- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022733580
作品紹介・あらすじ
政治経済のストラテジスト11人へのインタビューで世界の「3歩先」がわかる。
感想・レビュー・書評
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世界の政界、財界、教育界で活躍する著名な人物11人に対するインタビューを掲載し、最後に、今後日本がなすべきことについて、述べられたもの。インタビューの内容が短く、ほんの概要といった点が残念。また、最後の著者の意見は説得力に欠けており、もう少し根拠を示し論理的に述べてほしい。印象に残る記述を記す。
「アンガス・マディソンの研究によれば、2000年前、インドと中国は、世界の経済規模の59%(インド33%、中国26%)を占めていた。1820年の時点においても、両者はなお世界全体の49%を維持していた。1973年の時点で両者の経済規模は世界の8%にすぎなかった。そういう歴史的経緯をふまえれば、両国は「新興国」というより「再新興国」といった方が適切かもしれない」
「日本の学生は、全く自分の考えと違うことを言われると凍り付いてしまう。異質なものをどういう風にアプローチするか全く用意できていない。日本は、グローバルな国際競争力を保ち、伸ばすため、生産性を向上させ、生産コストを下げなければならない。こうした挑戦、こうした新たな開国に耐えうる人材を育てなければならない」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010.9.30.初、並、帯なし
2012.12.3.伊勢BF -
西から東へのパワーシフト。冷戦時代の2極化から冷戦後の1極化へ。そして今、安定性のない多極化へ向かう世界。本書は現代の戦略化キーパーソン11名へのインタビュー。
人選がかなり米国関係者に偏っている観が若干あるせいもあってか、その多くが中国の台頭に対するパワーバランスの重要性を指摘しており、その中で日米同盟、経済連携の重要性が語られている。
日本の中にいるとどうしても日本中心の利害関係の発想になり、それはそれで致し方ないけれど、やはり国のリーダーには中長期的なグローバル視点から物事を捉えてもらいたいし、またマスコミもあまり情緒的、内向きな報道に偏ることがないように、グローバルな大局観に基づいた報道を期待したいと思う。 -
not good no impression
borrowed on apr 2, 11 -
読みたい。
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2025年の8大経済大国はUS,中国、インド、日本、ドイツ、UK、フランス、ロシア。
私たちはいまだ国民国家の枠組みの下で生活している。国家の指導者にとっての政治的な正統性は日本であれアメリカであれ市民の判断にゆだねられる。
市民に対して自らの国益の中に他国の国益の視点も含めて考えるよう、視点を広げることができる。
開発がいまだに遅れ、あらゆるレベルでの血管が放置されているということからすると、アフリカが依然として今後とも問題があるエリア。
リークアンユーは国際政治の動向を誰よりも鋭くかぎ分ける世界のチーフインテリジェンスオフィサー。
インドの軍事的役割は南アジアに限定されるため、インドが太平洋に軍を派遣することはない。マラッカ海峡への派遣は可能。しかしシンガポールから先への展開は考えられない。
グローバル化は知識人の終焉を告げている。
グローバル化は国家と政府を無用にしない。むしろ逆である。グローバル化は世界経済をより深くつなぎ合わせているが、その結果、同時多発的な世界金融危機を引き起こしやすくしている。
グローバル人材を育成するには日本社会がいま一度競争の重要性を再認識すうることである。新世界の時代の新たなる競争社会を乗り切っていく心構えが必要。 -
11人の国際事情の識者へのインタビュー。
あまり頭に入ってこなかったものと、へぇと思ったものがあった。(どうも米国系の人の軍事戦略の話にはあまり興味が持てなかった。。。制海権の話は興味をひかれたけど。)
●モハメド・エラリアン (ピムコCEO)
-銀行と金融の将来、公益金融
・預金と貸付だけの単純な銀行業務に戻る。
・レバレッジの規模制限や資本充実義務付けなどを柱とするボルカー・ルールに規制されるような「狭い金融業」に。
・民主主義社会においては、「利益は企業がいただき、損失は社会に押し付ける」ようないびつなことが長く続くはずがない。
●リー・クアンユー
・中国は、鄧小平が唱えた「韜光養晦」をもはやかつてほど厳格に遵守していない。他国に中国の国益を理解させることが大切だと判断するときはそのような行動をとるべきだと判断し、実際そのようにしつつある。
●トニー・ジャッド
(EU統合)
・ドイツはギリシャやポルトガルのように経済的に弱い国と同じ通貨を持つと、通貨と物価の安定性がゆらぐのではないかと恐れた。そこで、ドイツは統一通貨には参加する、しかし、ユーロはドイツマルクをモデルにつくられねばならないと言いました。ドイツは、中央銀行が協力で独立していなければならない。金融政策で政治的な干渉を受けてはならない、と釘を刺した。