「自分には価値がない」の心理学 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736925

感想・レビュー・書評

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  • 読み方が悪かったか、あまり入ってこなかった。

    いろいろ書いてて言いたいことはわかるけど、それができれば苦労しないよっていう感じの内容が多かった。

  •  教育心理学・性格心理学を専門とする心理学者の著者(東京家政学院大学名誉教授)が、無価値感を克服する方法についての提言をまとめた本。
     「自分には価値がない」と感じて苦しんでいる人たちに向けて書かれた、実用書としての側面が強い。

     「若い人たちへの遺言とも思って書いた」と、「おわりに」にはある。
     いまの日本の若者は、諸外国に比べて自尊感情が著しく低いことで知られている。無価値感の克服は、とくに日本人にとって喫緊の課題であり、本書は時宜を得た好企画と言えよう。

     1~3章では、無価値感がどのように生まれ、どのように人を苦しめるのかが、実例をふまえて綴られる。
     そして、残りの4~10章で、無価値感克服のための具体的アドバイスがなされていく。豊富な専門的知見をふまえたアドバイスは、傾聴に値する。

     また、書名のとおり、無価値感についての研究をまとめた心理学の概説書としても読める。以下、私が付箋を貼った箇所をいくつか引用。

    〝無価値感や自信のなさに悩む人の中には、「自分は過保護と思えるほど親から大事にされていたのに」と言う人が含まれる。大方の見方に反して、過保護は自己価値観よりも無価値感をもたらしやすいのである。(中略)過保護は子どもを無力化することで無価値感をもたらし、過干渉は子どもの自我を奪い取ることで無価値感をもたらす。〟

    〝信頼していた人に裏切られるという体験は無価値感をもたらす。
     なぜ怒りでなく無価値感になるのか。それは、信頼とは相互の価値を認めていることだからである。裏切られるということは、相手が私の価値を認めていなかったという事実に直面させられることである。〟
     
    〝無価値感の強い人は、快感に対する怖れがあり、快体験に没頭できない。
     のんびりとした時間を過ごしていると、怠惰を責める心が湧いてくる。楽しいときを過ごしている最中でも、脳裏にふと「これでいいのか」という不安がよぎる。
    (中略)
     快感とは「今、ここ」を堪能することである。
     快楽を堪能できない人は、「今、ここ」を生きることができない。こうした人にとって、「今」とは、常に「後々」のための準備期間である。だから、いつも何かに追い立てられているようで、気持ちを休ませることができない。〟

     日本の若者の自尊感情が低い理由のくわしい分析が欲しかった気もするが、そのへんについてはズバリ『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』(古荘純一)という本も出ているから、そちらを読めばよいか。

  • 自分は無価値であるという、否定的な自己評価に捕らわれ続けてしまうことはこの上なくつらくかなしい。他者に目を向けたくても、向けているつもりでも、行き着く先はダメな『自分』のこと。他者のことを考えたいのに自分のことが気になってしまう。自ずと孤独感にも苛まれる。
    でも、自分をダメだ価値が無いと評価しているのは、他でもない、己自身なのだ。
    そして、なぜ、自己肯定感が低くなってしまう、もしくは、しまったのか。
    自分自身のことから解放され始めるのは、一体何歳くらいからなのだろうか。
    人の心の成長のなんと複雑なことよ。
    まえがきの、「私は、心理学者として人の心を客観的に分析することで満足することができなかった。自分の心を分析して、苦しみを取り除き、安心と快を得るにはどうすればよいのか、それが私の心理学研究であった。本書はそうした私の体験を通したものとなっている。」を見たらもうこの本を読むしかないと思いました。
    自らの体験に基づいた話ほど奥深いものは無い。

  • 無価値感に藁の家を建てて生きているみたいな自分。
    読み終えて木の家くらいなら建てられそうな気がしてきた。
    ただ208頁のような部分は要らなかった。
    この年代の男性のこういうものの見方は不快だ。
    どんなに心理学を学んでもなくすことの出来ないものがあるのだと感じた。

  • 自分には価値がないと思っている人、自尊心が足りない人、自己肯定感が低い人、そんな人たちに向けた応援メッセージが詰まった一冊。日本社会は謙虚が美徳とされすぎていて、自尊心や自己肯定感、自己愛の大切さがないがしろにされているように思う。

  • どうして自分の自己肯定感が低くなっちゃうのか分かったし対策も書いてあった
    自己肯定感低かったら何も踏み出せないし楽しい人生送れないから自己肯定感高める!

  • どうして自分に価値がないように感じてしまうのか、それを紐解いていった上で、いかにして自分を好きになればよいかを分かりやすく解説してくれる本です。

    決して読者を慰めるわけでも、甘やかすわけではなく、論理的に改善策を述べてくれるので、非常に読みやすいと思います。

    書いてあることを実践できないから悩んでいる、と思われる方もいるようですが、そういった方々のことも想定されての本だと思っています。行動しなければ始まらない、その通りだなと。しかし、本の序盤から行動しなければ、というのではなく、終盤にかけてその旨を伝えてくださっているので、自然と行動できそうだ、と感じることができました。

    本を買った後に後悔したくないため、基本的に図書館で本を借りるのですが、久しぶりに手元に置いておきたい本と出会えた気がします。読み終わった側から世界がほんの少しだけ、明るく見えてきた、そんな気持ちにさせてくれる自己啓発本です。

  • 誰と比べるかは自分で選択できる。それで落ち込むか、賛美するかも自分で決められる。
    無価値感を卒業するためには、内面自己を重視すること。心理的技能も練習してだんだんとできるようになる。
    自分は大人。もう無力ではない。だから大丈夫、乗り切れる。特別でなくてもいい。
    ベストなんて望まない。グッドで十分、ベターなら最高。人生設計をもつ。夢は今すぐ実現でになくとも3年、5年、10年のタイムスパンで取り組む
    山中伸弥も外科医のアシスタントで邪魔中と言われた。進路変更するために力をつける
    いかなる仕事でも自己実現的要素が含まれる
    別に早くなくていい。締め切りまでに完成させる
    感情を吐き出す 
    ベッドを思い切りたたく、寝転んで両手両足を、バタバタさせる、泣く、わめく、ゲームセンターで攻撃的なゲームをする。
    大丈夫!自分はできる、これも試練、大丈夫、耐えられる
    身体のちょっとした変化や違和感で感情を自覚する。
    人生設計の具体的な行動計画。今年何するか、今月何するか、今週なにするか
    今、完全であれの禁止令にとらわれているな
    理想とする自己像が高すぎると、自分を否定的にしか評価できない

  • きっとこの本に書いてあるように、目標を定めてそれに向かう具体的方策を考えていけば自己実現できるんだろうなーというのは分かるんですが、それが苦しい。考えることがストレス。いや、分かってはいるんですが…。

  • 自分の感情を大切にしよう。楽しむことを大切にしよう。

    無価値観という概念を中心に、自分には価値がないと感じてしまうのはなぜか、改善するためにはどうしたら良いのか、先行研究や筆者の知見をもとに書かれている。

    この本で新しく覚えた知識は感情の予測バイアス(インパクトバイアス)。将来の自分の感情を実際よりも大きく見積もってしまうこと。これはプラス面にもマイナス面にも働き、嬉しいことは実際よりも嬉しいと予測し、嫌なことは実際よりも嫌だと予測してまう。

  • すごい納得できるしすき

  • 「価値ある自分にならなくては」という思いは強い気がする。前半で無価値観とは何かを説明し、後半で抜け出すための対処法を紹介。助言が心に染みる。無価値観から抜け出すには、自分の感覚・感情・欲求への信頼を取り戻すこと。①好き嫌いから出発、②主語を意識、③感想を言葉に、④思い切って退行、⑤体感から感情を意識、⑥感情と自覚の行動。そして、自己信頼の行動を積み重ねる。30代の過渡期。人生とは葛藤と安定の時期の繰り返し、それぞれの過渡期の課題にきちんと立ち向かっていくことが、実り多い人生をもたらすとのこと。

  • 2004年に受講した心理学の講義以降ずっと違和感のあった「心理的に不健康な人は幼少期に親からの愛情が缺如していた」という言説が明確に否定されて大変有意義だった。改善の理窟はやや強引に感じられたが,問題構造の解説が分かりやすく納得いくものだった。

  • 今の自分にとってはぴったりの本だった。
    色々なトラブルや悩みがあるとついつい自分自身を責めてしまうクセがあるが、そんなクセを心理学的に解きほぐしてくれる本。
    どうしてそのように考えてしまうかまで分かりやすく解説している。

    ただ、頭で分かっていても心が感じてしまう際にはどうすればいいんだろうとも思う。
    こういった具体的な思考法や実践法はとても参考になるが、それでも自分で対処できない悩みをどう克服していくかがこれからの課題である。

  • ・代償的自己
    ・自己価値観 sense of self-worth
    (self esteemとの区別のため著者が提唱)

  • 好き嫌いを感じ取る。主語を意識する。感想を言葉にする。意識的に退行する。体感から感情を意識する。嫌という自分の感情を受け入れ、ここまでしか踏み込ませないなど自分で方針を決定し関係の主導権をとる。嫌という感情と裏腹な行動を進んですることを排除する。やりたくないけれどもやらなければならないことについては、新たな意味づけをして感情を整理する。嫌だけれどもやるしかないさ。
    見栄を張らない、自己防御の姿勢を解く、その場しのぎの行動を減らす、回避行動を減らす、回避行動をとるときは意識する。

  • 実践的に参考にならない

  • 自分には価値がないと思ってしまう心理の分析と対策。
    対策に紙面が割かれていて、何をしたら改善するのか明確なのが良い。

    否定的思考に気づくことと、自分への言葉かけを変えることからはじめる!

    2018/06/23読了

  • 2018.04.30読了
    ウンウン とうなづきながら読みました。
    自分の気持ち次第で色々変わるということは、頭では理解しているのですが。
    この本は、実際にどうすればいいか、具体的な方法が豊富に載っています。
    できることから始めてみよう。
    「変えられることを変える勇気、変えられないことを受け入れる冷静さ、それらを識別できる知恵を与えて下さい」

  • 意識高い系自己啓発本(笑)
    よくある自己啓発本と違うのは、無価値観を感じているそのままの自分を著者が許し甘やかしてくれるのではなく、無価値観を脱するためにどう努力すればよいのかを、教え導こうとしてくれているところ。
    ビジネスとして癒しを提供する事を目的にしたものではなく、後進世代への温かい思いやりに満ちているのが伝わってきて素直に読めた。

  • 単なる励ましが連なる本では無く,心理学的な知見に基づき,原因を細やかに分析して対策法を提示している本でした.
    著者ご自身が苦しい思いをなさっていただけに,説得力がある内容でした.もっとも,著者の詳しい生い立ちは ”おわりに” で初めて分かったのですが.

    購入して良かったです.とりわけ読んで良かったなと思った内容は,下記の通りです.
    生得的過敏性の話(66頁);人生設計を立てる意義や具体的な立て方について(125~133頁);感情バイアスについて(174~177頁);自律訓練法(185~191頁);愛着スタイルについて(202~206頁).

  • 自分の心に響いたのは『今のままでいいのだよ』『特別な存在感にならなくていいのだよ』。
    他人の評価が自己価値になる人は『他の人と同じでは駄目』『優れなければ認めてもらえない』『頑張らなければ存在が許されない』という不安が含まれている。
    努力の方向を内発的な感情に沿うように向けなおすことが大切だ。
    自分を大切にする。仕事をしている自分に価値を見出せないと自分を評価できないことが問題だと思う。その問題を解決するのは自己肯定の習慣だ。自己否定のクセを捨てることが大事だ。
    否定的な考えが浮かんだら肯定的な考えに変換していくと良い。

  •  無価値感が強いと、いろんな場面で他の人と自分とを比べてしまう。優劣が自分の存在価値に直結するからである。確かに、競っても仕方がない人と自分とを、定まらない評価軸で比較してしまいがちです。
     私たちは誰でも自分に価値があると思いたい。しかし、思いが挫かれる体験に出会い、自分は無価値だと思ってしまう人がいる。本書は無価値観とは何かを理解し、抜け出る対処法を述べている。本当の安心、しっかりとした自己価値感は、自分を成長させ、幸福な人生を築こうとする誠実な努力を積み重ねるうちに形成されるのである。アスリートが「あれだけ練習したんから大丈夫」と思えるまで苦しい練習を繰り返すように、心も同じで、練習しないですぐにできるわけがない。「できた!」という体験を積み重ねることで、自己信頼に到達できるのである。

     「自分を自分として成長させること、それにより、自分の内にある力を実感すること。こうした体験を積み重ねることで、無価値感は自ずと乗り越えられていくのである。」根本先生は、自分を成長させるために夢や目標が必要だと仰る、確かに(私も含めて)無価値感に悩む人は、夢をあきらめ、目標を見失っているのだろう。自分が好きなことに素直に向き合い、夢を思い出すとともに、何らかの目標を立てることが必要なのだろう。

     >内面自己としての価値とは、自分の人格的な側面であり、努力家、忍耐強い、誠実、優しい、配慮、献身、共感、自制力、公平、勇気、ユーモアなど…いずれも、他者から評価を受けたからと言っても、自分を納得させることができにくいことです。自分の努力で、自分に刻み込まなければならないようなことです。

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