阿久悠と松本隆 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 63
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737304

作品紹介・あらすじ

沢田研二、ピンク・レディー、山口百恵、松田聖子…歌謡曲が輝いていた時代の記録。日本の大衆がもっともゆたかだった昭和後期。阿久悠の「熱」と、松本隆の「風」がつくりだす"うた"の乱気流が、時代を席捲しつくした。なぜあんなにも、彼らの作品は、私たちをとらえてはなさなかったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 1975年から1981年のオリコンヒットチャートを辿っているだけなのに、そこには日本の社会の変容の物語が投影されている、という本です。なぜ、この時期か?たぶん1960年生まれの著者が人格形成し社会と向き合い始めた時期であろうし、また、歌謡曲というジャンルの終わりの始まりの時期だったから、なのだと思います。時代の歌としての歌謡曲の可能性を切り開こうとし、それに成功した阿久悠と、時代の歌ということを信じずに歌謡曲を個人の歌としてのニューミュージック化していくことに成功した松本隆、ふたりの作詞家の軌跡が補助線となります。それは、山口百恵という存在を強烈に意識し、しかもそれに触れず山口百恵包囲網というシーンを作り出したプロデューサーと、松田聖子を得て自分の個人活動時代の質的挑戦を商業的に大成功させたプロデューサーの対比の物語でもあります。それにしてもこの時代のヒットチャートにおけるふたりの占有率、ハンパないです。わかっていたけど歌謡曲って商品だったんだな、と改めて。つまり、歌謡曲という商品マーケティングの歴史なのでもありました。古い思い出話だけど80年代前半、スキーに行くクルマの中で、洋楽に負けないくらい聴いていたのがユーミン、山達であり、それと同等な存在であったのが聖子ちゃんのカセットだったのに気づいたことがあります。誰のクルマにも積んであったなぁ。そういうシーンに入れたことが松本隆の歌詞の力であり、彼の「はっぴいえんど」時代の仲間の力なのだったのですね。Jポップスが現れ、チャートという意味が最後の輝きを放ち、i Tuneによってアルバムという表現が解体される前夜の歴史についての本でした。

  • 阿久悠と松本隆/中川右介

    二人の作詞家を中心にした70~80年代の歌謡曲史です、本屋で読み始めたら止まらなくなり購入。
    私にとっては正に青春時代?とシンクロしており、桜田淳子(新曲が出る度にパチンコでシングルと交換してた)の映画や写真集、太田裕美のライブを思い出しながら、新書にしては相当入れ込んで読みました。
    オリコンの順位と売上枚数という数字データが縦軸になっていて、後付けにはなるもののその分析には納得感あり。結果はわかっていてもチャートアクションの実況的な描写にはサスペンスのように数ページ一気読み。木綿のハンカチーフと およげ!たいやきくんの対決とかね。
    沢田研二、山口百恵、ピンクレディー、松田聖子などがどのように企画されて成功したか、なども興味深いです。アイドルのみならず都はるみからサザン、ユーミンまでほぼ全てのヒット曲が出て来るので何処を切り取っても読みがいが有ります。

    松本隆の歌詞の素晴らしさは体感してきましたが、阿久悠は才能は勿論、ヒット戦略も時流を見て圧巻だったのですね。

    他の小説と二冊持ちして時々これを読む、というスタイルもよいかもです。

  • 20180415読了
    2017年発行。阿久悠と松本隆の歌がオリコンチャートを席巻していた1975年から1981年を追っていく構成。ヒットの動向を見ていくもので、今後の研究の資料になればと書かれているように、個人を掘り下げる伝記タイプの本ではない。●ちょうどこの期間に生まれておりリアルタイムで曲を聴いてはいないのだけど、知っている歌手も曲もたくさん出てくる。ヒットチャートに名前を連ねていたころを過ぎてもテレビやラジオでよく流れていたから知っているのであって、この時代に生み出された歌謡曲には長く歌い継がれている名曲がほんとうに多いのだなと思った。

  • 日本の歌謡曲シーンを作ってきた二人の作詞家の奇跡。

  • ‪歌謡曲の黄金時代を作り上げた二人の作詞家が最も活躍していた1975年〜1981年を振り返る。各年の代表作と音楽チャート、売り上げ枚数に終始している。もっと二人の作詞家が表現した世界を論じて欲しかった。あくまで資料的な趣きで読み物として面白くない。‬

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社アルファベータ代表取締役編集長として、ドイツ、イタリア、米国など海外の出版社と提携して芸術家や文学者の評伝を出版。アルファベータ代表取締役や『クラシックジャーナル』編集長を務める傍ら、自らもクラシック関係の著書を執筆。『クラシック音楽の歴史(角川ソフィア文庫)』『現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才 (幻冬舎新書)』など著書多数。

「2019年 『イラストでわかる!クラシックの楽しみ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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