新書557 大江戸御家相続 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736574

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】子どもが生まれない、父親が家督を譲らない、正室vs.側室のバトル。とかく「家」を守り続けることは難しい。徳川治世260年、将軍家や大名家は、「御家断絶」の危機をいかに乗り越えたか? 現代人にも身につまされるエピソード満載!

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  • 政変の陰に相続問題あり!徳川将軍家から御三家、諸大名家まで、骨肉相食む内紛劇の真相を読む。古来より、戦乱や政権崩壊の原因となってきた家督の相続問題。徳川治世下の江戸時代もまたしかり。将軍家や大名家の中では、熾烈な後継者争いが繰り広げられていた。子どもが生まれない、父親が家督を譲らない、正室対側室の争い。「御家断絶」の一大危機を、武士たちはいかに乗り越えたか?(2016年刊)
    ・はじめに
    ・序  章 徳川家康はなぜ天下を取れたのか
    ・第一章 徳川将軍十五代の血脈ー徳川宗家の御家相続 
    ・第二章 将軍家存続のために創られた家ー御三家・御三卿の御家相続
    ・第三章 幕府に翻弄された「家門」松平家ー徳川一門の御家相続
    ・第四章 御家騒動はなぜ起こったかー諸藩の御家相続事情
    ・おわりに

    徳川ファミリーの御家相続をメインに取り上げられている。御三家には、連枝も含まれている。家康には11人の息子がいたが、最終的に残ったのは、5人(秀忠、越前家(秀康)、御三家)に過ぎない。宗家は7代で絶え、8代将軍は、紀州家の吉宗が相続する。吉宗(と家重)は御三卿を創設するが、14代将軍家茂は、紀州家から迎えることになる。11代家斉、12代家慶は子だくさんであったが、相続問題に苦しめられる。医療技術が未発達とは言え、奇異なことである。(家斉の子は、一門大名に養子に出され、家慶の子は、大半が夭折したという違いはあるが)
    御三家、連枝、御三卿、御家門も同様の傾向にあり、家系の存続に苦慮している様がよく分かる。

  • 徳川将軍家をはじめ、御三家、御三卿、越前松平氏、黒田氏、伊達氏、池田氏などのお家相続について。

    子どもが沢山いても死亡率が高かったので、分家からの養子を迎えて叶うなら叶うなら娘と結婚させる。江戸時代中期から早世する藩主が多く、養子率が高くなり、代々養子になってしまった例もある。子だくさん将軍家斉が子どもの行く先にこうした分家を利用した。養子に行くタイミングで運命が変わり、小藩から出世できた上杉鷹山と将軍になり損ねた松平定信がいる。伊達騒動と黒田騒動にも触れられている。

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著者プロフィール

1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学史料編纂所教授などを勤めた。1992年『江戸お留守居役の日記』で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書は『寛永時代』(吉川弘文館)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『歴史をつかむ技法』(新潮新書)、『流れをつかむ日本の歴史』『武士の人事』(角川新書)など多数。NHK Eテレ「知恵泉」を始め、テレビやラジオにも数多く出演した。2020年逝去。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全16巻+別巻4冊定番セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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