生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 614
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736703

作品紹介・あらすじ

人生を苦痛に感じる人には何が起きているのか。自分に自信がなく、人から批判されたり恥をかくのが怖くて、社会や人を避けてしまう…。それが回避性パーソナリティの特徴だ。思わず「自分のこと?」と思った人も大丈夫。面倒くささや無気力な状態を脱し、自由に生きるための方法とは。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに呼ばれた気がして読み始めましたが、割と当てはまるを超えて、ほぼ当てはまるのは初めての経験でした。
    冒頭の筆者自身の過去話に共感する人は一読の価値ありかと思います。

    人間関係や些細であっても何かしらの決断への回避行動、それに伴うひきこもりの例などが多く紹介されており、読んでいる途中「わかる」の連発で、なるほど自分は回避性パーソナリティ障害だったのかと勝手に自己診断したくなるほどでした。
    とはいっても、家族のいる家にいたくない一心で立派に卒業と就職を果たした自分には、なんちゃら障害といわれるより、「障害」と「なんとなく生きづらい」の間に余白が欲しくなります。
    名前が付くと免罪符みたいで楽なのですが、追い詰めて考えないためにも、色々抱えててもまぁいいじゃない、みたいな鷹揚さを自分に許したくなります。

  • 面倒くさがりの私が読むべき本!?
    本を読み出すと何もしたくなくなる…メシタキ、ソウジ、ネバナラヌコト…。

    回避性…初めて聞いた言葉だった。素人にはちょっとこんがらがるところもあるが、最後の方は具体例もあり分かりやすかった。
    筆者の岡田さんは現在メンタルクリニックを開業してらっしゃるが、ご本人も回避性で、大学を卒業するのに10年かかったと書いていた。
    世間では多様性、多様性とやたらと聞くが、教育界は相変わらず画一化されたままの印象。そこに大きな歪みがうまれ結局犠牲になるのは子どもなのである。
    回避性の人には読書好きも多いらしい…納得2019.6.30

  • 回避性パーソナリティ障害とは何か?回避性になるメカニズムとは?愛着性障害、社交不安障害、発達障害との違いや関連は何か?回避性と現代社会の考察、偉人の人生から読み取れる回避性、回避性の人々が回復する過程とは?といった内容。

    回避性パーソナリティ障害とは、否定されることや恥をかくことを非常に恐れ、自己抑圧的になることで社会生活に支障をきたす障害、ということらしい。まったく他人事でないどころか、判断基準にほとんど当てはまってしまうので、これは完全に自分事だ。ただ、その判断基準を作っているのがアメリカの精神医学会という点は気にかかる。アメリカで作った判断基準をそのまま日本人に当てはめていいのだろうか?アメリカと比べたら日本は同調圧力が強く、恥の意識が強いだろう。そこで否定されることや恥をかくことを非情に恐れ、自己抑圧的になるのは自然なことではなかろうか。土地に根付いた文化や風習、気質のようなものを無視して、このような判断基準をグローバルに適用するのは違う気がする。日本なら普通の範疇の人がアメリカでは鬱病扱いかもしれないし、アメリカでは普通の範疇の人が日本ではADHD扱いになる、ということは起こり得ると思う。

    回避性に至るメカニズムについては、親の子に対する無関心・ネグレクト・過干渉、いじめ、生まれ持った気質などが関係していると説明している。これらの点については概ねわかる気がする。けど、回避型だの恐れ・回避型だの不安型だの、ここまで細かく分類する必要あるのかね。放置でもなく過干渉でもないちょうどいい距離感の親っていうのも相当難しいし、ないものねだりだと思う。

    回避性の人が世界的に増えているのは、現代人の進化・適応の結果ではないか?と考察した章は興味深かった。コミュニティや他人との深い関わりを避ける個人主義の広がり、少子化による親子の距離の変化、ITメディア等の発達による情報過多によって、体験が画一化し主体的な体験が難しくなる等、どれも考えさせられる点が多かった。ついでに言うとポリティカル・コレクトの広がりも一役買っている気がする。差別、DV、セクハラ、パワハラ等の被害に会いたくなければ、あるいは糾弾されたくなければ他者と関わらないのが確実だろう。

    回避性から回復するには、安心できる居場所を確保して少しずつ人との関わりを拡張していくこと、と説明されていて、そうなんだろうと思う。ただ、「居場所」の問題は難しい。家庭や学校や会社が居場所にならないからいろんな問題が起きている訳で、それ以外の居場所は一体どこにあるのか?最近よく「依存先を家庭、会社など一つに集中させずに分散させよう」なんて言われている。個人的には、コアとなる居場所があって初めて依存先の分散が意味を持つような気がする。コアとなる居場所がないまま単に依存先を分散させても、精神的にグラグラしたままではなかろうか。

    それにしても、心の在りようになんでもかんでも病名付ける傾向は年々顕著になっていてモヤモヤする。何かというと「共依存だ」とか言い出すのもムカムカする。何より自分自身がその言葉を知ったせいで、「あの人ADHDっぽいな」みたいに自分だけでなく他者をも判断し裁くようになっているのが腹立たしい。知らないほうが良かったのではないか、とすら思う。

    世の中には「発達障害で依存症で社交不安障害で双極性障害です」みたいな、もはや心の病のデパートですね、みたいな人もいる。それはそれで本当なんだろうけど、「業」の一言で済ませてはダメなんだろうか。あるいは「キツネ憑き」ではダメなんだろうか。心の在りようを現す言葉は、もっと非科学的で非論理的な、曖昧な線引きのできない、ふわふわした素朴なものであってほしい。心ってそういうもんでしょ?

  • 自分を守りすぎてチャンスを逃してしまっていたのかもしれない。人生のリスクやマイナス面を過度に恐れて行動できないそんな経験があなたにもあるのではという問いかけ。ギクッとする箇所満載だがだからこそ自分を見つめるときに読みたい一冊。

  • ベートーヴェン、モーム、ブラームス、森鴎外、井上靖に村上春樹。

    著者が、回避性向をもつ人物として挙げた人物たちです。そのパーソナリティーのために恋愛や人生において困難な状況に直面せざるを得なかった人物として挙げられたのは、錚々たる著名な音楽家や作家達であることに大変驚きました。

    その性向のため、自分の内面や弱点をさらけ出すことが出来ずに、健全な対人関係を構築できず縮こまってしまう人格について、筆者は自身の体験からくる共感と励ましの言葉をかけているように読めました。

    回避的性格がどのように形成されるかについて、親との関係性、愛着については多くの事例が書かれています。自分と親との関係性がどのようなものであったか、振り替えられずにはいませんでした。

    著者は、回避性の人は自分から変えたいという気持ちを強く持って、小さなことでも自分で決めて、行動を起こすことが重要といいます。家族や周囲も、本人に強制するのではなく、カウンセリングなどを通じて家族自身の問題に向き合うことが、結果として本人の変化につながる、と。

    「これは自分の人生なのだから。自分の好きに使っていい、自分のための時間なのだから」、という筆者の言葉に勇気づけられる回避性パーソナリティーの人は多いでしょう。

    余談ですが、自分の人生の主体性を自ら取り戻すことに成功した例として、星新一のケースが紹介されています。その父親である星一氏については、本書を読むまで全く知りませんでしたが、そのバイタリティ溢れる生き様に大変興味を惹かれました。星新一が父をモデルとして書いた「人民は弱し、官吏は強し」という小説を読んでみようと思いました。

  • わかりやすく、自己分析にもなるが、改善策はなかなか難しい。家族の理解とか、愛着障害って、自分自身では解決が難しいし、長期化してると余計複雑化してるし。
    母親への帰結が多過ぎるのも気になる。そんな完璧な母親なんて存在しなくない?それを実現させる周囲の理解もどんどん無くなっていくし。
    とにかく、まず自分で決めて、自分で行動していくのが最優先かな。

  • 「生きるのが面倒くさい」というタイトルはちょっと誤解を生むような気がするのですが…。
    パーソナリティ障害の本は数あれど、回避性パーソナリティ障害に特化した本はなかなかないので、心待ちにしていました。
    自分が回避性パーソナリティ障害と診断を受けているので、当然共感する点が多く辛かったです。
    この本を読んだからと言って楽になれるわけではありませんが、自分のことを理解してもらうために家族にも読んでもらいました。
    「甘え」「怠け」で片付けられるのはごめんです。本当にこの世は生きづらい。早く抜け出したい。楽になりたい。

  • 誰でも何かしらの心のクセはあるもので、これは自分のことかも、と思う事もよくある事だ。この本もそれで手に取った。自分みたいと激しく思う所も、ちょっと違うかなと思う所もあったが、まあ、日常に支障はないレベルなのだろう。
    それよりも子ども時代に形成される愛着についての方が気になり、子どもへの接し方を考えた。何が正しいなんて全くわからない中でさらに混乱している気もするが、応対する事をちゃんとやれるようにしたい。
    結局のところ、勇気を出して決断し一歩踏み出せるかが大きな鍵だが、それはいまだに苦手。誰のものでもない人生のはずなのに。自分のやりたい、を大切にしたい。

  • 脱するには、一歩踏み出すのみ。
    結局家族など甘えやたてがあるから回避する。
    そして自分で選択する。
    好きな領域で行動を広める。
    安全基地を作り自分で解決する術をもち一つ一つ乗り越えていく。

    小さな変化を起こす。

    神経質も一つの発達障害なのか?
    なんか障害ってつく疾患が増えている。

    回避性の人が回復を遂げた時、同じ人とは思えないような変化が見られるようになる。行動することに不安がなくなり、自分にブレーキをかけ過ぎなくなる。
    自由に動けると感じ

  • 「自分に自信がなく、人から批判されたり恥をかくのが怖くて、社会や人を避けてしまう。それが回避性パーソナリティの特徴だ」。自分のことかと思うくらい当てはまっててビックリ。「私は回避性パーソナリティです。愛着スタイルは恐れ・回避型です。これを読んでご理解よろしくお願いします」と、自分の取り扱い説明書として周囲の人に配って回りたいくらい(笑)。性格自体は変わらないからそれを悩んでも仕方ない。例に挙げられている星新一やビアトリクス・ポターのように、自分らしく生きるしかない。

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著者プロフィール

一九六〇年香川県生まれ。精神科医。医学博士。作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院にて研究に従事するとともに、パーソナリティ障害や発達障害治療の最前線で活躍。山形大学客員教授として、研究者、教員の社会的スキルの改善やメンタルヘルスの問題にも取り組む。現在、岡田クリニック院長(大阪府枚方市)、日本心理教育センター顧問。『アスペルガー症候群』『境界性パーソナリティ障害』『人はなぜ眠れないのか』『あなたの中の異常心理』『うつと気分障害』『発達障害と呼ばないで』『過敏で傷つきやすい人たち』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に、横溝正史賞を受賞した『DZ』『風の音が聞こえませんか』(ともに角川文庫)などがある。

「2020年 『自閉スペクトラム症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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