カミングアウト (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737663

感想・レビュー・書評

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  • カミングアウト。砂川秀樹先生の著書。同性愛者、LGBT、性の多様性への理解が少しずつ高まってきたとはいえ、性的少数派がカミングアウトしたり、カミングアウトされたりといった機会は日本社会ではまだ多くないのかもしれません。カミングアウトする側とカミングアウトされる側が互いに寄り添って共感し合うことが何より大切であると気付かされました。

  • 「カミングアウト」とは一般的に、LGBTの当事者が自らのセクシュアリティを周囲に告白する行為だと理解されており、そこでは告白する主体にフォーカスがあたる。しかし、8人のカミングアウトストーリーを元にまとめられた本書では、カミングアウトをこう定義する。

    「カミングアウトは、伝える側と伝えられた側との関係が作り直される行為だ。いや、作り直される行為の始まり、という方が正しいだろう。なぜなら、カミングアウトは伝えればそれで終わり、というものでもないからだ。」
    (本書p3より引用)

    本書で語られるカミングアウトストーリーはいずれも、カミングアウトを受けた家族や友人という周囲の人間が、それをどう理解し、当事者との関係を再構築していくか、というプロセスを丹念に追っている。最初は驚き、否定的な反応が出る場合があれど、徐々に受容し、そこには新たな相互理解が生まれるストーリーの様子は、強く心に迫るものがある。
    一般論として、我々は他者を理解できないかもしれない。それでも、その断絶を感じつつも他者を理解しようとしてそこに寄り添っていく行為を丹念に続けていくしかない。LGBTやカミングアウトといった個別の問題から、本作はそこに人間のコミュニケーションを考える上での深い示唆があることを教えてくれる。

  • 生徒からカミングアウトを受けた先生は、他の先生とも情報共有した方が良いけれども。
    生徒からしたら、その先生一個人として信頼した上でカミングアウトしたのであって、まさか先生達がチームでしか動けず、他の先生にまで情報が行き渡ってしまうということを想像できない。
    先生て難しいな。

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著者プロフィール

文化人類学者・博士(学術)。東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学コース)博士課程単位取得満期退学。1990年より20年以上にわたり、東京で、HIV/AIDSに関する支援活動や啓発に関する研究に関わり、LGBTのパレードなどのコミュニティ活動も牽引。また、文化人類学者として、実践女子大学、東京大学、筑波大学、関東学院大学等で非常勤講師をつとめてきた。2011年に沖縄へ帰郷、レインボーアライアンス沖縄設立。2013年、沖縄で初めてとなるLGBTプライドイベント「ピンクドット沖縄」を共同代表として実現。共編に『カミングアウトレターズ』(太郎次郎社エディタス)。

「2015年 『新宿二丁目の文化人類学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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