幸せはすべて脳の中にある (朝日新書 219)

  • 朝日新聞出版
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  • / ISBN・EAN: 9784022733191

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  • f.2021/6/6
    p.2014/11/30

  • 酒井さんと茂木さんの対談集。セレンディピティの説明で、ウォルポールの子供の作家が言い出したの知らなかった。何を読んでも学びはあるもんだと思う。

  • 千日修行
    考えること感じることは脳で起きている

  • 酒井:仏さんの教えは簡単なんです。己を捨てて他を利すればいい。そうすれば皆が幸せになると説いているんです 茂木:他人のために自分を捨てて、身を粉にして働こうと思ったら、エネルギーが出てくるのではないかと思うんです 自分の人生、自分で拵えなきゃダメなんだ

  • こだわらない。
    歩く。
    本能を鍛える。

  • やる、ただそれだけ。
    やってると、毎日やってると、
    行動に迷いがなくなる。

  • 清涼で爽やかな風の季節。そこまで脳に負担もかけず、つまり疲労なく、スラスラと対話が進む。会話の相手は千日回峰行を二度満業した天台宗阿闍梨。この人の仏教観、教え、人生観に触れられるというだけで、この本は価値がある。場所は比叡山の長寿院。84歳の住職を相手に、自然の香りをたっぷりと吸い込み、心の澱を浄化する。読むならば朝。1時間で読み切れるが、一気に読む必要はない。自らを顧みながら、自分のペースで。

    手に入れた徳を、少しだけ分けること。我にこだわらないこと。他人を騙して、自分を騙して、そうすれば、心に重たい荷物を背負う。心を軽くするということ。そのことが、徳育に近いのかも知れない。

  • <目次>
    まえがき
    第一章 生きる力ってなんですか 千日回峰行の力
     同じことを毎日ぐるぐると繰り返すこと
     空っぽだから、苦しくなかった
     暗闇の中を歩いているうちに心得が静かに
     道に迷ったときも、自分を信じて静かな心で歩く
     闇の恐怖の正体は…
     日ごろ使わない力がよみがえってくる
     行動が浄化されていく
     生命記憶と千日回峰行
     険しい道を歩くことで知恵が生まれてくる
     物事はすべてつながっている
     茂木健一郎の視点 暗闇で本能が目ざめる
    第二章 縁ってなんですか セレンディピティを生かすには
     出会いという名の奇跡
     偶然の出会いを大事にする
     縁はぐるぐるめぐりゆくもの
     偶然の幸運を生かすかどうかは自分次第
     大切な肌のぬくもり
     千日回峰行の資格を与えられるまで
     人に負けないものがひとつだけあった
     自分の道は必ずある
     できなくたって、かまわない
     行こうか、戻ろうか
     他人のために自分を捨てて生きようと思うこと
     茂木健一郎の視点 縁とセレンディピティを逃さないコツ
    第三章 人はなぜ生きるんですか 生きる道はどうすれば見つかるか
     ほんのたわいもないことが、人生を変えた
     自分の人生、自分でこしらえなきゃだめなんだ
     頭の中を空っぽにして、ずっとやっていった
     お師匠さんの生きざまを信じること
     生活する中で、黙って教える
     「後がない」という気持ちで物事すべてせよ
     今日のことはみな、今日から始めよ
     花は散っても、桜は生き続ける
     過去の経験と新しい経験とが溶け合う
     頭を空っぽにして、瞬間、瞬間を大切にする
     自分とお天道様にうそはつけない
     茂木健一郎の視点 師について学ぶ
    第四章 心はどこにあるのですか 歩くことと、息をすること
     毎日、同じリズムで暮らすこと
     こだわらない心でいれば、肌は自然に潤う
     悩みが尽きないときは、子どもの心になってみる
     戻ってくるなら戻ってくればいい、来ないなら放っておく
     歩くことは、脳にも心にも効く
     歩くとだんだん、だんだんと無心になる
     歩くこと、息をすること、心に思うこと
     己はどこにある?
     欲があっても、不完全でもいい
     茂木健一郎の視点 毎日同じリズムで暮らし、歩いて息をして
    第五章 仏が見えるときはどんなときですか 天才と魔境のあいだ
     暗闇の中で感覚は研ぎ澄まされる
     自分の心の眼で見る
     視覚と触感覚で現実感は高まる
     仏を見るということ
     ビジョンを見ることと生きる力
     成道するためには、「魔境」に入る
     すべては神様、仏様
     物事を治すのには、三倍の時間をかける
     茂木健一郎の視点 魔境を退ける比叡山の叡智、天才ということ
    第六章 幸せってなんですか 選べる自由があるから幸せ、ではない
     今いるところが一番幸せなんだ
     どんなにめぐり合わせが悪くても
     婚活ってなんですか
     聞いて、言う。言ったことは実行する
     やるか、やらないか
     三日続ければずっと続けられる
     決めたら、あとはやるだけ
     茂木健一郎の視点 選択肢があることが幸せなのではない

    ***

    ===============
    何かを選びとるということは、脳にとって大切な学びの機会。たとえ失敗しても、そのこと自体から何かを得ることができる。だから、選択するチャンスが与えられるほどに、脳は多くを学び、私たちは幸せに近づくことができる。
    このように脳科学は考えるのである。
    (選択肢があることが幸せなのではない p207)
    ===============

    ===============
    極限を一度見てこそ、初めて「日常」が分かるということがある。大阿闍梨が身を投げ打ってつかんだ生きることの「真理」に耳を傾けることで、自分の存在の底から生きる勇気が湧いてくる。
    (まえがき p5)
    ===============

    脳科学者「茂木健一郎」氏と、天台宗大阿闍梨「酒井雄哉」氏(2013年死去)の対談本。
    これと同時に「一日一生」を読んだのですが、酒井氏のお話自体は「一日一生」と重なる部分が多いです。けれど、言っていることにブレがないなぁ…と確認できたし、茂木氏という聞き取り役がいることでさらに分かりやすくなっている部分があるので、あまり気になりませんでした。

    おもしろかったのは、酒井氏が比叡山に初めてやってきたとき、宮本一乗という方の千日回峰行の「お堂入り」の最終日、お堂から出てこられる日だった。その光景が頭から離れず、最終的に仏門に入られたのですが、ご自分が千日回峰行をする際、師匠の方が高齢で、山中を歩けない。千日回峰行は、最初の1日だけ先達の方についてもらい、道を教えてもらう必要がある。そのため、師匠の方が別の人に道案内をお願いした。その人が、なんと宮本一乗大阿闍梨だった…。
    偶然の幸運に出会うことを茂木さんは「セレンディピティ」とおっしゃっていましたが、「それをどうやって生かしていくか」ということが脳科学の研究でも重要なテーマなのだそう。酒井氏の場合は、そんな「セレンティピティ」を生かす行動を、知らず知らずのうちにとっていた。
    なんだか、本当にご縁という言葉をしみじみ感じさせられるエピソードだなぁと思いました。

  • 偉大な行者さんの言葉に触れてみたくなって。

  • 生きていると いいことばっかりじゃなくて
    嬉しいこともあれば、疲れることも同じくらいある
    それが、人間の生きていく日常

    でも、この本を読むと、すこしだけ、なにか軽くなった気がする
    自分を信じていけばいいんだなって 思う
    そして、自分の人生は、自分で作り上げていくものなんだ

  • 動けば血の循環がよくなって、考えなければやり過ごせるということ。
    満足度5

  • 茂木さんが全ての話を脳科学の話に結びつけようとするのが、少し興をそがれました。

  • あまり余計なことは考えない

    間違ってる時は胸騒ぎがする

    迷ってる時は体全体で感じる

    意識して聞く 正しく聞く

    動くかどうか、自分の気持ちを何より大切に

    肌の触れ合いが一番大切

    【学ぶこと】と【行うこと】の一致

    みんなで分け合って生きる

    駄目なら駄目でいい

    自分をよく見つめてこれから何をしていこうか考える

    得意なものを考える

    特技を知る

    自分に合っているものはある



    メモ書き風に

  • 印象に残った文章。
    ・今において自由だと感じても、それはあっというまに不自由な過去へと変化してしまう。だから覚悟を決めて僕らは選択を決断するしかない。
    ・ほかの人はごまかせても自分はごまかせない。
    ・大学の唯一の存在意義は、師との出会いの場を提供すること
    ・元気の出ないときはまず歩いてみる事。行動する=前向き
    ・悩みというのは、今より良くなりたいという欲望からくるもの
    ・目の前の現実は変化するもの。だから今を楽しめ。

  • 朝日新書「幸せはすべて脳の中にある」を読了。天台宗の僧侶で、7年かけて4万キロを歩くという千日回峰行を2度達成した酒井雄哉氏と、著名な脳科学者茂木健一郎氏との対談をまとめたものである。

    茂木がインタビュアー的に質問を投げかけ酒井がそれに答える。そして茂木がポイントで解説、というスタイルで進行する。両者とも肩肘張らずに日常の言葉をぶつけ合うのは近頃の読者層の読書嗜好性に合わせようというものだろうが、ちょいと焦点がまとまらない。書名からして焦点が見えないのだから当然なのか?

    成道するために魔境に入る。

    そんな感想を持ちつつ読み進めていると、上記の言葉に出逢った。偽者のなかでまがい物ばかり見せ付けられたら本物は見えてこない。魔境を通り抜けてこそ真実が見える。成道が開かれるという。

    新興宗教流行りの時期に、関係者に聴かせたかった重い言葉である。学校など教育システムでは教えられない「ビジョン」を見せ付けられることで新興宗教や諸々の唱道者に惹かれてしまう若い精神に、ある種の警鐘を鳴らしている。この言葉は本物である。それにしても84歳という高齢ながら臆することなく自己の歩みを語る酒井氏の語りは、ずんとした重みで響いている。

  • 含蓄に富んだお話ばかりの対談集。
    脳科学者茂木さんと、天台宗のお坊さんである酒井雄哉(さかいゆうさい)さんが、人生や仏教やご縁や幸せなどをテーマにお話されている。

    ●「知る」には「知識」と「知恵」がある。知識というのは、本で読んだり学校で習ったりするもの。学んだ知識はじっとしているだけでは活用できず、実践しなければならない。実際の生活の中でいろんな気付きがあったとき、初めて知識が生きてくるということになり、生活の知恵となる。

    ●ご縁があっても何となく通り過ぎちゃう人もたくさんいると思うけれど、やはり大事にして生かしていくことが大切。

    ●縁を生かすということは実行すること。そのままにしていたら全ては通り過ぎていってしまう。そうした出会いがあったときに、積極的に動いて初めてそれが成就する。

    ●縁があって何かに出会う。その出会い感銘を受けたら、行動する。

    ●セレンディピティ=偶然の幸運に出会うこと
    セレンディピティをはぐくむために大切な3要素。
    ①行動
    どんな理由でもいいから、行動して広い世界に出て行くことが
    必要。
    ②気付き
    自分の人生を変えるような大切な出会いがあるのに、それに気づかない場合もある。自分がもともと目的としていたこと、注目していたこと以外の、視野の「端」にあるものにも心を傾けることが大切。
    ③受容
    セレンディピティにおいては、自分が今まで築いてきた世界観や考え方と必ずしも相容れない何ものかを受け入れる必要がある。その過程の中で自分が変化することを受け入れる勇気があるか。

    ●自分をだませば、おそらく死ぬまで大きな荷物をしょって歩かなければならない。

    ●相手に対してアドバイスをすることは首尾一貫しているけれど、そこから相手がどういう行動ととるかというところまでは干渉しない。相手の思惑を先読みしなければ、人間関係に疲れることはない。

    ●今いるところが一番幸せだと思っていればいい。そして、感謝する。

    ●好きなのに結婚しないってことは、好きな気持ちよりも違うものの方を大事にしてるんだ。行動には気持ちが表れる。

    ●物事にこだわらないことが、生きる上ではとても大事。

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著者プロフィール

■酒井 雄哉(サカイ ユウサイ)
天台宗の僧侶。1926年、大阪府生まれ。
太平洋戦争時、予科練へ志願し特攻隊基地・鹿屋で終戦。
戦後、職を転々とするがうまくいかず、比叡山へ上がり、39歳で得度。
7年かけて約4万キロを歩く荒行「千日回峰行」を1980年、87年の2度満行した。
天台宗北嶺大行満大々先達大阿闍梨、大僧正、比叡山飯室谷不動堂長寿院住職を務めた。
2013年9月23日、87歳で入滅。

「2019年 『人生を楽しく過ごしなさい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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