- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734051
作品紹介・あらすじ
リーマン・ショック後の通貨安競争を経て、世界は「通貨戦国時代」に入った。人民元をめぐる米中の闘い、相対的に安全だとして円に「避難」してくる国際マネー…。ドル本位体制の行方は?最終的に円は勝てるか?伝説のカリスマ・ディーラーが通貨を論じ尽くす。
感想・レビュー・書評
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Do not fight Fed.
という世界中の為替ディーラーが口にするフレーズ。
今のように米国がドル安を望んでいる(口では逆のことを言っているけど...)状況下では、FRBの望む通りドル安が続きそう。
昔に比べると米国の世界経済に対するコントロールは絶対的ではなくなってきていると思うが、まだしばらくはFRBには逆らわないポジションを取っておいたほうが良さそう。 -
二年ほど前から避け続けていた経済系の本を読むようにしている。
金、レアメタル、石油に代表される資源から貨幣にいたるまでを把握すると、現在の円高や資源高の理由がよくわかる。
少しの知識を手に入れると、世界経済の動きがわかったようになり、且つ外交と同じく利潤(国益)追求のゲームのように見えるのだけれど、世の中は意外と(一般人が思っているより小さく、専門家が前提としているよりも大きく)調和を求めているということにたどり着く。
だが、リーマンショック以後の通貨戦争はそういうものではない、通貨と政策を武器として、各国が本気で潰しあいをしているのが手に取るようにわかる。
これは、あたかも「チキンゲーム」のようにお互いがお互いの国を守るために血眼の争いをしている。日本はそのなかで、アメリカの保護を受けずに世界のマーケットに入り込み戦う気概があるのであれば、もうそこまできている中国「元」に対抗すべく国際化を目指す戦略をとらなければならない。
一度失敗したのだけれど、もう一度挑戦する最後のチャンスが正に今である。あるいは、一ローカル通貨として本分を全うするのであれば、そういう戦略を頑なに守らなければならない。
また、あらゆる価値観を日本人として決定していくのがよいのか、「あいまい」に世界で器用に立ち回っていくのがよいのか。その答えをだすには私の能力ではまだ数年を要する。
日本を信じるのか世界に立ち向かうのか。これが問題だ。