冊を読み続ける斯界きっての"新書読み"宮崎哲弥の連載(月刊誌『諸君!』)を書籍化。「教養」「政治」「経済」など、ジャンル別ベスト新書の紹介に加え、新書ブームの現状を読む新論考も収録。「新書ガイド+新時代の教養案内」をお楽しみください。
感想・レビュー・書評
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【ノート】
・佐藤優の「読書の技法」を、読書法のみならず参考図書リストとしても重宝しているけど、いかんせん数が少ない。そんなわけで、本書を読んでみた。
・一言短評プラスアルファという程度の分量で、読むべき新書本がジャンル毎に紹介されている。365冊もあり、ジャンルも多岐にわたっているのから、自分が興味を持ち、読みたいと思う本が見つかる可能性は高いと思う。短評についても、概ね「いい感じ」で紹介されているという印象を持った。「いい感じ」とは、イデオロギーや自己顕示欲にまみれたフィルターがかかっていないということだ。ただし「概ね」だけど。巻末ではワースト本も紹介されており、かなりスバリと切り込んでいる。自分的にはそれなりに参考になった「人はなぜ逃げおくれるのか」が「無益有害」としてワースト本にリストアップされていた。
・本書で取り上げられている本は、ハッキリ言って読んでないものだらけ。自分の「読みたい本」リストには800冊以上の本が登録されているのだけど、それでも、本書の中で取り上げられている本とほとんど重複していない。
・この本の帯は「朝日新書創刊!」」となっており、時代を感じさせる(2006年)。この頃から新書ブームだったらしいのだが、どうやら冷めることもなく今も続いているような感じだ。ちなみに、成毛眞の「本は10冊同時に読め!」が2008年、小飼弾の「新書がベスト」が2010年。なお、この本の最後は、著者による以下のような言葉でくくられている。「新書というのは、世界にも稀な大衆啓蒙メディアで、こんなに気軽に、広範な知識に触れられる日本人は幸せだと思います(P360)」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の評価の理由が理解できなかった。
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宮崎が『諸君!』に連載していた新書レビューを、ジャンル別にまとめ直したもの。ブックガイドとして有益であるのみならず、通読すれば、全体が「教養の現在」を照射する優れた評論にもなっている。
詰め込まれた情報量が圧倒的で、並の新書10冊分くらいの情報価値がある。宮崎の幅広い教養にも脱帽。
内容は、意外にも正統的な書評集になっている。読者の目を引こうとわざと極論・暴論をくり出すようなあざとさは微塵もないのだ。「書評のお手本」にもなる本である。
ただ、難解で古めかしい熟語を多用する悪癖は相変わらず。「省思」「肯綮」「窺知」「制縛」「截然」「防遏」(全部読めますか?)などという言葉は、それぞれもっとわかりやすい言葉に置き換えればよいのに……。
師匠筋の呉智英と宮崎は甲乙つけがたい名文家だと思うが、宮崎には呉に比べ、わかりやすさへの配慮がいま一つ不足している。 -
宮崎さんの本を読むのは初めてだが、駄目な本には辛辣なことを書く人なんだと知ってびっくりした。
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新書は公共圏への安い「入場券」だったのが、94年のちくま新書の登場が転機となり、「人」に焦点をあてた「入門書」を出し、学問のある「体系」を教えるというそれまでの新書のあり方を変えた。その後質が低下し「入門書」にも達しない「門前書」が増えたが、その背景として「教養」と「啓蒙」の機能と概念の変化を指摘している。
確かに新書は乱立・量産状態でライターによる口述筆記や対談本等のやっつけ仕事的なものや、マニュアル本や自己啓発本のような「軽い」ものも増えてはいるが、手軽でタイムリーに情報収集可能なメディアという側面もあり、ある種の「鮮度」も求められているようにも思える。よって、選書のスキルが重要になってくるわけだが、それは読み手のニーズやレベルにも依存するのだろう。とはいえ、まずは読まない事には始まらないので、あれこれ乱読しながら模索していくしかないのかと。 -
#2692-454
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政治・経済・社会・哲学・宗教から自然科学にいたるまで、あらゆるジャンルにわたって毎月次々に刊行されている新書を読みつくし、読むべき優れた内容のものをえらんでレビューをくわえている本です。
もちろん読書ガイドとしても利用することができますが、新書を通して現代の出版界や教養のありかたについて知ることができるという意味でも、興味深く読むことができる内容だと思います。 -
宮崎哲弥がどんな本を読んでいるのか分かる。
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