生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736703

作品紹介・あらすじ

人生を苦痛に感じる人には何が起きているのか。自分に自信がなく、人から批判されたり恥をかくのが怖くて、社会や人を避けてしまう…。それが回避性パーソナリティの特徴だ。思わず「自分のこと?」と思った人も大丈夫。面倒くささや無気力な状態を脱し、自由に生きるための方法とは。

感想・レビュー・書評

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  • 自分を守りすぎてチャンスを逃してしまっていたのかもしれない。人生のリスクやマイナス面を過度に恐れて行動できないそんな経験があなたにもあるのではという問いかけ。ギクッとする箇所満載だがだからこそ自分を見つめるときに読みたい一冊。

  • ベートーヴェン、モーム、ブラームス、森鴎外、井上靖に村上春樹。

    著者が、回避性向をもつ人物として挙げた人物たちです。そのパーソナリティーのために恋愛や人生において困難な状況に直面せざるを得なかった人物として挙げられたのは、錚々たる著名な音楽家や作家達であることに大変驚きました。

    その性向のため、自分の内面や弱点をさらけ出すことが出来ずに、健全な対人関係を構築できず縮こまってしまう人格について、筆者は自身の体験からくる共感と励ましの言葉をかけているように読めました。

    回避的性格がどのように形成されるかについて、親との関係性、愛着については多くの事例が書かれています。自分と親との関係性がどのようなものであったか、振り替えられずにはいませんでした。

    著者は、回避性の人は自分から変えたいという気持ちを強く持って、小さなことでも自分で決めて、行動を起こすことが重要といいます。家族や周囲も、本人に強制するのではなく、カウンセリングなどを通じて家族自身の問題に向き合うことが、結果として本人の変化につながる、と。

    「これは自分の人生なのだから。自分の好きに使っていい、自分のための時間なのだから」、という筆者の言葉に勇気づけられる回避性パーソナリティーの人は多いでしょう。

    余談ですが、自分の人生の主体性を自ら取り戻すことに成功した例として、星新一のケースが紹介されています。その父親である星一氏については、本書を読むまで全く知りませんでしたが、そのバイタリティ溢れる生き様に大変興味を惹かれました。星新一が父をモデルとして書いた「人民は弱し、官吏は強し」という小説を読んでみようと思いました。

  • 「生きるのが面倒くさい」というタイトルはちょっと誤解を生むような気がするのですが…。
    パーソナリティ障害の本は数あれど、回避性パーソナリティ障害に特化した本はなかなかないので、心待ちにしていました。
    自分が回避性パーソナリティ障害と診断を受けているので、当然共感する点が多く辛かったです。
    この本を読んだからと言って楽になれるわけではありませんが、自分のことを理解してもらうために家族にも読んでもらいました。
    「甘え」「怠け」で片付けられるのはごめんです。本当にこの世は生きづらい。早く抜け出したい。楽になりたい。

  • 誰でも何かしらの心のクセはあるもので、これは自分のことかも、と思う事もよくある事だ。この本もそれで手に取った。自分みたいと激しく思う所も、ちょっと違うかなと思う所もあったが、まあ、日常に支障はないレベルなのだろう。
    それよりも子ども時代に形成される愛着についての方が気になり、子どもへの接し方を考えた。何が正しいなんて全くわからない中でさらに混乱している気もするが、応対する事をちゃんとやれるようにしたい。
    結局のところ、勇気を出して決断し一歩踏み出せるかが大きな鍵だが、それはいまだに苦手。誰のものでもない人生のはずなのに。自分のやりたい、を大切にしたい。

  • 脱するには、一歩踏み出すのみ。
    結局家族など甘えやたてがあるから回避する。
    そして自分で選択する。
    好きな領域で行動を広める。
    安全基地を作り自分で解決する術をもち一つ一つ乗り越えていく。

    小さな変化を起こす。

    神経質も一つの発達障害なのか?
    なんか障害ってつく疾患が増えている。

    回避性の人が回復を遂げた時、同じ人とは思えないような変化が見られるようになる。行動することに不安がなくなり、自分にブレーキをかけ過ぎなくなる。
    自由に動けると感じ

  • 「自分に自信がなく、人から批判されたり恥をかくのが怖くて、社会や人を避けてしまう。それが回避性パーソナリティの特徴だ」。自分のことかと思うくらい当てはまっててビックリ。「私は回避性パーソナリティです。愛着スタイルは恐れ・回避型です。これを読んでご理解よろしくお願いします」と、自分の取り扱い説明書として周囲の人に配って回りたいくらい(笑)。性格自体は変わらないからそれを悩んでも仕方ない。例に挙げられている星新一やビアトリクス・ポターのように、自分らしく生きるしかない。

  • もしかたら自分は回避性パーソナリティなのではないかと思い購入して読ませていただきました。
    読み進めていくと、本当に一つ一つの特徴や回避性になる原因などが自分に当てはまっていてびっくりしています。
    どうして自分がこんなにも生き辛さを感じていたのかがはっきりしたことにより気持ちが楽になりました。
    回避性パーソナリティは遺伝子的要因が6割ほどで養育過程にも原因がある場合が多いそうです。しかし、養育過程によりその遺伝子的要因も覆すことができるとのことでした。成長していく過程で母親に愛情をあまり与えてもらえなかったり、与えられたとしてもそれが無条件の愛ではなかったり、愛情を十分に与えていると親自身は思っていても、本人の意志とは異なるものを強制したり干渉したりしてしまっているケースが多く、それが原因になっているとのことです。自分の意志を塞ぎこむことを強いられ続けることによって自分の意志を表現することができなくなり、自分の殻に閉じこもり、自分の意志を伝えてもどうせ受け入れてもらえないという心理から回避性になってしまう。
    これらのことも全て自分に当てはまっていてびっくりしました。しかし、生育過程により回避性パーソナリティの土台が出来上がってしまったとしても、一生このまま生き辛さを感じながら生き続けなければならないかというとそうでもないのです。親などから干渉されず、自分の人生を「自分で」選択するようになり、自分の人生の主人公が自分になったとき、生まれ変われるということです。いままでならめんどくさい、傷つきたくないといった理由で避けていたことにも、少しずつチャレンジしていく。そしてちいさな成功体験を重ねていく。そうすることによって自分評価はあがり、ありのままの自分を表現できるようになる。チャレンジすることが楽しくなってくる。たった一度きりの人生他人の人生を生きてはもったいないと改めて感じさせられたので、僕は生まれ変われります。

  • 回避性パーソナリティ障害の特徴や改善方法、回避性の人との付き合い方について書かれた本です。

    相手の顔色を伺うあまり気を遣いすぎたり、素直な感情表現ができずもやもやっとした気持ちを抱えてしまったり。それに疲れて人付き合い自体を避けてしまう。そんな現状を変えたいと思わせてくれました。もう少し早くこの本に出会いたかったなあ。

    人と深く関わるのが苦手な人、自分に自信が持てず縮こまっている人、また、大切な人が自分に心を開いてくれないと悩まれている方にぜひ読んでほしい一冊です。きっと、一歩踏み出す勇気をもらえます。

  • 回避性パーソナリティ障害とは何か?回避性になるメカニズムとは?愛着性障害、社交不安障害、発達障害との違いや関連は何か?回避性と現代社会の考察、偉人の人生から読み取れる回避性、回避性の人々が回復する過程とは?といった内容。

    回避性パーソナリティ障害とは、否定されることや恥をかくことを非常に恐れ、自己抑圧的になることで社会生活に支障をきたす障害、ということらしい。まったく他人事でないどころか、判断基準にほとんど当てはまってしまうので、これは完全に自分事だ。ただ、その判断基準を作っているのがアメリカの精神医学会という点は気にかかる。アメリカで作った判断基準をそのまま日本人に当てはめていいのだろうか?同調圧力が強く、恥の意識が強い日本では、否定されることや恥をかくことを非情に恐れ、自己抑圧的になるのは自然なことではなかろうか。土地に根付いた文化や風習、気質のようなものを無視して、このような判断基準をグローバルに適用するのは違う気がする。日本なら普通の範疇の人がアメリカでは鬱病扱いかもしれないし、アメリカでは普通の範疇の人が日本ではADHD扱いになる、ということは起こり得ると思う。

    回避性に至るメカニズムについては、親の子に対する無関心・ネグレクト・過干渉、いじめ、生まれ持った気質などが関係していると説明している。これらの点については概ねわかる気がする。けど、回避型だの恐れ・回避型だの不安型だの、ここまで細かく分類する必要あるのかね。放置でもなく過干渉でもないちょうどいい距離感の親っていうのも相当難しいし、ないものねだりだと思う。

    回避性の人が世界的に増えているのは、現代人の進化・適応の結果ではないか?と考察した章は興味深かった。コミュニティや他人との深い関わりを避ける個人主義の広がり、少子化による親子の距離の変化、ITメディア等の発達による情報過多によって、体験が画一化し主体的な体験が難しくなる等、どれも考えさせられる点が多かった。ついでに言うとポリティカル・コレクトの広がりも一役買っている気がする。差別、DV、セクハラ、パワハラ等を糾弾されたくなければ、他者と関わらないのが確実だろう。

    回避性から回復するには、安心できる居場所を確保して少しずつ人との関わりを拡張していくこと、と説明されていて、そうなんだろうと思う。ただ、「居場所」の問題は難しい。家庭や学校や会社が居場所にならないからいろんな問題が起きている訳で、それ以外の居場所は一体どこにあるのか?最近よく「依存先を家庭、会社など一つに集中させずに分散させよう」なんて言われている。個人的には、コアとなる居場所があって初めて依存先の分散が意味を持つような気がする。コアとなる居場所がないまま単に依存先を分散させても、精神的にグラグラしたままではなかろうか。

    それにしても、心の在りようになんでもかんでも病名付ける傾向は年々顕著になっていてモヤモヤする。何かというと「共依存だ」とか言い出すのもムカムカする。何より自分自身がその言葉を知ったせいで、「あの人ADHDっぽいな」みたいに自分だけでなく他者をも判断し裁くようになっているのが腹立たしい。知らないほうが良かったのではないか、とすら思う。

    世の中には「発達障害で依存症で社交不安障害で双極性障害です」みたいな、もはや心の病のデパートですね、みたいな人もいる。それはそれで本当なんだろうけど、「業」の一言で済ませてはダメなんだろうか。あるいは「キツネ憑き」ではダメなんだろうか。心の在りようを現す言葉は、もっと非科学的で非論理的な、曖昧な線引きのできない、ふわふわした素朴なものであってほしい。心ってそういうもんでしょ?

  • 子どもには安全な「帰る場所」が必要なんだな。

      親の愛情しか期待してなかったさ
      オレはボーイだからな
      帰る所が欲しかっただけさ…………
      旅に出たら帰る場所がな…………

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著者プロフィール

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで、困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問。著書に、『愛着崩壊』(角川選書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『母という病』(ポプラ新書)など多数。小笠原慧のペンネームで『DZ』(横溝正史ミステリ大賞受賞、角川文庫)などの小説作品がある。

「2018年 『愛着アプローチ 医学モデルを超える新しい回復法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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