知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736901

作品紹介・あらすじ

グーテンベルク・インターネット・人工知能。情報技術の革新は、世界に何をもたらしたか?中世以前、知識とは、特権階級の独占的所有物だった。活版印刷の登場によって万人に開放され始めたそれは、インターネットの誕生で誰にでもタダで手に入るものとなった。そして人工知能の進化が、本質的な変革の時代の到来を告げる…。秘匿から公開へ、有料から無料へ、そして人間からAIへ。「知識の拡散」の果てに、ユートピアは現れるのか?大変化の時代を生き抜く指針を示す、知識と情報の進化論。

感想・レビュー・書評

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  • 週刊誌連載のエッセイ的な内容を、最近のインターネット周りのトレンドに合わせて選択して並べ直した印象。

    「知」の進化についての歴史的な記述で、印刷技術の登場によって知識が万人に開放され始めたことが述べてある。インターネットの登場はそれに相当するインパクトがあり、知識が誰にでもタダで手に入るものになったというところはその通りであると思う。

    百科全書、グーグル、人工知能は、それぞれ過去・現在・未来における万人への知識を分け与える媒介となっていると思う。

    あまり今後の予想的なことは、著者の見解としては書かれておらず、全体も世間一般のまとめ的な印象がぬぐえない内容でした。

  • 本のテーマは、3つある。
    第1のテーマは、知識の価値が隠す事で高まるのか、広めていく事で高まるのか?
    そして、第2テーマが、このインターネット時代に、知識生産と供給のビジネスモデルが確立出来るのか?
    第3のテーマが、人工知能の時代に、人間が知識を保有する意味があるのか?

    知識を限られた人の中で閉じ込める事で、財を産むモデルであった事をギルドや聖書、ラテン語、医学、大学の歴史を通じて解説してくれている。百科事典の出現による知識の解放とインターネットによりフリーに近付く知識。

    大量の知識が情報としてあふれるインターネットの世界で、もはや知識が財を産む事は無くなってしまったのか?

    情報を人より速く手に入れる事で財を成した人、情報をフリーでばら撒く事で財を成した人、情報をコピーして財を成す人、情報を公開して他人に作業をさせる事で財を成した人など、情報や知識を供給する仕組みにフォーカスする事で、第2のテーマへの考察がある。

    第3のテーマは、人間が知識を獲得する事への喜びある限り、人工知能に取って代わられる事はないという筆者の慧眼が説明される。

    筆者は、野口悠紀雄氏。三年ほど前?にブロックチェーンの本を読んで、当時、まだあまり明らかにされていなかったブロックチェーンの仕組みやビジネスモデルについて非常に分かりやすい本を書かれていたのが印象的、そちらの本もお薦め。

    この本は、情報や知識をビジネスにしている人に考えさせられる良い本だと思う。


  •  歴史的な経緯を踏まえながら、今現在の知識・知性にまつわる状況を俯瞰し、整理した新書である。特に紙面を割いているのはインターネット以降のそれだろうか。
     内容としては新味に欠けると感じる人もいるだろう。各種SNSについてなどは、現代的には「当然知っているべき、触れているべきツール」ではあるし、当たり前の話が続いている印象を持っても、それは当然のことだろう。
     しかしその一方で、改めてそれらのツールを全体的な視点で解釈しなおすことにはある一定の意味が見出せるだろう。また、意外にこうしたツールを大雑把に紹介する記事は多くないこともあるから、疎い人間にとっては読みやすく、その意味で新書的な良さ(ライトさ)があった。

     とはいえ、さすがに今少し深い議論を望みたい部分はあった。個人的には人工知能について、もう少し深く書いているものと期待していた面があった。
     そうした個人的な経緯も含めて、星四つ程度と評価している。

  • 内容は評論というよりコラムなので、気軽に読める。”知識”をめぐる現代の状況を俯瞰できる。

  • 知識の必要性
    発想、疑問質問、何を知ればいいか、知識そのもの

    新しい技術の知識で一番重要なのは 「それが可能かどうか」

    情報の対価をネットでとろうとするとクレカ支払いが主流で手数料とSSLで利益が出ない
    他の決済に期待

    ビッグデータは所有者が限られるので大企業のみ活用し、人工知能も

    目的の設定は人工知能にはできない

  • ・百科事典(=web )での勉強は権威のギルド的利益を脅かす。
    ・コピペレポートはけしからん。そもそもコピペでできる課題を出し続ける教師がけしからん。

  •  印刷技術の発明以前、知識や情報を得るためには、大変なコストが必要であった。すなわち、知識や情報は、一部の権力者や専門家にしか得られないものであり、またそのような人々は知識を独占することで自らの権益を守っていたのである。しかし、活版印刷という知識を生み出す技術が発明され、一般市民にまで様々な情報が伝わると、隠蔽されていた事実が暴露されたり、実用的な知識を得たいと思う人々が増えたりして、民集の意識が高まってきたことで、欧米での各種革命が起こるに至ったのである。
     20世紀の後半になると、インターネットという新しい通信手段が登場し、知識や情報の拡散に関する条件は大きく変わった。また、近年急速に進化している人工知能を軸とする新しい情報技術は、多くの問題をもたらす危険性があることは事実である。例えば、レコメンデーションによって積極的に情報を得ようとする主体性が失われたり、それに依存することで、人間の行動が知らず知らずのうちに人工知能にコントロールされたりすることである。その他にも、人工知能の担い手が一部の大企業に限定される危険や人工知能自体が暴走する危険性などがあるが、これらの問題に固執して、現在の傾向に反抗することは産業革命期に起こったラッダイト運動と同じことである。
    さらに、人工知能の進歩により、これまで人間が行ってきた知的作業の多くを代替することも見込まれるが、あくまで知識は持つことそれ自体に意味がある。なぜなら、新しいアイディアを発想するためには、知識が不可欠であり、また質問する能力を知識が高めるからである。したがって、知識や情報を容易に入手できるようになった現在、知識をえることは何かのために手段(資本財)ではなく、それ自体を目的(消費財)として捉えることが重要であり、そのような資本財としての知識の価値は、人工知能がいかに発達したところで少しも減るわけではないのである。

     本書は、第1章と第2章で、知識が独占されていた時代から公開される時代になるまでの変遷が明快に記されており、世界史の勉強にもなって読みやすい。第3章以降は各論的な話であり、専門的な用語(カタカナ語が多い)が登場してやや難しく、また少々脱線が多い気もする(なぜなら本書の中心はあくまで「知」であるはずだから)。
     著者の知識に対する考え方には共感でき、特に知識を得ること自体が自己目的的行為であると主張している点は、日頃から思っている信条に合致するところであった。理由として挙げられている質問する能力を知識が高めるという点を発展させれば、疑問点が浮かびやすかったり、吸収率があがったりすることを理由とする、授業に予習して臨むことの必要性や、行事に綿密に準備をして臨むことの必要性も導くことが出来そうである。

  • 組織とラテン語で守られていた知識、印刷技術と通常言語・アルファベット順の百科事典が万人に開放した。インターネットがメディアを変えた。勉強の方法論が変わった。秘匿より公開の事例。人工知能でどう変わっていくか。

    個々の事例を断片的に知ってはいましたが、「知」をめぐる歴史的な変遷という大きな流れで捉えられると、なるほど、すっきり、でした。

  • 戦争を例にとれば、新しい兵器を製造するために必要な情報の体系は知識。それに対して、戦場における敵軍の動向などは情報。
    既存の知識と問題意識のぶつかり合いで新しい愛出来あが生まれる。新しい情報に接しても知識がなければ、何いも感じない。しかし知識が多い人は新しい情報から刺激をうけて、大きう発展する。

  • かつてはギルドにより独占されていた知識。今はインターネットにより全ての人が情報の受信者のみならず発信者になった。いまは検索技術が重要な意味を持つ。人工知能の問題点は人工知能がやがて人間に反抗して戦いを挑んでくる危険性である。

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著者プロフィール

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年イェール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2017年9月より早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問。専攻はファイナンス理論、日本経済論。ベストセラー多数。Twitterアカウント:@yukionoguchi10

「2018年 『「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2019』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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