穏やかな死に医療はいらない (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 93
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734891

作品紹介・あらすじ

点滴、酸素吸入、胃ろう、抗がん剤…。あの治療は、本当に必要だったのだろうか?外科医を辞めた在宅緩和ケア医が語る幸せな死に方。

感想・レビュー・書評

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  • 「緩和ケア」という言葉、その意味を完全に理解してる医者が
    どのくらいのパーセンテージいるだろうか?
    「棺桶や」と影で揶揄する言葉も聞こえるという。

    人は生まれてからは、一瞬づつ死に向かうのは
    誰でも同じ。
    ましてや、大きな病を得た患者本人にとって
    残りの人生がどれだけの時間があろうと、
    自分らしく生き抜きたいと思うのは、自然なこと。

    がんを患い、手術で切除し、抗がん剤投与の医療が
    一番多いのではないか?
    抗がん剤治療は、もちろん効果もある。
    どのくらい効果があって、どのくらい続けるのが良いのであろうか?

    抗がん剤は、副作用が大きく体に及ぼすマイナス面も多い。
    なにしろもともと自分の細胞で自分の体の一部であったものが
    ガン細胞となり悪さをする。
    それを、やっつけるのが抗がん剤だが、ガン細胞だけにとどまらず
    自分の正常な細胞も傷つける。

    体の中が「戦争状態!」なのだ。
    戦争で疲弊し、傷ついた体。続けていけばますます傷つくのは想像しやすい。

    著者は、まず「ひと月の抗がん剤治療」を目安とするという。
    それで思う効果が得られない場合、緩和ケアに移行し
    その人らしく穏やかな時間を過ごし、
    働きたい人には、最後までその人に合わせて働くこともできるという。
    そして、自分らしく生きたとき、
    余命診断も当たらないことが多いという。

    病院ではがん患者の退院、緩和ケアへの移行を嫌がる。
    『こんな状態では退院させられない』と言います。

    ある意味、死ぬまで治療は続くのです。

    それも治療して、元どおり健康な状態になるのか?と言われれば
    誰もそんなことは言わない、言えない。
    また、緩和ケアに移行したい家族に紹介を頼まれると
    『ご家族からそちらを紹介してくれと言われたのだが
    まだ”そんな状態”じゃないから、大丈夫ですよ、といったんだよ』
    という医者も。
    何も理解されてはいないのだ。
    『そんな状態』というのは、まだまだ死んではいないので、
    薬を投与できる状態、生きている、、と、いうわけだ。

    病院の医者は、終末期の患者が不必要な医療をやめて
    家に帰った後の状態は想像もできないし、見てもいないから
    何も理解できない。

    死ぬまで、ただただ治療と言う名の施術をするだけなのだ。

    また、中に著者が、余命1ヶ月と言われた場合
    拒否する『治療』も詳しく解説付きで、出ている。

    また、不必要な治療の弊害、ない場合の利点も書かれている。

    せめて、自分の死に方を考えるためにも
    一度読んで見てはいかがであろうか?

  • 週末治療について書いた一冊。

    余命いくばくもない老人に対して、無理な治療よりも緩和ケアの方が大事だということがよくわかった。

  • 萬田緑平 著「穏やかな死に医療はいらない」、2013.2発行です。著者は1964年生まれ、群馬大学医学部を卒業し群馬大学附属病院の外科医で勤務の後、2008年、緩和ケア診療所の医師になったそうです。病院医師には老衰死、自然死という発想はなく、フルコースの延命治療になりがちだと。上手に枯れて穏やかに死ぬ(PPKではなく、ゆっくり・じんわりコロリで)なら「老衰モード」に限ると。そして、本人にとって最重要問題は突き詰めると「動けるか、動けないか」に辿り着くと。運動習慣、大事ですね!

  • 医療者には絶対読んでほしいですし、私自身、こちらの本に出会えて良かったです。
    急性期病院は、戦う場所です。それはよくわかりますが、そこに心を含めた「身体」を本当に治そうとしてくれる医療者はいるのか、いつも疑問に感じますし、自問しています。高齢者が大半を占めている病院が多く、医療費削減のための在宅支援と言うのがお国の本音でしょう。そうではなく、病と共存し折り合いをつけながら生きる方法や場所をこれからの在宅には必要で、萬田先生のような医者が増えることを願います。
    一般人には、小難しく感じる医学用語も、意味が書かれてかあるので、治療内容を知ってもらい、選択してもらいたいです。

  • どんな人間にも必ず訪れる死というもの。終末医療の在り方もこの20年位で随分かわってきたんだと思います。私自身は延命治療は望みませんし、最後は出来れば自宅でぽっくりいきたいですね。自分の人生最期に向けたプランは元気なうちにある程度は考えておいたほうが良いのかもしれませんね。

  • 父が食道がんで「余命数ヶ月から1年」と言われて入院してもう3ヶ月が経ちました。延命治療は父も望んでいないだろうけど「家で看取る」というのはなかなかハードル高いです。でもこの本を読んで「最後の最後は家に帰らせてあげたい」と強く思いました。出会って良かったなと思えた1冊です。

  • こんな最後を迎えられたら、本人も家族も幸せです。でも、実際は本人が納得してもご家族の想いは違うことが多いです。対話を繰り返し、本人を取り巻く周りの方が納得するにはまだまだ課題は山積みです。今回はこういう死に方もあるんだなぁ。くらいに留め、次は良いことばかりでなく、行き詰まった時にどう対話していくかなど具体的なお話も書いていただきたいです。

  • 2015/06/01

  • 萬田先生は次のような視点が緩和ケアで大事とかんがえていらっしゃいます。
    ① ベッドサイドに通うこと
    ② 身体でなく心を診ること
    ③ 「死」という言葉を患者さんに伝えること
    ④ 患者さんの涙から逃げないこと
    ⑤ 涙を乗りこえた患者さんは、幸せな死を迎える強さをもてること
    患者さんの心に寄り添うことからすべてが始まるということですね。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11914929497.html

  • 自宅で看取る医療を実践している著者。
    自宅で亡くなる方の穏やかな最期について知ると、自分の最期もこのように迎えたいと思った。
    何度も泣きました。

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著者プロフィール

群馬大学医学部卒業。「緩和ケア診療所・いっぽ」所属。著書に「穏やかな死に医療はいらない」(朝日新書)。

「2013年 『家に帰ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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