- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734303
感想・レビュー・書評
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読み進めながら、隣に次に読む本が積み上げられていくような本。読みたい本がどっさり増えてしまった。
瀬名秀明さんの書評は優しい。本を書いた側にもこれから読む側にも優しい。その本のいいところ、面白い読み方を必ず見つけてくれる。書評に限らず、レビューってそうあるべきじゃないか。
もちろんくそみそにけなしたくなる作品だってあるし、そういうものに評価をつけなきゃいけない仕事もあるだろうけど、でも誰かに何かを紹介するなら、それの面白いところを伝えるべきだ。そうじゃなきゃ面白くない。
瀬名さんの文章は本の出来不出来にも触れる。でもここはこの本にしかない面白さで、しかも必ず読め、それもこう読めとは言わないからいい。気になったらめくってみて、わからなかったら本棚の隅に置いておけば、そのうち読める日がくる。心に余裕のある、いい読書の仕方。
次に何を読もうかと迷ったらぜひ手に取りたい本。これを読めばたぶんもう迷わない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学に関する本を幅広く紹介してて、何冊か読んでみたいと思った本がありました。残念なことに付箋を貼るなどのチェックをし損ねてしまったので、あとでもう一回ざっくり読んで整理しようと思います。それにしても本当幅広く読んでらっしゃる……!
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瀬名秀明や海部宣男のような理系書評家がもっとふえてほしい。
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この本とってもよかったです。
科学書の書評集なんだけど、とにかく読んでいると読みたくなる本がたっくさん。
ドッグイヤーをしていったら、気づけばほぼすべてのページの角を折ってました。読み終わったときは角っこが異様に分厚くなってしまった。
この本なにがよいかというと、読むべきベストセラーとか名著100とかそういう感じじゃないんです。
著者の瀬名秀明さんが科学書を読んでほんとによいと思った本を紹介してくれているんだと思います。
それは前書きにも明記されています。
中身もいいんだけど、わたしがとても良いとおもったのは、前書きでした。
「日本では進路を決めるとき、理系・文系というわけかたをするけど(中略)本書があなたに伝えたいのは、科学実験が好きで、読書が好きな人生なんてすばらしいじゃないか、ということなのです。」
このくだりを読んだとき、絶対この本は自分が読むべき本だと直感しました。
女だけど地図は読めるし、配線得意だし、数学大好きなうえに、読書も音楽も好きです。どうして日本じゃそれをうさんくさがられるのだろうといつも思っていたから。
理系・文系分けられないことを感じてる人なんて、この社会にたくさんいるでしょ。それをこんな風にゆるく明言してくれるなんてとっても心地よかったです。
もう一つは、「本のページを閉じたとき、世界はもとに戻るのではなく、むしろ変化してみえることでしょう。」というくだりが前書きにあります。
こういう読書をたくさんしていきたい。
マニアックな本でもいいから、旅に行けるような、目が開くような、そんな本に出会いたい。
そんな本たちに出会わせてくれるすばらしい書評でした。 -
薬剤師免許を持つSF作家という異才の人、瀬名氏。この人の小説を読んだことはないんですが、どっかで科学の本に関する書評を見たことがあって、それ以来、なんとなーく気になっていた方です。
これはそんな瀬名氏による、科学に関する様々な本の書評を集めたものです。新聞や雑誌に載せたものを再録しているという形なので、基本的には「面白くなかった本」というのは紹介されてません。一応、論の掘り下げ不足などが見られる本については注文をつけたりしてますが。
科学と言っても範囲は広く、専門の薬学や関心が深いと思われる宇宙に関する本はもちろんのこと、生物学や物理学、地学などもざーっと網羅されてます。新書サイズであることと、元の書評が短い(新聞掲載を考えると仕方ないところですが)ことから、一冊あたりの紹介の度合いが薄いのが少し残念。ということで、☆は3つ止まりかな。
とは言え、面白そうな本はかなりたくさん紹介されてます。科学というざっくり広い分野に関心はあるものの何処から入ったらいいか分からない人にとっては好い指針の一つとなるでしょうし、中学生ぐらいまでのお子さんがいる方なら、子どもと一緒にこの本を読んで関心のある分野を見つけてみるのも面白いかも知れません。 -
いかん。
こんな本読んじゃうと、読みたい本がどんどん増える~。 -
硬軟織り交ぜて、うまく興味をそそるように書いてるなあ。
うーん、読まねばならぬ本がまた増えてしまった・・・・・・。 -
科学の本に特化した書評本。ぼくは科学本は大好きなので、これから読む本の目星をつけるために大変役に立った。
ただし、書評のほうはいまいち。もったいぶった言い回しが多くて、何が言いたいのかよくわからないことがしばしば。宮崎駿の「本へのとびら」のような詩情と風格には遠かった。 -
ソーシャルメディアに感想なんて書かなくていいんだ、独りでひっそりでいいから、すぐに絶版になってしまう科学書をはやく保護して楽しもう、という本。出版からちょっとだけ時間が経ってしまったので、絶滅種が増えているかもしれません。
この本の毒の無さ、と言うといやらしいですね、よいものをすすめようとする真っ直ぐな気持ちに、恥ずかしながら心洗われるようでした。
中学生ぐらい向けの科学書は妙に面白いと、いつも思っています。ゆえに紹介されているものも既読の本も多いのですが、その紹介を見ても我が意を得たり、という幸せな気分になるし、だからこそ、他のピックアップされた本も間違いがないのだろうと思います。一方的ではあるけど、著者と意気投合。 -
なんで、こんなに面白いブックトーク本を新書で出しちゃうのか。
なんで、図書館では[400](自然科学)の棚に、この本を置いているのか。
2011年出版の本に、今までまったく気づきませんでした。
大好きなのに、瀬名秀明。
瀬名秀明による、科学に関する本の書評(主に中学生に向けて書かれたもの)を、1冊に纏めた本です。紹介されてる科学本(100冊超!)を、片端から読みたくなります。
生物、化学、数学、ロボット、哲学、疫学、宇宙論。
なんかもっと色々書いてあったけど、とても覚えきれないんで、この本買います。
巻末にはジュンク堂書店員による「科学の栞」、つまり本書に対する書評も。粋な書き方なんですよ。
紹介されてる本を書いた人々のことを、僕は全然知りませんでしたので。彼らに共感を抱くことは出来ずとも、瀬名秀明の語りによって、彼らに強烈に感情移入させられました。
あぁ、もう辛抱たまらん!ちょっと本屋に行ってきます!!
って、なります。書店に無ければ図書館で予約です。