偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022731432

作品紹介・あらすじ

長期不況で一気に広がった「偽装請負」という雇用形態。キヤノン、松下電器産業など超一流企業までもがそんな違法行為をしていた。2006年夏から告発報道を展開した朝日新聞特別報道チームの渾身のルポ。

感想・レビュー・書評

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  • 想像以上に心痛める内容の本だった。圧倒的に強い使用側が違法行為に手を染める話。不景気だったからとか、言い訳はあるのだろうが、許されない行為だと思う。
    IT業界でも請負、委任、派遣といった契約形態があり、それぞれ気を使う必要がある。偽装請負にならないよう、気を付けたい。

  • 上段勇士さん(ニコン熊谷製作所で働いていた方。偽装請負の被害者) 請負・偽装請負 クリーンルーム(非常に過酷な労働現場として記述されている) 人夫出し 御手洗富士夫(キヤノンの会長。産業の空洞化を防ごうとする一方で、偽装請負や派遣期間の延長を肯定的に捉えている) セル生産方式 東京ユニオン(2006年にキヤノンを相手に労働争議を起こした) 枝野幸男(キヤノンの件で2007年に衆議院予算委員会にて偽装請負に触れる)  松下幸之助『実践経営哲学』 出向(松下電器は社員を請負会社へ出向扱いにする事で偽装請負状態を解消しようとした。尚、賃金は請負会社から支払われるものに上乗せし、派遣向け補助金も違法に受け取っていた) 三重ショック(三重県が亀山市にシャープを誘致する際に、巨額な補助金に驚愕した。この事を指す) 吉岡力さん(松下電器の偽装請負の被害者。内部告発をしたがために、他の従業員から隔離された上、期間切れを理由に排除した) 電機総研(電機連合系のシンクタンク。製造請負の業者数も調べている) 株式会社クリスタル(かつて存在した請負会社。週刊東洋経済から「闇夜のカラス」という呼び名を広められた) 労災隠し(偽装請負において、法的には派遣契約とみなされている。隠すことで、法令違反がバレる事を防ぎ、保険料率を上げずに済む。また、労働者死傷病報告は被災者本人でも閲覧できず、簡単に隠せてしまう) 労災とばし(労災を別の場所であったように装うこと) 合成の誤謬  

  • これが日本の現実なのかと思うと、気が滅入る。 コンプライアンス宣言も意味がない

  • 会社も行政もクズばかり。

    終身雇用なんて、社の為にも、本人の為にもならん。
    腐った部分は切り捨てる事の出来る、強い社会が欲しい。
    そうしないと国も死んでいくだろう。

  • 空虚な好景気を作り出した、奢れる経営者のとった卑劣な人件費削減計画である偽装請負。
    僕は、結果的に人件費をピンハネしている派遣であっても、「人身売買」と同義として捉えているが、本書で述べられている「偽装請負」という現実はそれよりもなお悲惨である。

    人間が人間として扱われない社会。
    これが拝金主義の行き着いた先にあった、「超好景気」の裏に隠された実際である。

    特に憤りを禁じえないのは、キヤノン会長の御手洗による、あまりに身勝手な発言・思想である。いくら思想的に偏りがあると言われる朝日の取材によるものだとはいえ、自らの足元で違法行為をしておきながら、経団連会長の立場を得て、その行為を合法化せよと政府に迫る姿勢は、事実のみをとっても、もはや理性ある人間とは言えず、金満主義の豚とでも評するしかない。

    現在も、派遣・請負の仕事で苦しむ人は大勢いる。本書にあるような現実をより多くの人に知ってもらい、労働者の側もきちんと権利を主張し、また、経営者の側も、しっかりとしたモラルを持って企業運営に携わってほしいと願う。

  • [ 内容 ]
    長期不況で一気に広がった「偽装請負」という雇用形態。キヤノン、松下電器産業など超一流企業までもがそんな違法行為をしていた。
    2006年夏から告発報道を展開した朝日新聞特別報道チームの渾身のルポ。

    [ 目次 ]
    プロローグ 若者の死が意味するもの
    第1章 キヤノン「偽装請負」工場
    第2章 松下の超奇策
    第3章 巨大請負会社の盛衰
    第4章 偽装請負が「安全」を脅かす
    第5章 脱「合成の誤謬」へ

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    [ 参考となる書評 ]

  • 製造実習で製造現場にたつにあたって、この本を読んでみた。新入社員としては気が滅入る内容だが、知っておかなければならない話。

  • 企業側の徹底した人件費削減政策のために、憲法で保障された「健康で文化的な最低限の生活」すら脅かされている請負労働者、派遣労働者の実態を記述するとともに、キャノンや松下の偽装請負の実態に迫った朝日新聞特別報道チームによる渾身の書。
    日本経団連の御手洗会長の労働者を軽視した企業の、経済界の利益優先の姿勢を痛烈に批判。
    また、松下に対しては創業者・幸之助の哲学に悖る行為が行なわれているのではないか、と警鐘を鳴らしている。
    さらに、政府の規制の甘さについても言及し、最後には偽装請負をなくすための対策を記している。

  • 著者からいただいたこともあり
    その日のうちに読み始めました。

    さすがはジャーナリスト。
    流れるような文章は本当に読みやすいね。

    面白かった。目からうろこいっぱい落ちたよ。

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