国債・非常事態宣言 「3年以内の暴落」へのカウントダウン (朝日新書)
- 朝日新聞出版 (2011年9月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734143
作品紹介・あらすじ
ムーディーズジャパンで格付けアナリストを務めた経験を持つ著者が、国債と格付けの正しい関係、暴落のタイミング、そして虎の子の資産を防衛する方法を教える。
感想・レビュー・書評
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キャピタルマーケットの銀行・格付け機関といった主要プレイヤーの立場からJGB(日本国債)見てきた方によって書かれた、非常に分かりやすい入門書です。ニュース等でちゃんと日本国債関連の議論に付いて行っている人にとっては特に新しいものはないと思いますが、家計金融資産残高を公債残高を超える日は遠くない(この本の試算では2016年)、銀行が保有国債のデュレーションを短期化している、各種経済指標を保守的に見たシナリオ下では公債残高は増え続ける、デフレは財・工業製品を中心とした影響でありサービス価格は依然として高止まりしている、といった点を数字でわかりやすく表示しているのは参考になりました。
ただ、他の方も書いておりますが、タイトルも副題も内容とは乖離していてマーケティング上の都合で付けられたことが推測されるのが残念です。非常事態宣言でも3年以内の暴落についても何も記載はありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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国債の状況が分かった。日本の財政を一カ月分の家計に例えたら、月収40万円。経費総額77万円(内、家計費14万円。田舎への仕送り14万円。ローン元利払い18万円)。不足分(借金)37万円。ローン残高6661万円だって!日本国債が大丈夫の理由も、?日本が国であるから。?徴税権があるから。?日本国民が裕福であるから。?国内債だから。?対外純資産が莫大だから。それぞれを、本当のそうか?と検討している。第二章、第三章を読むとそら恐ろしくなるな。
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内容的にはありきたりの日本の借金の危機について書かれたものですが、新書で安く、そして読みやすい本なので、最初にこの問題について知りたい人には良い本だと思います。
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20140224〜0307 割と平易な文章で書いているので初心者向け。出たのは数年前だけど、この本に書かれている警告が今まさに生じようとしているかも。この手の本にありがちなあおり系の内容ではなく、財政状況を含めた国債の動向に注意喚起を促す本。
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国際と格付けにテーマを絞っているためとてもわかりやすく書かれています。
日本の国債が今どういう状況なのかをほんとに知りたい人にはとてもオススメです。
ただ結論として我々が何をすればいいのかと言う行動を変える要素は少ないので少し物足りないです。 -
格付け会社の元社員が書いた債務問題入門書。「一人でも多くの人に日本国債の問題を知って欲しくて書いた入門書的な本なので、ある程度知識のある人には物足りないかもしれない」と最初に書いてあったが、まさにその通りだった。。
コレは入門段階で読む本。タイミングを間違えた。
中盤の格付けの話は面白かったです。 -
日本国債のリスクについての分かりやすい解説書。
日本国債が大丈夫だと言われる理由がほとんど根拠薄弱だという
ことがよく分かる。
特に対外純債権国だから安心だとよく言われるが
それは裏を返せば日本は投資先として魅力がないということであり
実際に国債がいよいよ危ないとなった時に
その海外の資産が日本に戻ってくるなどと誰が思うだろうか?
むしろ逆にどんどん逃げ出すだろう。
ほとんど国内で消化されているというのも、国民資産が底を突くのは
時間の問題で、そうなれば外債を募集しなければならずリスクは高まるだろう。
財政再建を急がなければ遅かれ早かれ日本の財政は破綻するだろう。
我々に出来ることは常に政府のやることに目を光らせながら
万一の場合に備え、資産を分散するなどして対応しておくことぐらいだ。 -
冒頭でも、なるべく誰でもわかるように簡単に、専門用語抜きでと語られているように、経済に対する知識が高くない人でも読めるように書かれています。
特に国の財政の現状、中でも国債残務・税収・社会保障などに触れられている第1章は、ニュースで触れられてそれぞれを結びつけ、よりマクロな現状を把握したい人におすすめ。
具体的な数値を使い、また国の財政の○○兆円という数字から我々個人の世帯の支出入規模に話を置き換えたりと、努めて分かりやすくされています。
これからの経済がどうなるかは誰にもわからないと思うが、楽観論から悲観論まで、いろいろな考え方に触れる必要があると思う。
そのいくつかの意見の中に、入れておきたい1冊。
国の楽観的な計画・慎重な計画の2つに触れた上で、さらなる「最悪のシナリオ」を考えていきます。
まぁこれの信憑性は判断できないので、あくまでこういう意見もある、というくらいに留めておくのがよいかと。
また、ムーディーズで働かれていたというだけあり、ニュースでは結果しかわからないことの多い「格付け会社」の考え方や仕組みなどを垣間見ることもできます。