- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022737878
感想・レビュー・書評
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インテリぶった連中に対する怒りがこもっていて良い。
やれもせんのに言うな、話し合いで解決しようなんてぬるいわ、と。
ご本人は人間関係を築く力が足りなくて戦国武将のようなツワモノ・クセモノだらけの政界で生き残れなかったと言うが、
「怒り」のエネルギーや効果的に「怒り」を伝えようとする姿勢に迫力がある。
やっぱり力があるひとだと読んでいて思いますね。
二大政党制を理想と考えている橋下さんは、
「今の内閣支持率の安定性は、強い野党との切磋琢磨から生まれたものではない。 … この安定は政権与党である安倍政権・自民党の驕りを生む。」
と言い、与党に緊張感を与える強い野党が必要だと叫ぶ。
自民党の、異なる意見でも最後はまとまる強さや、派閥と権力闘争で培われた人間関係力の強さが、エピソードで紹介される。感心。
彼らと戦うにはどういう戦略を取るべきか。
野党の方々も、本書に書かれていることを考えたことはあるはずなのだが、たぶん優先順位をつけるところで失敗しているのだろう。
中でも、勝ち方を知っている与党に比べて、行動量が圧倒的に足りない、という指摘はなるほどなという感じ。
「一万、二万と言葉を重ねて、やっと一が届く」。「見えない票を信じなければ野党をやっている資格はない」。
このあたりは会社員でも言えそう。橋下さんクラスの人でも言葉と行動を重ねに重ねやっと伝わる。心がけたいところ。
ほかには、野党の「組織としての戦略の欠如」「まとまる力の弱さ」「権力欲の弱さ」が指摘されている。
本書で橋下さんは、「維新」は失敗だ、と言う。単なるオレすげぇ本じゃないので、政治に関心がある方は立ち読みくらいはされてもいいかと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
橋本氏の著書を初めて読みました。
流石に熱い方。 -
二大政党制のもとでは、保守とリベラルという対の比較がよくなされてきた。自民党はもともと保守政党だが、今の世論調査によるとリベラル(新しいことを取り入れて前進する)の感覚の方が強い。今の時代、リベラルか保守かという考え方はもう古い!一般市民にとっては、いい政策を出してくれる政党が大事。ポピュリズムはもともとエスタブに対する労働者、農民などの立ち上がり運動なので悪い意味で使われることが違和感ある。
あえて区分けするのであれば、日本は既得権益層を味方につけた自民党と、それ以外の野党だ。
イタリア‥腐敗したベルルスコーニ政権からの、五つ星運動の立ち上がり。
自民党は、違った意見の人でも、10のうち1でも一致点があれば一緒にやっていく。柔軟に、どうにか調整して取り入れていく。反対意見も出し切って、なんとか折り合いをつける。それが強み。維新の会は完全一致にこだわってしまうところがあった。
野党はとにかく与党案に反対すればいい!というあり方はもう古い。対案を出しても審議で塩漬けにされるだけなので無意味という面はあるが、反対だけでは世の中は変わらない。だから、日本維新の会は、自分たちが賛同できると思った法案に対しては野党であっても賛成する。
安倍政権は、自民党支持層向けに移民政策は取らないと明言。一方で、労働力確保のねらいで外国人技能実習制度を設け、法に触れるスレスレのことをやっている。
その中で、大阪維新の会は無党派層の取り入れと従来の組合に依存していないので成功している。
日本の衆議院選挙は小選挙区制が主体。
各選挙区で一人の議員を選ぶので、で与党や強い野党が有利。これだとあまり泡沫野党が当選しにくい。
比例代表は政党の得票数によって議席数が決まるので、小党にも当選の可能性が高い。
もし比例代表制がなくなったら、野党は一丸となって自民党に対峙しないと当選できなくなるだろう。むしろ、選挙制度をそうすることで、与党に対抗しうる強い野党を作れないか?と橋下氏は考えている。自民党は70年の歴史がある。その中で、派閥があったり、人間関係調整力のある人が多い
、層が厚い。TPPや憲法改正なども、自民党内でもかなり意見が割れていたが、人間関係調整力のある人がたくさんいて何とかまとめていったのはすごい!反対派の逃げ道の最終手段として「トイレ休憩」があるが、これはどうしても自分が賛成できなかった場合にトイレ休憩を促され、その間に党内可決されてしまったので仕方ないという‥。
また、今は悪きもの扱いされつつある派閥が、人間関係調整力を生む。派閥ができると長がうまれる。長が派閥を調整しながら成長していく、という流れ。派閥の維持はとっても大変、特に落選中の議員の面倒を見て、懇意の会社と顧問契約を結ばせたりすることも!
自民党内でも、国会議員と地方議員は仲悪い。同じ選挙区の仲間を勝たせてやろうという気がない。
維新の会でも、大阪維新の会と国政の日本維新の会は全く違う。日本維新の会はネームバリューで当選してしまい、タウンミーティングも行わなかった。
いきなり国政を行うのは難しくても、地方の首長から経験していけば良い。実際に行政を動かして、実行力を住民に判断してもらう。それが他の地域でのファン獲得にもつながるし自信にもなる。
裁量労働制や解雇規則緩和は悪い側面ばかり報道されるが、実は雇用市場の流動性を促し、企業側も優秀な人材を留めておくために給与や制度面充実を図る。
北方領土は、早く終戦に持ち込みたい連合国の求めに応じて第二次世界大戦に参戦したロシアが報酬として入手した。ヤルタ密約。こういう手合いには国際裁判がベスト!
日本で問題なのは有権者の無関心。白票でもいいから投票に行くべし!白票が多いと、その塊が次の選挙で自分のところに来るか相手のところに行くかで戦況が大きく変わるので、政治家は必死になっていい政策を練る。
維新の会でも他の野党とバッティングしないように選挙協力、候補者調整をしていることがある。小選挙区で各野党が乱立している場合、票がばらけて自民党に太刀打ちできないからだ。ただ、自党から議員が誕生すれば一人でも数千万円の政党交付金が入るため、一人でも多くの候補者を出したいのが内情。なので候補者調整は大変難航する。 -
P40
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自民党が強い理由として、反対意見もしっかり出しきるような場の設定と、それでも最後は党の方針に従うというしくみや文化がきっちりしていることが挙げられる中、対抗軸をしっかりと持ちながら自民党同様に柔軟な戦術をできる党が野党に必要であることを訴える。
旧民主党などは、反対派の意見引っ掻き回されて結局何も決められずに終わったが、そうではない新たな党が必要だ。著者は、日本維新の会すらできていないと非難する。 -
実際に政治をしてきた人なので、現実的な方法論が書かれており説得力がある。国と地方の役割が被っていて無駄な税金がかかっている➡︎地方に任せる、という点は、地方自治体がやれることの可能性を感じて興味深かった。また、最後の「クビ推奨」は、働く身としては納得感があり、経済進展にも効果的だと感じた。
現役時代によほど批判が多かったからか、学者やコメンテーターへの文句が多すぎて、読んでてやや面倒臭くなる点がマイナス(笑)。
野党が野党のまま甘んじているのは、結局その方が居心地が良いからだと思う。個人が権力欲を持つことに期待するよりも、システムそのものを変えたり、政治家を目指したくなるような教育をしたりする方が、将来的には日本のためになるのではと素人考えながら思う。 -
それはそうなんだろうけど、タネを誰かが作らないと無理だと思います。それができそうなのは、著者くらいしかいないのでは。
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まず、文章がわかりやすい。読みやすい。
政権奪取、つまりは強い野党の必要性、作り方に関する
橋下さんの持論は、腹にすっと落ちた。
ちなみに、政治家には人間関係力が必要で、人と接することが重要で、
この力が橋下さんには欠けていて、松井さんには備わっているとのこと。
ある日、松井さんが橋下さんに趣味は何かと問うと、
橋下さんはツーリングと答えた。
すると、松井さんは、現職知事でありながら、教習所に通い、
大型バイクの免許を取り、ツーリングに誘ったという。
このエピソードには、松井さんの人となりがあらわれているようで、ほっこりした。
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