児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 73
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737434

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会】年間10万件を突破し、今なお児童虐待は増え続けている。困窮の中で孤立した家族が営む、救いのない生活。そこで失われていく幼い命を、なぜ私たちの社会は救うことができないのか? 日本社会の家族規範の変容を追いながら、悲劇を防ぐ手だてを模索する。

感想・レビュー・書評

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  • 虐待死をさせる親たちは、詳しく目を凝らせば、極悪人というよりも、社会の様々な支援から遠ざかった不遇な人たちだ。むしろ、古典的な家族の形しか知らず、新しい家族に関する価値観にアクセスできず、それでも家族にこだわり、閉じこもった人だ。

    満州女塾については、国策の介入など、始めて知りましたが、育てる力の弱い親、近代家族、移民、シングルマザーなどの全体のつながりについては読み切れませんでした。

  • 東2法経図・6F開架 367.6A/Su49j//K

  • 厚木市のシングルファーザーのネグレクト事件~現代家族の孕む危険性まで

    付録として掲載された児童精神科医との対話
    「人と関われない不幸を虐待と名付けてバッシングするだけではダメなんですね」
    「今は虐待という言葉が一般的になり、一方的に親が悪いというイメージが広がりました。親である以上、子供をしっかりと育てなければという圧力はとても強い。愛情と責任さえあれば、子供は育つという一種の思い込みがあります。うまく育たないと、愛情か責任感が欠けた親だと言って責められる」

    社会と繋がれない孤独な親、いろいろ考えさせられる
    いつか改めて読み返したい

  • 事例として出てくる事件については、もっと詳しい本も読んでいたが、著者独自の視点でシングルファザーやシングルマザーに大きく心を寄せる。部屋に閉じ込めパンを与えて死なせた父親に対して、家の恥を外に出さなかった家庭環境や一人で仕事と両立しようとした心理状況など、人を陪審するときにはここまで心を寄せなくてはいけないのだと身が引き締まった。
    仕事満州開拓民の話まで相当ページをさいて引き合いに出し、追い込まれる親の心境、国家や社会が子供の成長に責任を持つことの重要さを説く。中盤、著者の子供も長らく不登校だったことがわかる。

  • 里親制度については、新しい情報として受け取れるけれど、他部分については、今までの著書の抜粋という感じ。

  • 子供を思い通りにできると思う「所有感」
    裏を返せば思い通りにならないと苛立つ。
    ハッとさせられます。
    娘にも息子にも所有感は感じます。
    でも強さが違うような気がする。
    娘は早くに自立したので同じフォローでも息子のフォローとは違うように思います。
    同じ塾の送り迎えでも娘の場合は主体が娘。
    頼まれてから動きます。
    しかし息子の場合は頼まれるより先に自分で動いてるような感じです。

    虐待する親もそんな感じなんでしょうね。
    親にもハンデがあれば余裕がなくなって。
    例えば
    子供時代に発見されなかった障害があったり
    虐待があったり
    シングルやったり
    けっこう子供に暴力が向かうリスクは身近なところにあるんですよね。

    僕が司法試験受験しようと思ったのは福祉の限界を感じて法律の知識をそんな家庭に届けたいと思ったから
    法曹を断念してからは今の僕にできる範囲でがんばろと思ってます。

  • 【遅ればせながら読みました】

    虐待をした親、とされた方々に「生真面目さ」がある、というところには強く共感しました。自分の仕事を振り返るいい機会になりました。
    「新しい社会的養育のビジョン」について解説されていました。里親委託の件が波紋を広げているところです。たしかに里親さんもいろいろで、私も病院時代に里親さんの虐待事案に複数接し、通告してきました。それもこれも成功の鍵を握るのは「自治体の正規の職員として、専門職を置けるかどうかが重要だと思います」とあります。全くその通りで、ソーシャルワーカーがきちんと専門職として正規に採用され、きちんと能力を高めつつその力を発揮できる環境が整えば「新ビジョン」なんてそんな難しいことでもない、と感じています。
    どの事案にも丁寧に情報を集められ、それを紡いでいった本書は、子ども家庭相談に携わる者として必読だと感じました。

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