ペットと葬式 日本人の供養心をさぐる (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737885

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】うちの子であるペットは人間同様に極楽へ行けるのか? そう考えると眠れなくなる人も少なくないらしい。この問題に真っ正面から取り組んで現代仏教の役割とその現場を克明に解き明かしていく。ペット塚は歴史の始まりからあり、現代ではAIBOだって手厚く葬られている。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の葬儀は簡素化が進んでいる。葬式仏教と揶揄される実態があり、簡素化が進むことは必然だろう。それと反比例するようにペットの葬式や墓が過熱している。これは不思議である。飼い主のペットを思う心をペット葬儀サービスに乗せられているだけではないか。家族の一員が亡くなって悲しい飼い主に新たな負担を負わせ、追い打ちをかけることになっていないか。
    今やペットは家族の一員であり、家族の一員として大事にすることは良い。それがペットの葬式や墓の過熱になることには違和感がある。しかし、ペット葬儀サービス流の葬儀や墓が家族の一員として大事にしたことになるだろうか。生態系では死ねば土に還る。ペットは人間よりも自然に近い存在である。動物に触れあうことの価値も自然の性質を持っているからだろう。人間風の葬儀や墓がペットを大事にすることになるだろうか。
    古来より、日本人は人間だけでなく、動物だけでなく、物も供養していた。物を大事にする心を持っていた。その点ではペットの葬儀や墓があっても不思議ではないが、ペット葬儀サービスを伝統的な日本の動物供養と一緒にはできないだろう。飼い主がペットの葬儀や墓を考えることが当然という風潮が生じるならば誤りである。それは葬式仏教と同じくペット葬儀ビジネスに乗せられることになる。また、知人に披露するために盛大なペットの葬儀をする飼い主もいるかもしれないが、本末転倒である。

  • AIBOの葬式も

  • 第82回アワヒニビブリオバトル「【復路】お正月だよ!ビブリオバトル2022」第21ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2022.01.03

  • 出てきたメモから思い出して書く
    卒論で書いたのでめちゃくちゃお世話になった。
    モノが大量生産されるので、モノへの気持ちが多様化している。
    大量にあるからこそ、とりかえが効くから執着しないこともあれば
    大量にあるが、そもそもメーカーのサポートが終わってしまったり、アイボみたいに、家族並みの愛情を持ってたり、フォトアルバムみたいに思い出に直結するようなモノは、簡単には捨てられない。
    環境問題として捉えるのではなく、人間がモノをどう終わらせるのかで話が終始していて、よかった

  • 387-U
    閲覧新書

  • うちの猫どもは大切にされてると思うが、果たして将来葬式をするだろうか。うーん。

  • ペットも人間と同じように極楽にいけるのかという問いかけに真正面から取り組んで現代の仏教の役割とその現場に解き明かしている。

  • 2018年12月読了。

    元日経の記者で今は京都にある実家の浄土宗の寺で副住職をしているという著者、これまでにも「寺院消滅」や「無葬社会」等の著作があり、現代的な死生観やそれに対して仏教界はどのように対応しているのかについて知るために、私は興味を持って著作を追いかけることにしている。

    人間以外の動物は六道輪廻の外にある畜生道の世界に行くしか死後に選択肢がないというこれまでの仏教の考えは、現代のようなペット事情では全く通じないと思う。
    人間社会の問題を包摂し課題を解決できない宗教ならば、私はそういうものとは距離を置いておきたい。

    「魂が宿るモノに対して供養する」という考え、説得的だと思う。
    家族旅行によく出かけた車(うちはデリカでした)を廃車にする時は、なんとなく淋しい感じがしたのをふと思い出しました。

    ちなみに本書で紹介された寺として、

    感応寺(東京都世田谷区)…猫寺として有名
    回向院(東京都台東区)…動物供養碑が多数ある

    備忘まで。

  • 慈悲の心が供養に繋がる。

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著者プロフィール

正覚寺副住職、元「日経おとなのOFF」副編集長

「2019年 『ビジネスに活かす教養としての仏教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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