ぼくが発達障害だからできたこと (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 201
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736680

作品紹介・あらすじ

記憶力が悪く、いつも先生からにらまれていた多動児の僕が、なぜ世界的なベストセラーを書くことができたのか?いろいろなことがうまくいかないその理由が、自分のパーソナリティが傾いているからだとわかって、なあんだって気分になった。ならいっそ清々しい。違ってて当たり前。ナイーブすぎて、優しすぎて、そのためにすっかりこの世界に疲れてしまったあなたに、自信と勇気を与える一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 実は、市川拓司さん大好きなんです。
    「いま会いに行きます」「その時は僕によろしく」など、一体何冊買って友達にプレゼントしたことか。
    なんでこんなに私はこの人のことが好きなんだろうと思っていました。

    その謎がこの本を読んで解けました。

    もともとこの市川さんという方、川村元気さんのようにプロデューサーや広告代理店から上がってきたような方なのかなと思ってたんです。
    だから、恋愛あり親子愛あり友情あり、SFのような展開あり、びっくりさせるようなオチがあり、というてんこもりのエンターテイメントに富んだ小説が書けるんだなと。

    全く違ったんですね。

    彼が描いている主人公は彼そのものであり、波瀾万丈なエピソードは彼の妄想から来ている。アスペルガーとADHDがミックスされた側頭葉型の発達障害だそうです。
    でも面白いのが、先生によりますと「きちんと家庭生活も送っていて作家というある程度のステータスのある職業をこなしていると障害じゃない」そうなんですね。
    本人が社会的に適応できないような何かを抱え
    ている場合でないと障害にならないそうです。

    この場合は「発達障害」と言わないで「発達特性」と言うんですね。

    彼を支えたのは「愛」。
    月並みな言葉かもしれないけど、発達障害のある方とつきあうのは並大抵ではない。
    人間関係の凸凹は誰にでもあるけれど、その「凸凹」の穴を埋めるのに、腕一本をぐっと突っ込んで埋めなければならない。
    自分が身動き取れなくなるのだ。
    愛を注いでくれたお母さま、奥さまがあったからこそ、彼は発達「特性」でいられたんだ。

  • 最近どこかの雑誌で、発達障害関連の連載をかかれていた
    ような覚えがありますが。。。
    もともと、発達障害であることを公表されていましたが
    最近、関連の話を多くされているように思います。
    『弘海』を最初に読んだときは、まだ息子が小さかった時、
    たぶん障害の告知を受けたくらいだったと思います。
    非常にインパクトがあって、正直にいうと、
    読んで泣きました。
    『弘海』は市川さんにとって、ノアの箱舟だそうで
    発達障害ってあくまでも特徴であり、人との差異であり
    本当にそのために副次的な障害が起こらない場合は
    才能であるということがよくわかります。
    才能のきらきらした多様な子供たちが、いっぱい
    あふれるような社会になったらいいなあと思います。
    また、その一助ができればと本当に微力ですが、そう
    思います。
    また、この関係の体験を読むと、自分にも当てはまることが
    いろいろあって、そういう意味では、これを障害というので
    あれば、完全な健常者っていうのは本当に存在するのか
    というのがはなはな疑問であることが、一層いつも
    強く思うようになります。

  • 市川さんの「偏り」っぷりは半端ではないですが、語り口に悲壮感はなく、むしろちょっと誇らしげ? あくまで客観的、ユーモラスな調子なので読んでいて清々しい。共感覚やトランス体質のエピソードは、そんな世界もあるのか! と驚かされます。

    発達障害でない人のことを「定型発達者」というのですね、初耳でした。この呼び方と(定型ってなんとも)、たぶんそうである自分に、一抹の切なさを覚えてしまう......? それくらい、市川さんのほとばしるポジティブは打撃力大。
    発達障害の人も定型の人も、だれが読んでも元気をもらえます。

  • 「だから君たちも僕のようにがんばれ」という旨の記述が、これっぽっちも出てこないのがいい。生きづらくて苦しんでいる者にとって、そういう上から目線が一番の地雷だということを、著者はちゃんと分かっているんだろう。

  • この方の周りにいると、なかなか大変そうだ。

  • 『いま、会いにゆきます』の作者が語る発達障害。記憶力が悪く、いつも先生からにらまれていた多動児の僕が、なぜ世界的なベストセラーを書くことができたのか?自らの傾いた個性を「障害」と認めたことで、前向きにとらえられた体験談を綴っています。

  • 916

  • 特別支援教育の雑誌に紹介されていたので、ネット注文。「障害だからできたこと」という、タイトルがとても気に入ったので。

    読み始めると止まらない。とにかくすごいエピソードの数々。まさに事実は小説より奇なり。しかしそんな中にも、自分にも似たようなことがあると、共感することもできる。

    後半は少し難しい話もあって、ペースダウン。でも、発達障害の専門家による解説もあって、特別支援教育や発達障害について勉強したい人にとっては、とてもお勧めの本です。

  • 2017.1.29

  • 発達障害の場合の『普通』と『障害』の境界がどこにあるかを考えたとき、
    どんなにADHDやADに症状があてはまったとしても
    普通に学校や社会で適応して生きて行くことができれば、厳密には診断基準に該当しないのだそうだ。
    なんだ・・・そうだったのか。
    それだったら、学校や社会が発達障害に対する理解を深めて受け入れていけばいいことじゃないか。
    ただでさえ生きづらさを感じている人たちを
    更に追い詰めるような世の中じゃ駄目だよね。
    (何しろ、一般人口の10%以上も発達障害の症状を持つ人たちがいるらしい!)
    そんなにたくさんの人がいるなら、もうそれは個性ではないのか?!?

    市川拓司が語る自分自身の障害は
    壮絶なまでの困難さであるけれども
    それを真っすぐに受け止め誇りにすら感じている姿は
    発達障害を持つ人には共感を、その親には安堵を、発達障害をよく知らない人には
    好ましい興味を抱かせるのではないかと思います。
    素敵な本でした。

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著者プロフィール

小説家。1962年、東京生まれ。2002年『Separation』(アルファポリス)でデビュー。2003年1月『いま、会いにゆきます』を発表。同作は2004年に映画化、テレビドラマ化され、119万部の大ベストセラーとなった(2007年の文庫版を合わせると139万部を数えている)。2003年5月刊行の『恋愛寫眞 もうひとつの物語』、2004年11月の『そのときは彼によろしく』とも映画化され、いずれも単行本と文庫の累計が50万部を超えるベストセラーとなっている。上記の他の小説作品に、『弘海 息子が海に還る朝』(朝日新聞社/2005年)、『世界中が雨だったら』(新潮社/2005年)、『ぼくの手は君のために』(角川書店/2007年)、『吸涙鬼』(講談社/2010年)がある。

「2013年 『こんなにも優しい、世界の終わりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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