国家は僕らをまもらない―愛と自由の憲法論 (朝日新書 39)

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 66
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022731395

感想・レビュー・書評

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  •  憲法とは何か、何のために存在するのかという最も根源的なテーマについて、豊富な実例を挙げながら専門外の人にもわかりやすく解説している。いろいろなトピックを挙げて説明しているのは、「憲法とは国家=権力を縛るためのものであって、個人を縛るものではない」という原則である。この本を読むまでは自分も”クルリン”の仲間だった。憲法とは共同体を形成していくために個人が守るべき指針や責務のようなものだと考えていた。良書。

  •  小難しい憲法の理論をビストロのように庶民的にわかりやすく語るという趣旨の本。「憲法は国民が従うべきもの」という誤解を解いている。

     国民主権とか平和主義とか基本的人権の尊重という点は置いといて、勉強になったのは個人主義に関する著者の見解。

     「個人主義が行き過ぎて他者を尊重できない自分勝手な人間が増えた(だから憲法にいろいろな義務を列挙して守らせるべきだ)」というウンザリするほどステレオタイプな意見がよく聞かれるが、個人主義が浸透していないからこそ他者を尊重できないと著者は喝破する。


     これは自分で何とかできないことや面倒なことは他者にお任せ(ここではするという傲慢な「してもらう主義」である。その極致はヒトラーに全権を委任したナチスドイツ。

     あと、「社会の恩恵を受けているのだから、黙ってルールに従え」というのも傲慢である。例えば当書では九州某県の中学校で丸刈り強制の校則が存在した。これが裁判沙汰になった際、「理不尽であっても、ルールである以上従え」という権威主義的とも取れる意見が相次いで新聞の投書で取り挙げられた。

     個人主義にしろ、丸刈り強制にしろ、国民が分かっていないのは「憲法は国民が従うべき法ではなく、国家権力から国民を守るもの」という立憲主義の考え方である。

     『憲法と平和を問いなおす』よりはわかりやすい。内容はそっちの方が充実しているが。

  • 323.1||T15||Ko

  • 憲法一つ一つを審議する本じゃなくて、憲法に対してのスタンスを教えてくれる本。
    身近な話題から入れてすごく勉強になった!

  • 知識が抜けているので改めてつめないと!

  • (「BOOK」データベースより)
    憲法は、国民をまもってくれる「頼れる見方」で、国民はみんなが従うべき重要なルールである…。僕らはこう考えがちだけど、答えはNO!である。憲法とは、国家=権力に余計なことをさせないための規範である。人権は国家=権力に余計なことをさせないことでまもられる。そのためには、国民は自立した個人であることが求められる。改憲勢力は、この憲法の根幹を大きく変えようとしているのだ。問題は9条だけではない。みずみずしい筆致で描く新しい憲法論

  • 自民党のセンセー方は、これ読んでちゃんとお勉強してから、憲法云々言いましょうね。

  • 立憲主義における憲法の位置づけをわかりやすく解説。国会議員でも読んだほうがいい人がいっぱい…。

  • 冤罪の構図 江川紹子 してもらう主義 してもらう主義は、自分の身体のことまでもお偉いさんに決めてもらって、僕たちの身体が本来持っている生命力を奪い,社会性を奪う 私の根本思想 新潮社 山口瞳

  • これからは立憲主義を貫こうと決意した

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著者プロフィール

Osamu Tamura
1965 年新潟県柏崎市生まれ。専修大学法学部教授。専門はフランス憲法史、憲法学。明治大学法学部卒業、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。福島大学行政社会学部助教授、専修大学法学部助教授を経て現職。フランス革命期の憲法史研究を通じて、憲法典は受け止める主体によって意味が異なることに関心をもつ。日本の憲法問題についても法学上の解釈理論よりも憲法がどのように受け止められ、受け止められるべきかについて発言を続けている。
*主著:『フランス革命と財産権』、『投票方法と個人主義』(ともに創文社)、『国家は僕らをまもらない』(朝日新書)、『僕らの憲法学』(ちくまプリマー新書)

「2015年 『憲法を使え! 日本政治のオルタナティブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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