SF小説がリアルになる 量子の新時代 (朝日新書 187)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022732873

作品紹介・あらすじ

絶対に破られない量子暗号、超高速計算を可能にする量子コンピューター、量子テレポーテーション、多世界…。SF小説に描かれた世界が現実になり、私たちの生活を一変させる可能性を秘めた、量子。アインシュタインも悩んだ物理の深遠と最先端を、文学や映画のイメージを借りて軽やかに、鮮やかに解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 量子力学の話は、結局のところ、いろいろな本を読んでみたがよくわからない。本書でも同様の印象である。
    実際に論じている人も、不可解ながらも結果は受け入れざるを得ないということであって、理論的に整理できているわけではないのではないか、とさえ思えてくる。

  • 量子力学難しい!けど、SFチックで、面白い。
     
    シュレディンガーの猫、
    多世界観、
    重なり、
     
    アインシュタインと言ったら、相対性理論が有名だが、
    本人は相対性理論よりも、量子力学についての方が100倍情熱を持っていた!?
     
    日々、分岐点で世界が広がっていき、無限に並列している。
    現在にも未来にも無限の世界がある。
    ゆえに、私たちは、いかなる未来をも選択することができる。
     
    掲載されていたSF小説を読んでみようと思う。

  • おそらくわかりやすく書いていただいたのだと思いますが、やっぱり難しい・・・。「もつれ」をなかなかイメージできません。ただ、暗号鍵の解読の話で「すごいことができる」というイメージがありましたが、確率論になるというところは初めて知りました。
    もちっと精進します。

  • 前から思っていたのだけれど、量子論のわからなさは比喩のわからなさなんじゃないだろうか。たとえばぼくらは電子を、原子核の周りを回るビー玉みたいなものだと思っているから、ビー玉が確率論的に分布するってどういう意味だよ、と混乱するのだけれど、電子はビー玉ではない。確率論的に分布する何者か、なのだ。それはマクロの世界には存在しないものだから、マクロの世界の何かで例えようとすればどこかが破綻する。直感的に捉えることはできないものだから、数学の言葉で語り、理解するしかないのだ。
    というようなことを考えながら読んだのだが、本書そのものは「わかりたいと思うのだけれどよくわからない人がよくわからない言葉を使ってもうろうといろいろ考えた」という印象しかなく、途中から飽きてしまったのだった。量子論、サイモン・シンが書いてくれないかなあ。

  • [ 内容 ]
    絶対に破られない量子暗号、超高速計算を可能にする量子コンピューター、量子テレポーテーション、多世界…。
    SF小説に描かれた世界が現実になり、私たちの生活を一変させる可能性を秘めた、量子。
    アインシュタインも悩んだ物理の深遠と最先端を、文学や映画のイメージを借りて軽やかに、鮮やかに解説する。

    [ 目次 ]
    第1部 劇的な量子(量子をイメージしてみよう;量子は多世界を導く;量子をあやつる)
    第2部 量子情報科学がひらく世界(量子力学から量子情報科学へ;量子情報科学の実用化へ;量子世界の三つの解釈をめぐって)
    第3部 量子は私たちをどこへ導くのか(アインシュタインの孤独―歴史秘話が二一世紀科学で再活性化;驚異は「量子」ではなく「重ね合わせ」;何が不思議なのか?)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ・江崎玲於奈 エザキ・ダイオード「トンネル効果」
    扱っている相手が電流という無数の電子の群れだった.「電子の雲」というあいまいな表現も電子がたくさん存在すれば,密度の濃淡というイメージを思い描くことで納得がいく.
    電子を一個ずつ扱うときにこそ,腑に落ちない不可思議さが姿を現す.

    ・ムーアの法則 トランジスタの集積密度は、18〜24か月ごとに倍になる、という経験則.
    素子の配線を「より細く,より高密に」する微細加工技術のおかげ.配線をあまり細くし続けると量子力学の効果が現れる.

    ・量子非破壊測定は不確定性原理をを利用した技術.
    片方(光子数)はものすごく正確に測るけれども,もう片方(位相)はまったく測らない

    ・重ね合わせ
    なだらかなカーブを描く波のときは,いろいろな場所にある状態が重なっている.
    原子や電子を観測した瞬間「波束の収縮」が起きて波が一箇所にピンと立つ.確率が1に決まる.振幅の大きさがその場所にいる確率を反映.

    ・量子計算の得意分野
    量子計算の威力は「周期を求める」というときに発揮される.巨大な数の素因数分解では数列の中から周期を探り出す計算を行う.
    量子計算は最後にコンピュータの中の量子ビットの「観測」で答えを出す.このときに確率が混入し場合によっては正解でない地点に波動関数が収束する.

    ・コペンハーゲン解釈 「人が見ている場合」と「人が見ていない場合」の二本立てで考えないといけない.「量子力学と古典力学が混在」
    ・多世界解釈 観測者も含めたすべてが量子力学で表現.ex.「私」がさいころを振って「1」を出した世界から「6」を出した世界までがすべて同時に存在.
    ・ボーム解釈 すべてを古典力学で考える.「コペンハーゲン解釈でにおける確率的なものの見方の裏には,一見確率的に見える結果をきちんと説明付ける隠れた変数が存在する」
    ・「隠れた変数」には2つある.相対論を満たす物とそうでないもの.ボームは後者.前者はアスペの実験で否定されている.
    ・「量子ポテンシャル」を考える.これが相対論を満たさない隠れた変数の役目を果たす.もし存在すれば光速を超える速さの通信ができることになる.

  • やっぱ量子は難しいです。
    数学を使わずに説明していましたが、それはそれで理解しにくいのかなと感じました。
    もう少し、図などを使って説明してほしいかな。
    量子情報の歴史を知るには良いかもしれないです。

    第一部 劇的な量子
     第一章 量子をイメージしてみよう
     第二章 量子は多世界を導く
     第三章 量子をあやつる
    第二部 量子情報科学がひらく世界
     第一章 量子力学から量子情報科学へ
     第二章 量子情報科学の実用化へ
     第三章 量子積の三つの解釈をめぐって
    第三部 量子は私たちをどこへ導くのか
     第一章 アインシュタインの孤独
     第二章 驚異は「量子」ではなく「重ね合わせ」
     第三章 何が不思議なのか?

  • 大学の授業でつまずく理系学生
     同じように悩んだ仲間たちよ、量子情報科学が台頭してきたいまこそ、つまずきの石をとり除いていこうではないか。(P.30)

     努力してみます。

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著者プロフィール

1938年生まれ,1960年京都大学理学部卒業,1964年同大学院中退。1974―2001年京都大学教授,基礎物理学研究所長,理学部長を歴任。2001―2014年甲南大学教授。


「2014年 『林忠四郎の全仕事 宇宙の物理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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