2012年、世界恐慌 ソブリン・リスクの先を読む (朝日新書 237)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733375

作品紹介・あらすじ

世界各地の「マネー爆弾」が炸裂、国債暴落で超インフレが襲来する!?リーマン・ショック後、世界はいったん落ち着きを取り戻した。巨額の政府マネーが銀行救済や景気対策につぎ込まれたからだ。しかし、各国の膨れ上がった財政赤字が今度は大問題に。ドバイ・ショック、ギリシャ問題は入り口にすぎなかった。気鋭の大学教授と現役のメガバンク行員が、世界恐慌へ至る恐怖のシナリオを大胆に描く決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 現在の世界経済の状況や経緯がよくわかり、
    ギリシャ問題が大きく取り沙汰されるようにもなり
    出たタイミングとしては非常にタイムリーな一冊。

    金あまりにより膨れ上がった経済の収縮による不況を
    財政出動でまた金あまりの状態になり、投機に資金が流れ
    新たなバブルを創造し、それに加えて急激な国の財務の悪化による
    ソブリンリスクが高まっている。

    危機に対して正しい経済対策をうったが故に
    こうした新たな危機をはらんでしまったというのが
    この問題の根の深さを感じる。

  • 逶ク豐「蟷ク謔ヲ蜈育函縺ョ譛ャ縺ョ?大?逶ョ縲ゅΜ繝シ繝槭Φ蠕後?縺セ縺ィ繧∫噪縺ェ蜀?ョケ縲ゅ∪縺壹?閧ゥ諷」繧峨@縲
    莉雁ケエ荳ュ縺ォ蜈ィ闡嶺ス懊r隱ュ遐エ縺吶k縲

  • [ 内容 ]
    世界各地の「マネー爆弾」が炸裂、国債暴落で超インフレが襲来する!?リーマン・ショック後、世界はいったん落ち着きを取り戻した。
    巨額の政府マネーが銀行救済や景気対策につぎ込まれたからだ。
    しかし、各国の膨れ上がった財政赤字が今度は大問題に。
    ドバイ・ショック、ギリシャ問題は入り口にすぎなかった。
    気鋭の大学教授と現役のメガバンク行員が、世界恐慌へ至る恐怖のシナリオを大胆に描く決定版。

    [ 目次 ]
    プロローグ 未体験ゾーンへ
    第1章 なぜリーマン・ショックは克服できたのか
    第2章 世界のマネー爆弾その1―アメリカの闇
    第3章 世界のマネー爆弾その2―ヨーロッパの憂鬱
    第4章 世界のマネー爆弾その3―日本の能天気
    第5章 大恐慌との奇妙な類似
    第6章 蓄積されたマグマは破裂する
    エピローグ 2012年××月××日―恐慌勃発

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    [ 参考となる書評 ]

  • お金お金。
    日本の政界改革を率先してくれる強いリーダー、現れないかなあ。
    っていうか。最近の政界に見られる、「重箱の隅をつつくようなミスを暴いて政界追放」みたいな戦い方、見ていていらいらします。

  • 相沢幸悦、中沢浩志著「2012年、世界恐慌」(2010)
    * 平成代具今日への対処で膨大な財政赤字が堆積したものの、このときには、日本でソブリンリスクが現実化することはなかった。それは、膨大な財政赤字をまかなう国債が、平成大不況下では、安全な有料金融商品として日本国内でいくらでも売れたからである。
    * リーマンショックにさいして、欧米政府と中央銀行は大きく3つの対応をとった、1つ目は金融の動きがとまらないようにしたこと、つまり、中央銀行は流動性をジャブジャブに供給した。これは緊急性の最も高い対応である。2つ目の対応は、公的資金を金融機関に投入して延命させることであった。劣化資産を民から官に移し変えることで金融システムの崩壊をふせき、実態経済を崩壊から守った。3つ目は景気対策である。そして、ここでは各国がこぞって大規模な財政出動を行った。国際を大量に発行して、公共事業などを大幅に増やした。
    * 今回の危機にとられた中央銀行による流動性の供給と金融機関への公的資金の投入という金融システム安定化のための2つの政策は、1997年から2003年にかけたおこった日本の金融危機の経験が大きく貢献している。
    * ケインズ経済学が体系化され、第二次世界大戦に不況が訪れると、「公共事業、減税、利下げ」の3点セットが実行され、しかも効果があがった。資本主義はすっかり恐慌を克服したかに見えたがやはり、世の中はそんなにあまくはなかった。1970年代にケインズ政策は破綻した。それは資本主義諸国がインフレが進行するものの景気も低迷するというスタグフレーションに襲われたためである。ケインズ政策にしたがって財政出動するが、景気がよくならない。そこでケインズ政策の有効性が疑われ、その後、登場したのが、ミルトン・フリードマンであった。かれは、国家が経済に介入することを排除し、規制緩和&撤廃で企業の競争力を高め、成長を実現する政策を主張した。つい先ごろまでアメリカで行われた新自由主義に基づく経済学である。その後、冷戦が終わりアメリカの敵はいなくなった。金融資本を推進したアメリカの時代である。しかし、アメリカの住宅バブルが崩壊すると新自由主義は徹底的に否定された。そして再びケインズ政策が戻ってきた。リーマンショックがおこるとケインズ政策こそが危機を救うというばかりに、すさまじい財政出動が行われ、中央銀行には膨大な資金供給をせまった。民間需要がこれだけ落ち込めば、もはや政府が需要をつくりあげていくしかないという考えからだ。しかし、これが徹底的に遂行されていくと、最後には中央銀行の経営危機と財政破綻という経済破綻にいきつく。日本の平成大不況のように世界のなかで一国だけが財政出動するのはよいが、世界全体が財政出動したら、、、一国だけではなく、世界中が同じ危険性を抱えている。それこそが、ソブリンリスクの正体である。
    * バブル崩壊当初の日本の政府財務残高のGDP比は60%程度であったが、今は180%と絶望的な状態である。平成大不況克服のため、日銀が超低金利政策をとったので、有料金融商品である、国債を銀行や郵貯などが積極的に導入。アメリカとことなり、国民の金融資産の約半分が預貯金からなっているからできる業である。今、日本はGDP比180%になっても長期金利が上昇しないのは、今のところ国債は国内で消化できているためである。日本の平成大不況が克服されたのは、財政出動と日銀のゼロ金利や量的緩和という政策にバックアップされたものではあるが、根本的な克服要因は1990年代のアメリカの株式バブル、その後の住宅バブルであった。要するに外需頼みであった。
    * 各国が景気対策と金融機関の不良債権処理のための財政出動は経済政策としてはきわめて正しい。しかし、世界全体でそれを行えば、いずれ国債発行による資金調達ができなくなる。この国債の大量発行による金利上昇で民間の資金需要が抑制される現象をクラウディングアウトという。それが現実のものになれば、民間ビジネスにも支障がでる。1人1人はただしいことをやっているが、全員が同じことをすると全体がわるくなる合成の誤謬が財政分野でも発生する可能性は大いにある。
    * 厄介なのは国債バブルはゆで蛙と同じでなかなか問題の深刻さを実感できないということである。
    * 国家破綻のトリガーとしては3つある。①投機筋の暗躍、②正常化を急ぐあまりに当局が起こす製作ミス、③エマージング市場バブルの崩壊。
    * 日本がこれを乗り越えるために独自に取り組むべきことは、①1500兆円あらう個人金融資産を思い切って海外投資に振り向ける決断。日本経済の長期的衰退に伴う円安によって購買力が低下することが懸念されるが、こうすればヘッジとなる。また海外からの配当収入も確保可能である。②移民政策を含む人口維持政策を積極的に進めるべきである。高齢者への年金を減額してでも育児・教育に国民のお金を振り向けるべきである。移民については、すむことに悦びを感じて責任を果たしてくれる人を受け入れるべきである。

  • 世界がマネーで繋がっている様子が良く分かります。一つ一つの危機がマネーの流れを媒介として各国に連鎖していく世界の様子が良く分かります。
    もはや1国だけでの対応だけでは、対処できないマネーの潮流。
    世界で協力して包括的な枠組みやルール策定が望まれます。
    今回の危機を克服できたときは、
    新しい世界の形が出来上がっているように感じました。

  • 現在の世界経済から見る
    過去と未来。

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著者プロフィール

1950年秋田県生まれ。埼玉学園大学経済経営学部教授。法政大学経済学部卒、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士(慶應義塾大学)。( 財)日本証券経済研究所主任研究所員、長崎大学経済学部教授、埼玉大学経済学部教授をへて現職。主著に『GNP大国になる日本』(講談社)『日本銀行論:金融政策の本質とは何か』(NHK出版)『環境と人間のための経済学:転換期の資本主義を読む』(ミネルヴァ書房)など多数。

「2015年 『よみがえる日本、帝国化するドイツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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