古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736062

感想・レビュー・書評

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  • 元ヤクルトの選手・監督を務めた古田敦也の野球を深く見る観戦術を指南した一冊。

    実績があるキャッチャーだけあって、わかりやすくかつ具体的で勉強になった。

  • ●オーバースローは、縦回転のスピンにより休息を感じるボールが投げられる。野茂や藤川。スライダーが縦に落ちる。メジャーではフォークボールよりチェンジアップ。1番多い投げ方はスリークオーター。コントロールの良いピッチャーが多くなる。サイドハンドスローは、ボールが上下に変化しにくくコントロールが良くなる。弱点はただの変化が少なくて休息が遅いから。しかし高津や塩崎などのようにシンカーをマスターすればすごい。中指と薬指の間に挟みながら投げる。アンダーハンドスローの欠点はモーションが大きいこと。クイックモーションで対応。
    ●左打ちの足の速いバッター(イチロー、青木)に対する守備は、どうしても内野手が前の方で回るので外野手と内野手の間に大きなスペースが生まれてしまう。
    ●バッターは日々どうしたら打てるかと試行錯誤し、微調整を繰り返します。そのかすかな違いにいかに気づけるか?これがキャッチャーの仕事の1つである。
    ●走るのが速くて肩が強い外野手はすごい外野手。イチローや新庄。特に新庄は、ツーストライクになった時に守備位置を大きく変えたりした。
    ●ピッチャーの遊離骨。子供の頃から投げ続けているので、上腕から肘から肩にかけて骨のどこかが欠けていってしまう。欠けた部分が普段は髄液によって自然にくっつきます。しかしそのかけた骨が離れていってしまうことがあります。そうすると今度は新しい骨ができてかけた骨は元に戻りません。踊る場所をなくした遊離骨は関節内をちょこちょこ動き回りながら残ってしまう。このネズミが肘の曲げ伸ばしをするところに挟まってしまうと、腕がロックされて急に動かなくなってしまいます。
    ●田中将大投手がした靭帯損傷になってくると厄介です。靭帯が切れた場合は自分の手首やお尻の靭帯を移植します。これはトミージョン手術と呼ばれるものです。和田。

  • ヤクルトスワローズで長年にわたって捕手として活躍し、プロ野球界を代表する選手のひとりである古田敦也氏がプロ野球の観方を自身の観点を交えて解説した一冊。

    投手、打者、守備、監督と4つのカテゴリーを球界でも屈指の名選手として挙げられる氏の解説は大変参考になることが多いものでした。
    読んでいて、配球や守備シフトなどはデータによる傾向などから緻密に計算されていることを知り、これからプロ野球を観戦する際のワンプレーに注目する視点が生まれました。
    アマチュアとプロとの違いを指摘されている部分も多くありそちらも参考になりました。
    特に守備のシフトの部分に関しては球場でしか味わえない醍醐味であり興味深いものでした。

    普段何気なく観戦しているプロ野球の奥深い世界を知るとともに選手がここまでのことを考えてプレイしていることに感嘆した一冊でした。

  • プロ野球ファンの歴史はのべ15年くらい?の私でも知らない沢山の事が分かって面白い。電子書籍で買おうかな。古田はやく球界に戻ってきて~。

  • ワンランク上の観戦方法を紹介した本。
    ピッチャーの観方、バッターの観方、守備の観方、監督の戦術の観方の4つの章からなっている。
    私のように野球観戦はするけれど、そこまで詳しくないという人にも、野球経験のある通の人にもためになる面白い内容だと思う。
    特に興味深かったのは「三浦大輔の積極的バッター対処法」や「サードランナーの基本的スタンス」の項である。
    三浦投手と対戦する左バッターが打つ、一塁線、あるいはライトスタンドへの強烈なファウルボール。これは、ボール1個分インサイドに入ってくるため、芯で当てるには投手寄りでさばかなければならなくなり、バッターがボールを思い切り引っ張ってしまうから起きる。つまり詰まった打球になってしまう。これを踏まえると、左バッターが打つ強烈なファウルボールは、「危ない」ではなく「さすが」ということになる。(p60)
    そんな観方ができるようになったら、より楽しく観戦できると思う。

    1死三塁や一・三塁の場合、内野ゴロゴーが出ることが多い。もし、三塁ランナーが三本間で挟まれても、粘ればその間にバッターランナーが走り、2死二塁になる。
    このとき、サードランナーが走らなければ、同じ2死でもランナー三塁じゃないかと考える。
    しかし、プロでは2死二塁と三塁はそれほど変わらない認識である。(p144)
    この認識に驚いた。

    他にもたくさん面白い話があったけれど、特に印象的だったのは上記の内容。
    分かりやすい解説は、さすが古田さんである。

    実践的なこも多々出てくるので、野球をしている人には特におすすめしたい。

  • 興味深く読めた。
    普段球場には足を運ばないしテレビ観戦でも漠然と見ることの多かった自分には、そうなのかと思うようなことが多かった。
    投手の投球フォームごと、また右投げ左投げ、右打ち左打ち、変化球の種類、守備について、監督の仕事や作戦などについて書かれている。
    ページ数はそれほど多くはないのでいずれも簡潔だが、自分のような知識のない人間にはそれでも面白く読めた。
    サイドスローの選手にとって落ちるボールがこれほど重要とは。

  • 優勝チームの3割バッターより最下位チームの3割バッターの方が凄いとは知らなかった。

  • ひとそれぞれの観方があると思うが、古田氏だけにとても考え抜かれ、磨かれた、興味深い内容だった。

  • 面白かった。野球選手を走・攻・守から俯瞰的に観るコツや一流選手のやっているプレーの数々を丁寧に解説していて実際に球場に足を運んだ際に愉しめる内容になっています。

著者プロフィール

野球評論家

「2016年 『うまくいかないときの心理術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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