1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)

著者 :
  • 朝日新聞社
3.75
  • (23)
  • (34)
  • (42)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 269
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022731746

作品紹介・あらすじ

アジア通貨危機が世界を襲い、日本の大手金融機関がバタバタと倒れた1997年。金融危機が深化したこの年を境に、世界のマネーの流れが大きく変わった。「不確実性」に支配された市場を、どうコントロールするか-。1997年の動きを検証し、次なる「危機」への処方箋を探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • よくわからず

  • 読み終わった(2016年4月19日)
    全部読んだけど、金融の事は難しくてよく分からない!きっともっと勉強したり経験したら、この本の内容が分かるようになるだろう、その時にまた読もう。その時によく理解できたら、それも含めて全部読書体験。

  • [内に外にと翻弄の年]日本国内では大型金融機関の相次ぐ破綻、海外に目を転じれば東アジアでの通貨危機と、金融関係で大きな変動を経験した1997年。なぜこの年に危機が集中したのか、そしてこの年を境にしてどのように金融の世界は変貌したのかを記しつつ、キーワードとなる考え方である「ナイトの不確実性」について掘り下げた作品です。著者は、読売・吉野作造賞を受賞した『経済論戦は甦る』などを執筆されている竹森俊平。


    現実に何が起きたかという世界と、その背後にある理論の世界を行ったり来たりしながら1997年という年を眺めていく手法はお見事。「ナイトの不確実性」という言葉は本書で初めて目にしたのですが、その考え方が近年の金融危機とどのように関わり合っているか、そしてどれほど大切かが丁寧に記述されており、数字関係に弱い自分にも「なるほど」と思わせてくれる作品でした。


    そして内容に加えて素晴らしいのは竹森氏が使用する記述が非常にわかりやすく、常に読者の視点に立っての説明を心がけてくれている点。「あ、ちょっとそこわかりづらいなぁ......」というところで具体例や噛み砕いた説明がサッと差し挟まれているということが本書を読む間に何度もありました。

    〜「バブルか、バブルでないか」は、所詮、「ナイトの不確実性」だ。それを判断する客観的な根拠などありえない。〜

    いわゆるリーマン・ショックの少し前に発刊された作品ですが内容の素晴らしさは変わらないかと☆5つ

  • 世界的な貯蓄過剰状態にある。
    不確実性を負う傾向。
    中央銀行の最後の貸し手としての役割=バジェットルール=相手が望むだけ、高めの貸出金利をつけて、貸す。=自分がカネを持っていることを示すには、惜しみなく使う必要がある=最後の貸し手の役割を果たす
    IMFへの批判=最後の貸し手にならない。

    ナイトの不確実性=確率分布の描けるリスクとそれ以外の不確実性=真の不確実性

    真の不確実性を前にすると臆病にも楽観的にもなれる。
    楽観的になった部分に企業収益がある。
    臆病の連鎖によって、バブルが弾ける

    フリードマン、サベージは主観的確率を考えることで、真の不確実性はないと考えた。その結果、経済が予測可能と考えた。

    エルスバーグ・パラドックス=反戦家 主観的確率分布を想定できないことを実験経済学によって確かめた。
    ナイトの不確実性には、扱いが困難な事柄も含まれる。情報がまったく存在しない中での判断も含まれている。

    アジア通貨危機などの危機は、マキシミン原理によって説明できる=最悪のシナリオの中の最善手を打つ。
    流動性の枯渇=最後の貸し手が、バジェットルールに従って貸し出すことで解決する=IMFへの批判。

    合成の誤謬=マーシャルによる論文

    ドルの信用が失われないのは、国際通貨であり貯蓄過剰のため低インフレだから。
    通貨危機への対処は、外貨準備をふんだんに持つこと。IMFはあてにならない。今や、IMFの資金量は雀の涙ほど。

    民間による危機対策=ベイルイン=債権者が多すぎると不可能=LTCMの救済は、民間での拠出によったもの=ベイルイン

  • 邦銀のリスクマネージメント能力の欠如を批判。
    また金融危機の発生をナイトの不確実性の議論を用いて説明する。

    最後の貸し手としてのIMFが結局構造改革を押し付けるだけだったとの議論を展開する。

  • 小宮さんの本に紹介されていて読破。
    知識があれば、もっと深く読めただろう1冊。
    古本屋で見つけたときはうれしかったなぁ。

    「ナイトの不確実性」のところは、いま読んでいる経済の入門系を一通り読んでからまた読み返したい。

  • 1997年のアジア通貨危機や日本の金融機関の倒産を「ナイトの不確実性」をキーワードに分析しています。
    そして、話は、サブプライムローンにまで及びます(この本が書かれたのはリーマン前)。
    納得のいく話が多く面白かったです。
    特に、「ナイトの不確実性」についてよく理解できる良書だと思います。

  • 難解でした。

  • ナイトの不確実性、経済というのは本来わからないものであり、客観的な予測の成り立つ領域は限られるという論理を元に、97年のアジア通過危機、日本の不良債権問題を解説した本。説明としては平易でわかりやすいが、この手のものを読むともっと詳しく突っ込んだ本当を読みたくなる。まあ最近忙しいのでちょっと置いときますが。

  • もう一度読んでみよう

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

慶應義塾大学経済学部教授。専攻は国際経済学。1956年東京都生まれ。1981年慶應義塾大学経済学部卒業、1986年同大学大学院経済学研究科修了、同年米国ロチェスター大学留学。1989年同大学経済学博士号取得。著書に、『経済論戦は甦る』(東洋経済新報社、第4回読売・吉野作造賞受賞)、『世界デフレは三度来る』(講談社)、『資本主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす』『ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った』(以上、日本経済新聞出版社)、『逆流するグローバリズム ギリシャ崩壊、揺らぐ世界秩序』(PHP新書)ほか多数。

「2015年 『欧州統合、ギリシャに死す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)のその他の作品

竹森俊平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ロバート キヨサ...
ジョージ・A・ア...
ロバート ライシ...
ポール・ポースト
有効な右矢印 無効な右矢印

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)を本棚に登録しているひと

ツイートする