朝日vs.産経ソウル発―どうするどうなる朝鮮半島 (朝日新書)

  • 朝日新聞社
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022731203

作品紹介・あらすじ

緊張と混迷深まる朝鮮半島。この、一筋縄ではいかない隣人たちとどうつきあっていくべきなのか。「朝日」と「産経」。立場も主張も正反対のウォッチャー2人が大激論。北朝鮮核開発、歴史認識、従軍慰安婦問題、反日感情、韓国歴代政権の評価、韓流ブーム…。はたして両者の間の「バカの壁」は崩せるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 2006年刊行。

     朝日新聞前ソウル支局長と産経新聞ソウル支局長との、韓国・北朝鮮を素材にした対談録。
     双方の主張は今更の感あるが、産経黒田の隠し切れない「上から目線」(特に対韓国。さらには蒙を啓いてやろうとする対読者・国民)が嫌味に映る。

     また、1989年~2006年までソウル支局長が交代しない産経の人事は、これが事実ならば、その在り方はかなり問題があると思う。

  • 対韓国への態度がまったく違う二紙のソウル特派員が議論を交わすなんて、何と面白い! 10年前の本だっていうのが残念。知るのが遅かった。
    論調の違う二紙の在ソウル記者の立場だけど、実際には黒田氏と速水氏はプライベートでは一緒に酒をくみ交わすような仲だそうで、そういう意味ではできなさそうでできなかった企画が形になったともいえる。いみじくも書中で、北朝鮮の核問題をめぐり、市川氏が以下のようなことを言っているんだけど、同じようなタブーに阻まれていたといえそう。
    「黒田さんはいま、核武装をタブーだとおっしゃった。それはまずい考え方だと思います。非核は、タブーじゃないんですよ。本当に持ってはいけないと大多数が思ってる、公約数なんですよ。タブーと言うと何がますいかというと、今の日本はタブーを壊すことに熱心というか、タブー破りがかっこいいという風潮が横行している。非核三原則はタブーなんかじゃないと思いますよ。国是や国民の願いをタブーと定義づけ、それを破ることに快感を得ようとするのは、論理のすり替え、詭弁です。」(p.96)
    さて、2人の話は白熱感がありすいすい読めた。でも、「黒田氏、ずるい」と思うことしばしば。突っ込まれては軽口で話をそらしたり、年輩面したり。一方、主張への共感度としては圧倒的に市川派なんだけど、それでもやや青さを感じたりもした。それが朝日新聞のスタンスともいえるのだろうけど。
    2人とも社員の立場を離れた個人として話していると何度か言っているのだが、それでも黒田氏は産経っぽく、市川氏は朝日っぽい主張であり、性格だしって感じがした。両社ともしっかり社風に合った人を採用しているということか。黒田氏は韓国ウォッチャーとしての長い歴史から自分のなかでの答えが固まってもいるのだろうが、「自分の解釈・見方は正しい」「こういうもんなんだ」と断定的、決めつけ的な言い方をする。対して市川氏は、「自分はこう思う」「こういうことではないか」というような言い方。この相手にやさしい感じがリベラルの姿だとは思うんだけど、そうなると断定して自説を曲げずにがなる相手に対したときは分が悪いなあ。
    とはいえ、黒田氏も勝手な印象で思っていたよりは急先鋒って感じじゃなかった(少なくとも2006年時点は)。黒田氏の記事を勝手に都合よく解釈し、その威を借る輩こそがリベラルと保守(っていうか右傾ぶりっこ)や日本と韓国の相互理解を阻んでいるんだな。

  • 黒田勝弘が案外産経らしくないのに驚いた。

  • 日韓関係より、米朝関係の方が印象に残る。
    満足度7

  • [ 内容 ]
    緊張と混迷深まる朝鮮半島。この、一筋縄ではいかない隣人たちとどうつきあっていくべきなのか。
    「朝日」と「産経」。
    立場も主張も正反対のウォッチャー2人が大激論。
    北朝鮮核開発、歴史認識、従軍慰安婦問題、反日感情、韓国歴代政権の評価、韓流ブーム…。
    はたして両者の間の「バカの壁」は崩せるのか。

    [ 目次 ]
    第1章 朝日と産経(朝日的なもの、産経的なものとは何か 日韓問題は「日日問題」である 朝日の社説のここが気になる)
    第2章 日韓ナショナリズム(歴代政権をどう見るか 竹島・独島問題 韓流ブームとナショナリズム)
    第3章 北朝鮮(日朝関係に出口はあるか 朝日新聞と黒田記者の自己批判 支援と対話か、圧力か)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 日本では歴史観は選挙の争点にならない。
    小泉さんも韓流スターを褒めたが、韓国の政治家が日本のスターを褒めることはない。
    飢餓は独裁国家で起きる。
    北朝鮮は産経、朝日は毎日読んでいる。

  • 産経の名物特派員である黒田記者と朝日のソウル支局長の対談。キャリアの違いが歴然、という感じ。もちろん黒田氏のほうが長く韓国とつきあっているわけで。黒田氏、最初は共同通信の記者だったのを初めて知った。

  • 企画としてうまく成功していると思う。新聞社同士の見解をたたかわせていると言うよりは、2大ご意見番の遠慮ない意見が聞ける。

  • ★企画勝ち★左と右の新聞の朝鮮半島ウォッチャーの対談。もちろん必ずしも新聞の立場と同じではないが、産経の黒田氏が原則論を語るのに対し、朝日の市川氏がそうは言っても現実を考えると、と応じる。新聞の短いコラムからだけでは分からない韓国・北朝鮮の現状が多面的に伝わってくるうまい企画。団塊ジュニアの自分よりひと回り以上、上の世代には、北朝鮮を代表とする社会主義賛美が(特にインテリ層に)意外に根深かったのだと知った。

  • 産経新聞と朝日新聞のソウル特派員である黒田さんと市川さんの対談。

    誰が見ても意見も論調も正反対のこの二社の二人が、朝鮮半島について意見を戦わす。非常に斬新で面白い。

    韓国に対して、北朝鮮に対してどんな態度で臨むかということは在韓の日本人が、あるいは韓国・北朝鮮研究者が一度は葛藤する大きな壁である、と思う。正直、産経の態度や論調は気に食わないことが多いが、一理があると思うこともある。朝日的な日本人を啓蒙するための記事を書く朝日は、それで正しい姿勢だと思うがそれが韓国で「良心的」ともてはやされるのも気に食わない。

    結局、どこの新聞社も、様々な意見を集約して書くことはできない。だからトピックによって産経的であったり朝日的であったりするという色が出てきてしまう。
    しかし、意見の違う個人が話し合ったとすればまた違うものが見えてくる。極右派といわれる産経の黒田さんは25年の間ソウルで暮らした知韓派である。彼の主張する意見にも一理あると思うし、感情的にも理解できる部分が多い。彼個人がただただ産経的、であるとはいいがたい。ご自分でも話してらっしゃるが、むしろ親韓派じゃないかと思われるような考えももっているようである。

    どちらかが絶対に正しい考えであるというようなことはない。
    ただ、自分がどのように朝鮮半島と、そして何よりも日本と向かい合っていくのか、それを考える一つの機会となることは間違いない。
    また、記事だけを見ればただ右派、左派などと批判されたりするが、書いている人々がこういう考えを持っていて、こういう葛藤を持ちながら書いているんだということを知って読めば、また違う側面が見えてくるのではないだろうか。

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著者プロフィール

1941年、大阪生まれ。1964年、京都大学経済学部を卒業後、共同通信社に入社。1978年、韓国・延世大学留学後、共同通信ソウル支局長に。1989~2011年、産経新聞ソウル支局長兼論説委員。1992年、ボーン・上田記念国際記者賞、2005年には菊池寛賞および日本記者クラブ賞を受賞。現在、産経新聞ソウル駐在客員論説委員。著書に『韓国 反日感情の正体』(角川ワンテーマ21)、『韓国人の歴史観』(文春新書)、ほか多数。共著に『金正恩の北朝鮮 独裁の深層』(角川ワンテーマ21)など。在韓31年。

「2017年 『隣国への足跡 ソウル在住35年 日本人記者が追った日韓歴史事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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