偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734402

作品紹介・あらすじ

学歴差別は、就活において最大のタブーのひとつ。本音とタテマエが違うことは、誰もがわかっているのに、ふれようとしない。本書は、そこにあえて切り込み、「就職に強い大学・学部とは何か?」の本質に迫る!偏差値や知名度だけで大学を選んで後悔しないために。就活時期を迎えた大学生は、赤裸々な現実を見つめるために。受験生、保護者、就活生、学校関係者も必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 近年の就職難の本質は、大学生が増えたことにあると指摘し、就職において厳然とある学歴(学校歴)差別や学部差別、女子差別をデータをもとに明らかにしている。
    著名大学の実際のデータを使った分析は興味深く、下位大学になればなるほど、金融系に頼る就職実績となっているといった指摘は目から鱗だった。
    ただ、著者が、人気ランキング上位の大企業の総合職で採用されること=就職での勝利という前提で論を進めていることには違和感を持った。学生皆がそのような大企業を目指しているわけではないし、そのような大企業に入ること自体に価値があるわけではないだろう。とりわけ地方圏にある大学なら、首都圏にある大企業はそもそも選択の範囲外の場合が大石、や文学部や理学部などの学部なら人気ランキングにない企業や職種への志望(文学部なら、出版社や教師、学芸員など)のほうが多いことは容易に想像がつく。まあ、確かに人気ランキング上位の大企業というのは、分析の対象としてわかりやすいとは思うのだが。

  • タイトルと内容が正確には一致しないが、就職と大学の関連性についてまとめた本としては良書。
    ざっとまとめてみた。

    ①大学は少子化による学生数減を女子の進学率で埋めてきた。(女子ウケの良い学部を増やした。)

    ②就職できない大学生が増えた理由は、大学自体が増えて、大学生が増えたためである。

    ③さらに、AO入試等による基礎学力のない「名ばかり大学生」が増えた。それらをふるい落とすために学歴スクリーニングが存在する。(特に人気企業に応募が集中するため致し方ない。)
    また、昔は大学のコネ就職が多かったが、現在はネットで誰でも応募できるため、ふるい落とす必要性が増す。


    ④大学の発表する就職率は詐欺に近い。お上が統一のルールを設定すべき。

    ⑤文学部は人気企業への就職には不利だが、全体の数で言うと他学部と変わらない。それは女子比率の高さも起因する。

    ⑥女子の就職差別は悪意ではなく、育児休職や夫の転勤等のリスクにより発生する。

    ⑦企業の外国人採用は1割程度に固定される。

    ⑧6~7割が中小企業で働いているという事実を認識すべき。

    借りて読んでみたが、購入して手元に置いておきたい。

  • さらっと読める割に色々示唆があった。

  • 2014年2冊目「就職に強い大学・学部」読了。

    古本がなかったので諦めていたが、図書館に頼んだら購入してくれたので早速読んでみた。

    タイトルからは就職に強い大学や学部を紹介してくれそうな気がしたが、内容は、有名大学であっても人気100社には殆ど入れないということをデータを元に示しているという感じ。就職の現状を理解する上で十分に読み応えがあった

    印象に残ったのは

    「有名大学(早慶など)であっても人気100社に入れるのは2割」
    「就職市場の構造は圧倒的多数が、中堅中小企業に就職する」

    という内容。大学を選ぶのも、企業を選ぶのも、現実をよく知った上でやらないと「大学のせい…」「企業のせい…」「世の中のせい…」と泣くはめになりそうだ。

    学びたいことを学び、なりたいものになるのが難しい世の中では、現状(学部差別、学歴差別、男女差別)をよく知った上で自分の方向性(身の振り方)を早めに決めることが重要かもしれない。

  • (2013/11/15読了)いわゆる「誰もが名前を知ってる人気企業」は、全大学卒業生の約5%しか入れない狭き門で、しかも金融(銀行とか)が圧倒的に人数が多く、金融以外の人気企業に入るのは至難の技。分相応の就職活動をしましょうね、という話ですな。

  • 旧帝大と早慶上智などの卒業生が1年に4万人だが、人気100社の採用が2.6万人だから、有名大学を出ても人気企業には就職できない。
    文学部は就職に不利なんて当たり前の議論を展開されても面白くない。そもそも文学部で就職するなんて絶望的なのだから。ところが、そこから大逆転があるから人生は面白い。

  • 海老原嗣生の本を初めて読んだ。
    データをきちんと集め、一つひとつ検証しながら、ウソをあばいていく。
    「就職氷河」の理由は、以下の2点。
    ①大学生が増えすぎたこと
    大卒の採用は増えたが、大学生自体の増加率に追いつかない。
    ②大手人気企業を目指す風潮
    マスコミや金融といった大手人気企業を目指す就活の風潮が、中小企業と学生のミスマッチを生んでいる。社会人の7割は中小企業で働いている。しかし、大卒の6割しか中小企業に就職しない。この差額の1割が就職氷河になっている。
    さらに、一般論で言われることで、目からうろこだったこと2つは、
    ①採用は通年化するべきではない
    採用を通年化すると、いつまでも大企業が採用を続け、学生が中小企業に目を向ける機会が減る。そのため、採用は通年化するべきではない。
    ②新卒一括採用は若者に優しいシステム
    欧米では、インターンなどを通して就職するが、この仕組みは、非正規雇用を生みやすい。すなわち、新卒一括採用のほうが正社員を得やすい。

  • 著者である海老原嗣生氏が,データに基づいて分析を行った上で議論を展開しています.ので,就職活動に関する現状をかなり的確に捉えていると思います.率直に申し上げると,記述に?と思う箇所がない訳ではないのですが,それを差し引いても良書だと思います.

    学生さんの「就活(シューカツ)(この略語の不自然に軽い響きは,実態をまるで反映していないので個人的には嫌いですが)」は,かなり奥の深い重要なテーマだと考えます.

  • 現在が就職氷河期と言われる所以、学歴差別や女子差別の実態、外国人留学生採用の裏側など、各種データによる鋭い分析で解説されています。これは業界人として非常にためになる本です。

  • ≪目次≫
    はじめに
    第1章  就職氷河期と就職差別の構造
      なぜ、「就職できない大学生」が増えたのか?
      「誰でも大学生化」と「女子大生の増加」で採用が混乱
      採用市場の構造を見れば、学歴差別は必然
    第2章  実際、「大学」でどう差別されているのか?
      採用プロセスと学歴スクリーニング
      データで徹底比較!赤裸々すぎる就職率
    第3章  やっぱりある「学部別」の差別の真相
      数字に歴然と表れた「学部」の差別
      「新設学部は就職に不利」は本当か?
    第4章  見えにくい「女子」の就職差別を暴く
      人気企業は「総合職女性」の採用が少ない
      大学選びと同時に知っておきたい就職の現実
      女子の大学選びは、どうあるべきか
    第5章  大学の「就職率」は信じられるか?
      行政と大学で進む就職率操作の実態
      「就職率」を信じて志望を決めてはいけない
      大学から就職を取ったら何が残るのか
    第6章  東大秋入学ーそして「日本人差別」が始まる
      東大秋入学は、大学入試と新卒採用をどう変えるのか?
      「終わった産業」にしがみつく間に、脅かされる「明日の産業」
    おわりに

    ≪内容≫
    知っていたことではあるが、データを基にきちんと分析をしている。書いてあることは、事実として踏まえなければならない。
    しかし、ならば、と発想を変えていこう。書いてある通り、二流大学でも狙うべき企業群を示してくれているし、高校生なら、どのような視点で大学選びをすればいいか、明示されているのだから。

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト
1964年生まれ。リクルートグループで20年間以上、雇用の現場を見てきた経験から、雇用・労働の分野には驚くほど多くのウソが常識としてまかり通っていることを指摘し、本来扱うべき“本当の問題”とその解決策を提言し続けている「人事・雇用のカリスマ」。2008年に立ち上げた人材コンサルティング会社・ニッチモの代表取締役を務めながら、リクルートエージェント社のフェロー(客員社員)第1号としても活躍し、同社発行の人事・経営専門誌「HR mics」の編集長を務める。常識や通説、固定概念を疑うことを習慣とし、時間をかけて物事の本質に迫り、解を出すことを信条にしている。代表作に『仕事をしたつもり』(星海社)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(プレジデント社)。

「2017年 『クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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