- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022736109
作品紹介・あらすじ
【歴史地理/歴史総記】「イスラム国」の脅威など混とんとする世界。そんな中で日本を覆う反知性主義に対抗するには自分のアタマで「したたか」に考え続けるほかない。どんな立場の人とも議論可能な論理に基づいて、歴史を解釈するための知的枠組みを英国中学の歴史教科書から学ぶ。
感想・レビュー・書評
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⚫︎タイトルからして、いつものハウツーかと思いきや、かなり無骨な内容。
⚫︎イギリスは発想が他民族に比べて異質というのはなるほどなと。気の利いた教科書を使用しているのもすごい。徹底して考えさせる訓練が織り込まれている。たしかにあれだけの植民地を統治していたのは、今となっては物凄いノウハウだし、能力だと思う。
⚫︎最後らへんが一般化されたエッセンスだが、中盤も色々あって飽きさせない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023/11/04
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685369 -
タイトルにやや偽りありかな。元外務官僚の佐藤氏が世界情勢や政治を考える上での思考法をまとめたもの。イギリス帝国主義と日本の安倍政権の改憲問題や、スコットランドの独立と沖縄の普天間問題などを関連づけてどのように考えるべきか。という内容。他にも多数事例あり。斜め読みするのは困難で、それなりに時間と熱意が必要な本だが、良書だと思う。
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イギリスの歴史教育を例にとり、その帝国主義の変遷から、アナロジーと敷衍という手法を教えてくれる。そうした手法は、敢えて言語化して定義せぬだけで、日常生活で自然と用いる考え方だ。我々は、教えられなくても、十分にしたたかなのだろう。
人類の歴史は繰り返す。と、言い切らぬまでも、大衆心理における行動、政治力学による決断は、合理的なものから感情的なものまで、作用する複雑な因子を理解すれば、類推は可能だ。例に取る、前例を挙げる、という手法の使い道は広い。時に、人生も二度目ならば、より器用に生きていく事が可能なのにと悔いるような失敗もある。
歴史は、そうした過誤を未然に防ぐ絶好の教材だ。佐藤優は読み易く、常に知的刺激を与えてくれる。好きな著者の一人、それを再確認した。 -
恐らく再読。実践書であり、当時の時事を取り上げているので発売当初に向き合うべき本だったような気がする。日本史A、世界史A、イギリスの歴史教科書を手に読むのが正しい読み方でつらつら読むだけの本ではない。最終ページに『「一冊の本」(2014年4月号~2015年3月号)の連載「超したたか勉強術 私が外務省研修指導官だったら・・・」に加筆のうえ再構成したものです』とあり、この本の目的と意味が分かった気がした。
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基礎的教養を身に着ける。
情報収集。
内在的論理を探る。
インテリジェンスの要諦の1つは公開情報の読み解き。オシント(Open Source Intelligence)新聞だけでなくあらゆる情報に目を通す。読解力が要求される。 -
イギリスで用いられている歴史の教科書などを題材に、心情的な反知性主義に陥ることなく、「新・帝国主義」の時代を生き抜くためのインテリジェンスの能力を磨く方法を具体的に語っている本です。
どういうジャンルになるのか、分類のむずかしい内容です。いわゆる自己啓発本的な読書術でもないし、国際政治の解説書でもありません。しいていえば、著者の専門であるインテリジェンスのトレーニング法とその応用がテーマだということになるでしょうか。
左派の安倍内閣批判とは異なる視点からなされる著者の議論も、興味深く読みました。しばしば保守派が金科玉条とする「リアリティ」が、インテリジェンスの視点から見ると反知性主義的で心情主義的な幻想にすぎないこともあるという指摘はけっしてめずらしいものではありませんが、そうした幻想を克服してリアリティに目を見開くことを、インテリジェンスの能力を身に着ける努力とひとつながりのものとして語っているところに、本書の特色があるように感じます。