- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734457
感想・レビュー・書評
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第四の消費
共感する部分がとても多い。簡単に「モノよりコト」と言うが、なぜそういう消費志向になったかを歴史をたどって解析してくれている。
ただ、シェアは単にお金がないから所有できないだけでは?とも思う。
自分も車は持っていないが、お金があればシェアではなく、ぜひとも所有したい。
・団塊世代は第二の消費世代なので、もっと大きなものを界、私有することが幸せだという価値観が心に刷り込まれている。
・団塊世代と新人類世代は全く異なる特徴を持った世代だが、物質主義的な傾向が強いというところは共通している。
・第四の消費世代の健康志向は、人生全体を見なおさないと健康は得られないという思い
・新しいものをつくらなくても、古いものだけで消費者が十分満足する時代(大衆文化のストック化)
・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちひとつを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。
同時に彼らは「人と違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、
「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなる。
・欲求の基本的な源泉は不足である。食べ物が多様に大量に目の前に存在し、それを自由に選択できるにもかかわらず、
むしろそれだからこそ、かえって食べることが面倒になっている。
・モノを持っていることの満足ではなく、情報を知っていて、それを他と分かち合う利他主義的な満足(モノ<コト)。ある意味社会志向。
・転勤族の子どもが多い世代になると、生まれた地域、育った地域によって自分の性格が形成されたという意識が弱い。
いわば「故郷喪失」の世代。そういう世代はだいたい1960年代生まれから増えるが、彼らにとって共通の故郷はどこかといえば
「日本」ということになり、こうしたことが、若い世代に日本への愛を生み出す背景にあると思われる。
・2035年 20代1046万人 65-89歳3293万人 若者1人に対して高齢者3人
・我々は第二第三の消費社会において、あまりにもお金がなければ生きていけない社会を作ってしまった。
そのことへの反省が第四の消費社会の基調低音をなしていると言えるだろう。
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第四の消費 つながりを生み出す社会へ (朝日新書)
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三浦展氏の最近の著書は失礼ながら当たりはずれがありますが、本書はよくまとまっていて、論旨も明快だと思います。「下流社会」並みのヒットになる予感も。
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三浦展さんの「第四の消費 つながりを生み出す社会へ」、2012、4発行、楽しく読了しました。消費社会を展望したものです。著者の区分は、第一の消費社会(1912~1941)第二(1945~1974)第三(1975~2004)第四(2005~2034)となってます。第二~第三の5つの変化:家族から個人、物からサービス、量から質、理性(便利さ)から感性(自分らしさ)、専業主婦から働く女性。第三~第四の変化:個人志向から社会志向、私有からシェア、ブランドからシンプル・カジュアル、欧米・都会から日本・地方志向へ。
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人は誰でも消費をしますが、消費は人の行動の一部でしかない。
だから、消費行動を分析するには、人の全体を知る必要があります。
人の全体を知るには人を取り巻く社会や都市を知らないといけないし、社会や都市の歴史、変遷も知らねばならない。
この文脈、使える。 -
『下流社会』で三浦展が、戦前から現在までを分けて、現在は第4の消費時代と分析する一冊。
戦前からの分析を丹念にしており、その部分は勉強になった。 -
非常に読みやすい。これからのマーケティングの一助になるのでは。まぁ、本は3年前のものなので、すでに広がってる部分もあるけど。
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・ 戦後の豊かさイメージが所有の豊かさだったとすると、そのハビングが飽和状態になったところで、人々は持つことではなく、いかにあるべきか、ビーイングということに、自分だけの、あるいは自分らしい豊かさを求めざるを得なくなった
・ どうとでも使ってくれ、とモノが語りかけてくるとき、それじゃあどう使ってやろうかというイマジネーションがわくのである -
メニムのような先がわからない物語を読んでいると不安になるので
このような歴史をたどった本を間に挟んで読むのがよかったです
作者は、パルコ系のアクロスに携わっていた方
自分は、アクロス…覚えてない(;^^)ゞ
宣伝会議は、チェックしてたんだけどな
最初の章で消費社会の流れを振り返りました
自分が生きた時代は、おーキタキタって感じ
作者の個人的な経緯が見え隠れするのも面白かったです
これからのキーワードは、大きさや豪華さじゃない
「人とのつながり」
これが、地方につながっていくかは分からないけど
自分も物を買うときは
ストーリーがほしくなってきているから
そういう流れになってきているんだな、と実感
山崎正和「やわらかい個人主義の誕生」
当時人に薦められて読んだ本
貸してもらったので手元に無いのが惜しいけど
現在を予言していたかと思うとすごい本だったんだな~
山崎亮 芸大の先生
京都造形芸術大学