世界一のトイレ ウォシュレット開発物語 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 141
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734150

作品紹介・あらすじ

おしり洗いから、脱臭、ふたのオート開閉などのハイテク機能の数々は、「かゆいところに手が届く」「至れり尽くせり」「心配り」といった日本人ならではの繊細な感性と、徹底したものづくりの姿勢から誕生した。ガラパゴス的に開発されながら、なぜ世界で受け入れられていったのか。

感想・レビュー・書評

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  • とんでもなく熱い本だった。技術者魂を本にした感じ。プロジェクトXを長く、かつ自然にした感じ。そんな本だった。それはもうプロジェクトXではないのかもしれないが。

    もちろんのことだが、トイレについて大変勉強になった。というのはこれまで文化史的な内容が多かったので、現代のトイレ技師という視点からのアプローチは、これまで読んできたいくつかの書よりもまして、自身の生きる”現時点”とのつながりを感じやすかった。そう言う意味では本書を読む前と読んだあとのトイレへの接し方は変わらざるを得ないだろうと思う。形式的な意味ではなく、精神的な意味において。
    私たちが日々接する便器、もとい、トイレという空間を誰がどんな風にデザインしているのか、そしてそのデザインにどんな思いが関わっているのか、それを知ったとき、おそらくその空間はトイレであってトイレではなくなるのではないか。否、事実そうなのだ。トイレの進歩は以前のトイレの常識を打ち破ることで為されてきた。
    本書にはそんなことが書かれていた。

    今後、トイレはどう発展するのか、そこについても考察が書かれたいた。著者は「健康管理端末」としてのトイレ像を描いていたが、私は不覚にも別の未来を想像してしまった。それは、空間のないトイレである。つまり、おむつの発展といつか合流するのではないか、そんな想像をしてしまったのである。

    実際のところ、将来のことはわからない。でも、どんな形のトイレになったとしても、それは文化が許容したことであり、そこには尋常ではないプロフェッショナルたちの汗が滴っているのだ。
    本書から感じたのはそのことである。
    つまりこう言いたい。トイレは熱いと。

    あと、小林課長マジで熱いっす。

  • ウオシュレットはTOTOの商品名であり、一般的にはシャワートイレという。本書はだからTOTOの技術陣の奮闘の記録である。ぼくにとって、ウオシュレットのない生活は考えられない。今は、ホテル、旅館でもこれがないと客が来ないと言って備え付けるところが増えている。ところが、若い人は意外に使わない。我が家の娘たちもそうだ。学生に聞くと、あの水が怖いという。一旦その快適さを知ってしまえば、こんなにすばらしいものはないと思うのだが不思議だ。年配の男性の人たちの中には、あんなものを使っていると、自ら出そうという力をなくしてしまうと言って嫌う人もいる。これは食わず嫌いだ。たしかに、出にくいときは、これが促進力になることもある。しかし、依存症になることはない。ウオシュレットにはビデもついている。フランスといえばビデだが、最近はそれもだんだん使わなくなっていっているという。日本でもどれだけ使っているのだろう。これは疑問だ。本書はたしかに、ウオッシュレットの改造に対するあくなき追求は描かれているが、なぜ、欧米では普及しないかについて、それは電気製品が陶器の上についていることに対する抵抗感にあるというが、もっと文化的な、根本的な問題があるのではないか。そういうことも本当は書いてほしかった。

  • 日本のトイレはハイテクという話はよく聞く話なので、読んでみたかった本。著者はTOTOの開発者。
    給湯器の話からウォシュレットの開発、アメリカ赴任、更に新しいスタイルのトイレの開発など。ウォシュレットの開発苦労話は聞いたことがあるけど、本当にすごい。ハイテクとローテクが高い次元で組んだのがトイレなのだとわかります。また、「ノズルが舐められますか?」「おしり洗浄の水で目を洗えますか」などの女性の名言に唸ってしまいます。
    そしてTOTOのルーツ、六代森村市左衛門と福沢諭吉の「外国に流れた日本の金は外貨で取り戻す」。他の本で知っていましたが、やっぱりすごいことです

  • すっごくおもしろかった!TOTOの「文化を作り出す」という姿勢と、技術と製品の開発…感動。これはもう、新しい綺麗なくつろぎ空間的トイレで感激しながら読みたい。文章もおもしろくて、ふむふむ本と言うにはアツすぎる一冊だった…!

  •  一度読みたかった東陶さん関連の本。図書館で発見。ボリュームが倍あっても速攻で読めるくらいすっきりとした内容。かなり編集されている感があるが、無理することはなかったかとも思う。開発系はともするとマニアックに、また詳細になりがちなためか、かなり圧縮されてしまうようだが、気にせず細かくレポートのごとく記してもよいのでは。これくらい軽いタッチの文体なら、500pくらいあっても一日で読めるし。
     唐突な話題も妙に味があり、各種データが意外でおもしろい。男でも3分の2が用たし時の音を気にしているとか(ほんと?)実はトイレが生活用水で一番使用量が多いとかかなりびっくり。ためになった。

  • ウォシュレットの開発者の経験談。単なる道具ではなく文化を作るという発想、徹底的な諸費者目線、技術的なブレークスルー。日本のトイレの奥深さを教えてくれる一冊。惜しむらくは、一つひとつのエピソードをもっと掘り下げてもらうと深みが出るのではないか。やや表面を撫でた感がある。新書ゆえか。そういえば、コイン・パウエル著「リーダーを目指す人の心得」(飛鳥新社)の一節を思い出した。いわく、「最近の高級ホテルには日本製のなにやら複雑な暖房便座がついているが、あれは怖くて触れない。複雑なコントロールパネルがあって、(中略)怖くてとても試せないし、使う必要もないのではないかと思う。」---本書でも海外展開の苦労が語られているが、グローバル市場というのはなかなか難しいものだと思う。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/45.html

    下北沢B&Bの嶋浩一郎さんが家入レオさんへ向けてプレゼンした1冊。
    『家入さんのインタビューを読んでですね、家入さんはロックの旋律の中に、歌謡曲の要素がミックスされるとすごく良いというのをお話されていて、日本人てその西洋のものに日本のものをミックスする天才だなと思ってまして。その最高峰と言ったら何だろうと考えたところ、ウォシュレットなんじゃないかと思い、選びました。』(下北沢B&B 嶋浩一郎さん)

    残念ながら、結果は惜敗!家入レオさんの今読みたい本には選ばれませんでした。。


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • ☆3:面白かったー。ウォシュレットのみならず、便器自体がこんなに進化してたなんて。この前読んだSuica開発者の本もだけど、日本的職人技術の話はグッときますな。カップラーメンミュージアムも安藤百福さんヒストリーが一番面白かったし。

  • 企業での開発において,熱意が重要であることを感じることができる.著者が自ら苦労したことだからこそ,文章からも熱意が伝わる.

    トイレにおいては,個人個人の使い方に違いがあり,また,グローバル展開においては,その違いは文化レベルでの違いに広がる.このような市場で地位を得るのは技術者としても大変なことだろう.

  • 文章はすこし堅苦しいですが,私もその一人の理系人間(工学技術者)の仕事を知ることのできる一冊です.

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