大軍都・東京を歩く (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 87
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022735928

作品紹介・あらすじ

【歴史地理/旅行】平和な首都・東京も、明治維新から昭和20年の終戦までは、世界でもまれにみる大軍都だった。現代の東京に残る“軍”の足跡を歩いてたどる本。散歩しながら明治-昭和初期の時代の流れもわかる!

感想・レビュー・書評

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  • 「天皇は軍に囲まれて住んでいた」という著者の興味関心が伝わってくる。戦前昭和は忌避されることが多いので、あえてそれにテーマを絞って解説しているのは貴重。

  • 日頃何気なく通りすぎていたあそこも、ここも昔は軍の施設だったんだなぁ~。
    公園の片隅に追いやられた石碑や、少しだけ残された煉瓦塀、今はベンチにしか見えない高射砲台……それらをうまく廻るコースが地図に展開されているのが面白い。

    歴史に思いを馳せ、今と未来のことを考えながら、本を片手に歩きたくなりました。

  • 2017/2/21都内の軍施設だから、歴史はあまり出てこないが写真も豊富で赤羽、十条付近も懐かしい。★4甘

  • 千代田と言えば皇居、桜田門と言えば警視庁、代々木と言えば
    共産党。そして、三宅坂と言えば参謀本部。でも、最近じゃ
    通じないのよね、これ。

    高層ビルが立ち並び、首都高速道路が走り、地下鉄が縦横に
    走る日本の首都・東京。しかし、明治から昭和初期にかけて
    は皇居を取り巻くように軍用地があった。

    そんな大軍都だった東京の、当時の遺構を訪ねて歩こうと
    いうのが本書である。「江戸歩き案内人」と称する著者
    だけあって、その土地の利用の歴史までに話が及んで
    いるのがいい。

    全9章のうち、地域で区分してある8章分にはそれぞれ地図が
    掲載されているので、本書を参考にしながら東京歩きが
    楽しめそう。

    北の丸公園が近衛師団の駐屯地であったとか、代々木が練兵
    場だったとか、六本木には今でも米軍基地がある…くらい
    は知っていた。

    しかし、今では都心の繁華街である青山に射撃場があった
    のは知らなかったな。

    そして北区図書館の建物が弾丸工場の建物をそのまま利用して
    いることにびっくり。外観ばかりか内装もほとんど弾丸工場と
    して使われていた頃のままだという。

    これは一度行ってみなくちゃ。公共施設で、誰でも利用できる
    場所だものね。

    修学旅行は海外なんて学校が多いけれど、もし私が今、高校生
    だったら海外へ行くよりもこういう歴史的(?)遺構を見て
    歩く方がいいわ。

    灯台下暗しじゃないけど、身近には知らないことがまだいっぱい
    あるんだよね。

    でも、大手町や丸の内は再開発が進んでいる。東京オリンピックでも
    新たな開発が始まるんだろうな。将門の首塚はそのまま残るよう
    だけれど、軍の遺構なんて次々に取り壊されて行くのだろうな。
    九段会館も取り壊し決定だしね。あの建物、もったいないなぁ。

  • 都内に残る日本軍の様々な施設跡を紹介。
    散策用のモデルコース地図付き

  • もうすでに70年が経過しているのにもかかわらず、未だ軍の痕跡が残っているのは驚きだ。むしろきちんと保存をしてほしいものである。東京だけで相当な面積の軍施設が過去に存在していたことも驚き。新しく敷かれた地下鉄がことごとく元・軍施設の下を通過している点もやはり気になる。

  • 感想未記入

  • 70年前まで東京は軍隊が闊歩していたのだ。
    そうか東京は軍都市だったんだな。

  • <目次>
    第1章  数々の歴史の舞台となった皇居ー千代田・丸
         の内など
    第2章  実戦部隊が集中する街ー赤坂・青山・芝など
    第3章  平和な公園に悲しみの歴史ー外苑前・代々木
         など
    第4章  武器製造の地だった文教地区ー水道橋・護国     寺など
    第5章  尾張徳川家の跡地は軍人学校にー市ヶ谷・早
         稲田など
    第6章  一大軍事工場として開発された城北ー板橋・
         赤羽
    第7章  陸軍と自衛隊、軍の今昔物語ー十条・王子
    第8章  閑静な住宅街に残る跡ー池尻大橋・駒場・三
         軒茶屋など
    第9章  おまけのショートコースー築地・中野・本所
         深川など

    <内容>
    東京お散歩コースは、近年江戸時代の古地図を元としたものが大ヒットしたが、明治~戦前の軍事施設にスポットを当てた本。こうした施設は戦後に「悪い思い出」として排除されたものが多く、何となく残ったものも21世紀に入ってあっという間に消えてしまったものが多い。「負の遺産」も歴史なので、世界遺産に浮かれるだけでなく(それは観光資源としてしか見てない昭和的思考の人々の性)こうしたものも資源としてきちんと残したいし、こうした本で啓蒙していくことが大事だろう。

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著者プロフィール

作家・江戸歩き案内人。各地の歴史の痕跡を、歩いて、探して見出すことにこだわっている。江戸・東京23区内に詳しいが、近年は全国の城下町紹介など地方にも力を入れている。執筆のみならず散策講師も年数十日務める。「おはよう日本」「タモリ倶楽部」「美の壺」などテレビ出演も多数。
主な著書に「新発見! 江戸城を歩く」「江戸の大名屋敷を歩く」「江戸の神社・お寺を歩く」(以上祥伝社新書)、「美しいNIPPONらしさの研究」(ビジネス社)。

「2024年 『日本百城下町 ゆったり街さんぽ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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