超、がつくほど遅筆の作家・壬生マコトは、今日も今日とて、原稿を書かずにファミコンをしていました。それを見て堪忍袋の緒が切れた編集者・沖田裕二は、マコトをホテルに監禁してしまいます。
それでも反省しないマコトは、脱出を試みようと部屋の窓を開けると、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」さながらに、上からベッドシーツで作られたロープが降りてきて――。
始めから終わりまで一貫してC調な、おかしなおかしな冒険活劇。
前代未聞、空前絶後、掟破り、と三拍子揃ったとんでもねー結末で終わってしまった雑誌掲載版と、加筆訂正によりなんとかまともな終わり方をした文庫版の両方を掲載した、資源の無駄使いとしか言いようがない、なんともマニアックな一冊。
毎度馬鹿馬鹿しいお話ですので、そういうのが笑って流せる人にしかオススメできない作品です。