江戸の幽明──東京境界めぐり (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 78
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022735881

作品紹介・あらすじ

どこまでが江戸の内なのだろう?江戸人となった著者が、御府内と郊外との境界線を探る旅に出た!将軍お膝元の日本橋では大店がならび殷賑をきわめるが、一方、信仰に賑わう目黒は国賊たちを祀る所でもあった。田園調布にムサシをベースとした多摩川文化を、明治神宮や哲学堂では古来の営みを感じ、板橋・練馬では著者の育った戦後の思い出がこもる。開国築地に着いて江戸一周は明治となり、朱引の内外を楽しむ紀行も大団円!

感想・レビュー・書評

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  • 平井呈一に関する文章がとても興味深く、良かったです。平井呈一に関する評伝とか出して欲しいです。

  • 2015/3/24

  • 昨日機中で読んだ本。
    アラマタ先生による東京「周縁部」散歩・案内。面白くない訳がない…というか深すぎ。
    勢い、氏による東京「中心部」案内である先行の2冊《江戸の快楽』『江戸の醍醐味』も読みたくなりましたが何と既に絶版。日本にいればAmazonマーケットプレイスで中古本を買うところなのですが…残念。

  • ・荒俣宏「江戸の幽冥ー東京境界めぐり」(朝日新書)は 荒俣流東京案内である。第一部は概説、第二部から東京めぐりである。その最初のあたりにかうある。江戸の境界を示す「朱引のうちとそとに不可思議で曖昧な江戸が成立してしまつたのである。ひよっとすると、江戸は中心部より郊外がおもしろいのかもしれない。」(105~106頁)所謂マージナルであらうか。 幽冥といひ、境界といひ、かういふことなのである。大体、荒俣は『江戸名所図会』を「お伴に持って行くのがよろしい。」(106~107頁)といふ。江戸 時代のガイドブックである。並みの人間の発想ではない。そんなわけで、名所図会に従つての東京めぐりが始まる。
    ・と書きはしたものの、私が最もおもしろいと思つたのは、実は、それではない。平井呈一のことである。荒俣が平井の弟子であるとは何度か読んだことがあつた。しかし詳細に触れたものはなく、師弟とはいふものの、正確にはいかなる関係にあつたのかと、ずつと気になつてゐた。それが本書にかなり詳しく書かれてゐたのである。もちろん本筋ではない。「長々とした身の上話」(407頁)と荒俣自身が書く、脱線と言へば脱線した内容である。ただし本文と全く無関係ではない。これは永井荷風から始まる。荷風のよく歩いた日本橋周辺を扱ふ第十五章「新川あたり 因縁の稲荷めぐり」は荷風の「来訪者」といふ中編を中心とする。この主人公、実は平井呈一がモデルなのである。平井と猪場毅が荷風の「偽作偽筆の無断販売という裏切り行為を行ったことを知り、荷風が怒りのあまりその事実を暴露するために書いた」(399頁)といふのであるから、平井には不名誉で「相当なダメージがあったに違いない。」(400頁)作品 である。荒俣はこの主人公と平井を比較しつつ、平井との関係を書いていく。平井と知り合つたのは、中学生の時に出したファンレターであつた。それに思ひがけなく返事が来たのだといふ。その後、何度か手紙のやりとりをし、大学生になつて、平井上京の折に会つたのだといふ。「若者だらけの喫茶店に突如、白髪を長く垂らした着流しのご老人が入店したため、店の中が一瞬静まり返ったのを覚えている。」(407頁)さすが、怪奇文学の大家といふべきか。これ以後、何 度も会つていろいろと教へを受けてきた。荒俣が泉鏡花と稲垣足穂を好きだと言つた時に、「『鏡花とか足穂じゃ、話にならねえよ。大したモンにゃなれねえな』」(409頁)と切って捨てられ」たといふ。それほど「平井は「自身の鑑賞眼には自信を持ち、また蔵書を愛した。」(408頁)人であつた。これ以後、更に伝記的な事項と、俳人としての平井の記述が続く。この中でのポイントは「二重性」であらうか。その一は「二重の家族」「二重暮らし」(414 頁)、二つの家族と生母と養母である。その二は俳句における二重性、若き平井は同語反復を好んだらしい。ただし、これが平井の人生の大きな意味を持つとしても、怪奇文学との関連に於いていかなる意味を持つのかについては、荒俣は触れてゐない。それでもこの部分は平井の評伝としておもしろく読める。平井呈一といふのはかういふ人であり、荒俣と平井はかういは関係であつたのかと思ふ。師弟といつても様々である。教室等で講義、教へを受けるばかりが師弟ではないのだと改めて思ふ。これだけでも本書を読む価値があるといふのは、あまりに個人的な嗜好かもしれないが、たまにはかういふのも良いものである。もちろん、 東京めぐりの書としても、荒俣の子供時代からの思ひ出等が随所に出てゐて、それが時代を表してゐたりするのでおもしろい。そんな書であつた。

  • 読了。

  • よく調べていると関心してしまう、

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著者プロフィール

1947年、東京都生まれ。作家、翻訳家、博物学者、幻想文学研究家として、多彩な執筆活動を行う。シリーズで350万部を超える代表作『帝都物語』(角川書店)で日本SF大賞受賞。『世界大博物図鑑』全7巻(平凡社)ではサントリー学芸賞を受賞。おもな監修・著書に『モノのはじまりえほん』(日本図書センター)、『日本まんが』全3巻(東海大学出版部)、『すごい人のすごい話』(イースト・プレス)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新聞出版)など多数。

「2018年 『しらべる・くらべる・おぼえるチカラが身につく! うんこ図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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