- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022735256
作品紹介・あらすじ
【社会科学/経済】ロングセラー『超簡単 お金の運用術』に、10月から口座開設が始まる税制優遇制度・NISAにも対応した運用術と、アベノミクスとバブルの解説を加え、内容を全面的にアップデート。初心者でも激動の市場で確実に勝てるコツが満載。
感想・レビュー・書評
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10年以上前の本なのでNISAの制度や紹介されている投資商品などは最新のものを読む必要があるが、著者の基本的なスタンスは一貫していると感じているので、お金の教科書として今後も頭に入れておきたいと思う。
山崎さんの辛辣なようで、でも誠実で説得力のある語り口は読んでいて気持ちが良いなと改めて感じた一冊。
[覚えておきたい事]
☆無難なお金の運用法
・生活費3ヶ月程度は普通預金に。
・残りはリスク運用マネーと無リスク運用マネーに。リスク運用マネーは無リスク運用マネーより平均すると5%利回りが高いが、最悪1年で3分の1失われる可能性があると考えて金額を割り当てる。
・無リスク運用マネーは個人向け国債(変動金利10年満期タイプ)でもつ。銀行預金でも良いが外貨預金はダメ。
・大きな支出の必要が生じたら躊躇なく部分解約する。
・NISAや確定拠出年金を最大限利用する。
☆個人向け国債(変動10年型)の長所は、銀行預金より信用リスクが低い事と、国債暴落(=長期金利の急上昇)に強い事。
☆自分の買値にこだわらず、その時の価格だけに基づいて売却の可否を決定する。たまたまの結果を「残念に思う」のは仕方ないが「後悔する」のは無意味。
☆運用の前に稼ぎが1番大切。次に節約と貯蓄の習慣。生命保険、医療保険は不要。借金しない。
☆真のプロは本当に儲かる話を他人に教えない。
☆外国為替市場やアクティブファンドは遊びと割り切って行うべきもの。
☆一般的に若い人は金融資産の中で大きな比率でリスクをとっていいと言われる理由は、「長期投資だとリスクが縮小するから」ではなく「人的資本を考えると、資産運用で取るリスクが相対的に小さいから」。高齢者は人的資本の価値は落ちるがライアビリティ(将来必要な支払い義務の大きさ)は小さいのでその分リスクを取れる。
☆株価と為替レートと長期金利を毎日見る癖をつけよう。まずはPERを理解しよう。決算発表は、予想と予想を比べよう。
☆ギャンブルでは儲からないが、真剣に頭を使う事と、世の中には思い通りにならないことがあると実感を伴って学ぶことが出来るという利点がある。
☆お金で避けられる不幸やお金で拡大できる自由は多々あるが、お金だけで幸せになれるわけではない。勝っても負けても「たかだかお金の話」。
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本書は資産運用を専門とする経済評論家である山崎元氏が、実際の投資信託等の商品名を上げてお金を運用する方法を説明した本です
結論から言えば「手数料の高いアクティブ・ファンドはダメ、毎月分配型投資信託はもちろんダメ、銀行はNISA口座開設には不適当、生命保険はほとんど不要、FPにも警戒が必要」(「おわりに」より)ということです
では具体的にどのようにすればよいかは明確です
手数料の安いインデックス投資を行うのがよい、と言っています
具体的には、
・TOPIX連動型上場投資信託(ETF)
・SMTグローバル株式インデックスオープン
・個人向け国債(変動金利10年型)
・MRF
を買っておけば、「まあまあベスト」にはなるらしい(ときちんと説明があります)
他にも、
・NISAは積立より早めに一括が有利
・過剰売買による手数料コスト増がパフォーマンス低下の原因
・投資の取り崩しは利益が出たからとかではなく必要なときに取り崩せばよい
とかけっこう役に立ちそうなことがいろいろ書いてあって良い本でした
【引用】
・本書の読者には、こうした商品への「愚かな投資」を避けて欲しい。「うまい話」を見つける能力よりも、「明らかな損」や「怪しい話」を見分ける能力こそが、マネー・リテラシーの本質だ。
・NISA投資の四原則
原則その一、NISA枠は最大限に使う
原則その二、NISAではリターンの高い資産の運用に利用する
原則その三、NISAではバランス良く分散投資した商品を選ぶ
原則その四、NISAは低コストで運用する
・さて「当面デフレ、次はインフレも」という認識ならば、良さそうな戦略は、①借金はしない(または返済する)、②不動産は買わない、③預金は短期化する、④株を少しずつ買い始めよう、といった組み合わせが無難だろう。
・お金を人生の「目的」だと勘違いしない方がいい。ただし、「手段」としてのお金は、クールに合理的に扱うよう心がけよう。 -
超簡単!と名は売っているものの、内容はやや中級者向け。
簡単に言うと、
①当面生活に必要なお金(3ヶ月くらい)を銀行の普通預金に置く。
②残ったお金を「リスク運用マネー」と元本割れを想定せずに済む「無リスクマネー」に分割。
前者は後者よりも平均で5%くらい利回りが高いが、最悪の場合、1年で3分の1失われる可能性があると考えて、好きな金額もしくは残り金額を当てる。
③リスク運用マネーは、TOPIX連動型上場投資信託(コード番号1306、野村アセットマネジメントが設定・運用)とSMTグローバル株式インデックス・オープン(三井住友トラスト・アセットマネジメントが設定・運用)に半分ずつ投資
※ネット証券がおすめ
④無リスク運用マネーは個人向け国債(10年満期タイプ)またはMRF(マネー・リザーブ・ファンド)で持つ。或いは1人一行100万未満なら銀行預金で運用してもいい(但し外貨預金はだめ)
⑤大きな支出の必要が生じたら、「リスク運用マネー」或いは「無リスク運用マネー」のいずれかを躊躇なく部分解約してこれに充てる。
⑥NISA及びiDeCoを最大限に利用する。 -
面白かったし、為になった。
資産運用に関して具体的に何をすればいいのかをまず一章でハッキリと書いてくれるので、取っつきやすい。逆に、「する必要の無いこと」についても書かれているので、初心者には分かりやすい。
それから二章では、一章についての解説があり、三章では資産運用のサポートとなるNISAと確定拠出年金について触れている。四章では、お金や経済、あるいは資産運用全般に関する疑問や誤解について解説が為されている。
早速実践してみよう!と思える良書でした。
本としての難点は、経済的な知識が無いと少し難度が高いかもしれない。 -
読みやすい。なるほど参考になる!
楽天証券の社員さんが書いてるだけに、ネット証券押しだけど、それにすら
私は楽天証券の社員だからそういう人間がおススメしているということで、自社の宣伝の気持ちが多少なりとも入ってしまっているということもご理解ください。
と、正直に売りに走るわけじゃないけど、こういう人間が書いてるよ。
と、読者に知らせるところに、著者の正直な心が見えたようなきもするし、保険商品や、投資信託にはかなり使えないものあるから、銀行員の話を鵜呑みにするな!
っていうのもなんか頷ける。
もう一つ投資信託増やそうかなーと、思ってたとこだったので、いい話聞けた。そんな一冊です。 -
1章で、簡単運用法を基本型とリスク調整可能型の2種類提案、単純で具体的なので、その通りにしなくても考え方が学べる。2章で1章の根拠と運用の基本を説き、3章でお金に関するトピックを解説する。具体的で説得力がある良本。
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資産運用というと、小難しい専門用語や理論の展開で説明される本は多数あれど、著者が今考える最適解(better)な運用方法を説いた本だ。
著者の持論を中心に展開されており、具体的な商品名も記されているので、価値観の合う人は実践できる内容になっている。
何より著者の潔さが際立つ。とかく業界の内部事情など関係ない業種に転職するか、古い話を持ち出すかの暴露本が多い中で、著者が今現在の座標をしっかりと示し、ブレることがない。
この姿勢は見習うべき点である。 -
『ほったらかし投資術』以来。
あれを、できる限りやってみている。
その後、NISAやら、idecoやらが始まって、もう一度見直してみようと思って読んだ。
手数料が安い、仕組みの簡単な商品に、直接投資する。
これが基本のようだ。
今、職場に保険屋さんが来ている。
猛烈な勧誘を受けるけど、気持ちを強く持って断ろう! -
決定版!
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とても堅実な内容でためになる良書。
老人が握っている貯蓄を、市場(ただし国債に限る)に引っ張り出すのにいい本なんじゃないでしょうか。 -
非常に明確。正しさのみを根拠に世のほとんどをバサバサ切り捨てており、気持ち良いほど。ここまで本法論に具体的に踏み込んだものはなかったし、かなり信頼できる。勝つ者はいつも情報に近い者。マネー誌は広告料で成り立っているのでそこで紹介される金融商品のほとんどに優劣はないといったところなどは、世の中の全てには方向があり作為があるという当たり前の事実を再認識する。
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これまでのマネー運用本の99%は不要になる。世の中の運用商品の99%が購入の検討にすら値しない損な商品
老親に渡しておくと安心なお金の取扱説明書
証券コード1306 SMTグローバル株式インデックスオープン
個人向け国債→銀行は儲からない。
ネット証券のMRF
銀行の店頭の商品→手数料が高い。
自分の買値にこだわるな。
節約と貯蓄は習慣が大事→金持ちの友人でも余裕のない生活をしている場合がある。
生命保険に極力入らない。→高額療養費制度をネットで調べるべき
お金の運用は自分で学ぶ→プロは教えない。
二本の投資信託で内外の運用
外貨預金,外国債券→良い商品はない。世界最大のカジノ
アクティブファンド=大人の理解,遊びとして行うべき。
人的資本→生涯所得は2億円以上
NISA→最大限利用すべき。
確定拠出年金
日本の低成長→株価はすでに織り込み済み→株高もあり得る。
バブルのストーリー→借金をしても投資したい対象のストーリーや仕組みの登場に注意
長期金利に注目
貨幣錯視→物価上昇を無視して収入増→儲かった気分
将来に対する不安を喚起して商売→霊感の壺,財政赤字で国家破綻の嘘
毎月分配金→時間不整合,行動ファイナンスを応用した商品
自分の買値にこだわらない。絶対にこだわらない。
お金と幸せを混同するな。
外貨預金→手数料高い。ゼロサムゲーム。一番ダメな金融商品
不動産を買うことで失う自由度
保険の相談窓口に注意→保険会社から手数料で成り立っているだけ。
退職後に備えることも投資→40代半ばから副業→退職後の助走
アドバイザー→相談料を払うべき。
株価,為替レート,長期金利を毎日見る癖を付ける。
PERを理解する。→利益に対して株価が割安なのか?
四季報を過去のものと比較する。
プロの世界ではテクニカル分析は相手にされていない。
ギャンブルしない人間はつまらない→競馬,パチンコ,宝くじ -
タイトルに全くの偽りがなく、超簡単。
P.16-17の2ページだけを読めば、
理由はわからないのだが、
運用する術を学ぶことができる。
とは言え、2ページ読んですぐ実行できるのであれば、
読む必要も買う必要もない。
当然いろんな疑念が沸くと思うが、
それぞれ丁寧に回答してくれている。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
●超簡単 お金の運用法(P.16-17)
①生活費三カ月分程度を普通預金に置く。
②残ったお金をリスク運用、無リスク運用に回す。
③リスク運用は「TOPIX連動型上場投資信託」と
「SMTグローバル株式インデックスオープン」に、半々に投資する。
④無リスク運用は個人向け国債、またはMRFで運用。
以下⑤、⑥は略。
●「躊躇なく」解約して、お金の必要性に対応することだ。
(中略)
現時点で売買可能な価格が投資の判断の前提なのであって、
自分の過去の買値は判断に関係させない方が正しいのだが、
これができない人が多いのが現実だ。(P.36-37)
○売却によって確定したたまたまの結果を「残念に思う」のは仕方がないが、
「後悔する」のは無意味だ。
なぜなら、過去に自分が持っていた情報と判断力では、
これを改善することができなかったからだ。(P.38)
○株式投資に長期的かつ平均的に期待できる利回りは、
学者や実務家の多数の意見を採るとするなら、
金利プラス5~6%くらいだ。(P.51)
○ローンを返すということは「確実に得な、逃すことのできないチャンス」(P.171)
○プロの不動産屋が長く持とうとしない物件を豪華なチラシを作って、
営業マンを大勢動員してセールスして売るわけだから、
かなり大きな中抜きがあると疑ってみた方がいい。(P.177)
○世界の先進国の中でも、日本は、生命保険に掛けるお金が突出して多い。
しかい、民間の保険会社が提供する生命保険商品のほとんどは、
加入しない方がいい代物だ。
生命保険は不要だ、とまずは考えよう。老若に関係ない。(P.180) -
本当に役立っている。
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ズバリ書いてあってわかりやすかった。
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資産運用が専門ではない多くの人になるべく時間をかけずにだいたいそこそこの運用益(やらないよりはかなりの高確率で)を得るにはどうすれば良いかの実践を解説。
それぞれの運用手段にてどれほどリスクがあるか,自分の資産の中でどれだけリスクをとって良いかをちゃんと把握・考えた上でリスクありとしてのインデックス(国内・国外それぞれ)とリスクが限りなく低い債権・MRFにという感じ。
最初に結論をバーンと書いた上でその理由や補足・著者の視点でのNISAと確定拠出年金の取り扱い含めた投資への考え方等とても参考になった。 -
主張がはっきりしていて非常にシンプル。
ここまで言い切ってくれる方は珍しい。 -
著者は、なかなか肝が据わっているのではないでしょうか。物言いがはっきりしていて気持ちがいい。
そして、誠実な人なのだろうと感じる。
私自身、そこそこの年齢になり、手元にすこし余裕ができてきたことも手伝って投資でもと。甘かったようです。
危うく何も分からぬまま失うところでした。